「日銀サーベイ」金利予想、経済・物価情勢、金融政策の展望コメント

【記者:日高正裕】

2月17日(ブルームバーグ):ブルームバーグ・ニュースは18、19 両日開かれる日銀の金融政策決定会合を前に、有力「日銀ウオッチャー」 16人に内外の経済・物価情勢、金融政策の展望を聞いた。質問内容は以 下の通り。アンケート回答期限は16日午前8時。エコノミスト予想のま とめ記事は「日銀サーベイ」次の一手はターム物金利引き下げ-二の矢、 三の矢もをご覧ください。

1)今回の会合で予想される政策、2)日銀が政策金利を「引き下 げる」時期、3)日銀が政策金利を「引き上げる」時期、4)~11)政 策金利の予想水準(氏名50音順、カッコは前回回答)、12)経済・物価 情勢の展望、13)金融政策の展望。

13)については、①日銀の次の一手は何か、年度内にそうした施策 が打ち出される可能性はあるか②日銀の二の矢、三の矢は何か③ターム 物金利ターゲットの実現可能性④ゼロ金利や量的緩和など、かつて行っ た政策を繰り返した場合の効果⑤日銀が今後さらに非伝統的な政策に踏 んだ場合、財務の健全性や通貨の信認に問題が生じないか-について追 加質問を行った。

●三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :2009年3月に0―0.1%のレンジターゲット移行(同) 3)利上げ時期 :2011年1-3月以降(同) 4)09年3月末 :0-0.10%(同) 5)09年6月末 :0-0.10%(同) 6)09年9月末 :0-0.10%(同) 7)09年12月末 :0-0.10%(同) 8)10年3月末 :0-0.10%(同) 9)10年6月末 :0-0.10%(同) 10)10年9月末 :0-0.10%(同) 11)10年12月末 :0-0.10%(同)

12)昨秋以降の世界的な需要の瞬間蒸発によって、世界経済の「負の連 鎖」(キャピタル・クランチによる信用収縮と景気後退の悪循環)は一段 と深刻化している。昨年10-12月の主要国・実質GDP(国内総生産) 成長率は軒並み記録的なマイナス成長に陥った。世界同時不況が恐慌(大 幅かつ急激なデフレスパイラル)へ発展するリスクもあながち否定でき なくなってきた。

大恐慌の教訓によれば、恐慌突入回避の鍵は①基軸通貨体制が崩壊 するか②世界各国が保護主義に奔走するか-という2点が握る。①のリ スクはドル危機がけん伝されている割に高まっていない。むしろ、安全 な退避先通貨が存在しないため、ドルは対円を除けば案外底堅く推移し ている。基軸通貨ドルはいわば焼け太り状態。ちなみに、第1次大戦後 から大恐慌期にかけては往年の基軸通貨、英ポンドが弱体化していたが、 米ドルが新興基軸通貨として力を備えつつあった。

一方、②のリスクは高まっている。貿易取引の萎縮による世界経済 の縮小均衡が憂慮される情勢になってきた。今般のローマG7では「反 保護主義」がうたわれたが、自由貿易の堅持は各国のモラルにかかって おり、実効性を担保する強制手段がない。現にWTO(世界貿易機関) ドーハ・ラウンド(多角的通商交渉)は停滞している。保護主義の芽を 完全に摘み取ることは極めて困難だ。

米国経済についてはほんのかすかだが光明を見いだせる。一つは、 「負の連鎖」の根源である住宅デフレの圧力がこれから少し鈍化する可 能性だ。中古住宅の在庫の増勢に頭打ちの兆しがうかがわれる。もう一 つは、オバマ政権が打ち出した史上最大級の8000億ドル弱という追加景 気対策、および新たな金融安定化策。市場の評価は芳しくなかったが、 日本の不良債権処理対策を反面教師としたスピーディかつ切れ目のない アクションは評価していい。

欧州は米国を追う格好でこれからさらに負の連鎖が厳しさを増しそ うだ。新興国は特にロシアが懸念される。輸出の稼ぎ頭だった資源の価 格低迷を背景に、ルーブル安と外貨準備高の減少基調を受け、債務繰り 延べを要請せざるを得なくなった。金融危機再発のリスクがじわり高ま っている。中国は減速しているものの、大型景気対策や金融緩和、人民 元の上げ止まりによって底堅さも見せている。

日本経済は世界恐慌リスクが台頭する中、戦後最悪の景気後退が懸 念される。循環的には今年、在庫・設備・雇用の各ストック調整が本格 化する。景気後退局面は当初の想定よりも深く、長くならざるを得ない だろう。与党はローマG7声明を受けて20兆-30兆円規模という空前 の補正予算を編成する考えのようだが、政局混迷が深まっている現状を 鑑みるに、画餅に終わるだろう。

唯一の救いは平成バブル崩壊後のような過剰債務が解消している点 だが、金融危機を背景に資金繰り倒産が増加しており、必ずしも強みに はなっていない。こうしてみると、国内景気は年内の底入れが難しそう だ。また、循環的な底入れ後も需要のけん引役を欠くため、低空飛行を 余儀なくされそうだ

13)①2月または3月会合で政策金利(無担保コールレート翌日物)の 誘導目標を0.1%から「0.0%~0.1%」というレンジターゲットに変更 して下振れを容認する。流動性の供給をいっそう強化し、高止まりして いるターム物金利の押し下げを目指す。具体策としては、国債買現先オ ペや共通担保オペを企業金融支援特別オペのように固定金利・金額無制 限で実施することなどが考えられる。米連邦準備制度理事会(FRB) のように時間軸政策をセットする公算も。

②二の矢は、国庫短期証券や長期国債の買入増額による日銀バラン スシートの拡大=量的緩和の強化。三の矢は、非伝統的なリスク資産(企 業債務)の買い入れ増額(=対象範囲の拡大)=信用緩和の強化。③日 銀が言うターム物金利とは国庫短期証券の利回りやTIBOR(東京銀 行間貸出金利)。これらを金融政策の政策金利(誘導対象)とする可能性 は低い。特にTIBORを直接コントロールする手段がない。

④完全なゼロ金利政策にしても量的緩和政策(当座預金ターゲット) にしても、政策効果のポイントは、日銀がどのような資産の買い入れを 増やして自らのバランスシートを膨らませるかが握る。前回のゼロ金利、 量的緩和政策では、それは短期国債(現在の国庫短期証券)や長期国債 が中心だったが、緩和効果は金融システム内にとどまり、企業金融への 波及が限られた。今回も同様だろう。

⑤信用緩和の効果が表れるまで非伝統的なリスク資産の買い入れを 拡大していくとすれば、対象資産の格付けを引き下げていかざるを得な い。そうだとすれば、日銀資産の質は確実に劣化する。そして、それに 応じて財務の健全性が損なわれ、通貨の信認は低下する。非伝統的なリ スク資産が資産に占めるウエートは一体いくらが臨界点になるのかは、 絶対的な水準があらかじめ判明しているわけではないので、手探りして いくしかない。

●大和証券SMBCの岩下真理チーフマーケットエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :政府の追加経済対策に合わせ日銀への利下げ要請も 3)利上げ時期 :2011年以降(同) 4)09年3月末 :0.10%(同) 5)09年6月末 :0.10%(同) 6)09年9月末 :0.10%(同) 7)09年12月末 :0.10%(同) 8)10年3月末 :0.10%(同) 9)10年6月末 :0.10%(同) 10)10年9月末 :0.10%(同) 11)10年12月末 :0.10%(同)

12)米国ではISM景況指数が下げ止まるなど、オバマ期待もあって少 しは明るい材料も出てきたが、金融と経済の負の圧力は予断を許さない。 米国経済の方向性は下から横、そして年後半には上へと変化していくと 予想しているが、英国と欧州は景気後退が遅れた分、当面下向きのベク トルが強い状態が続くとみておくべきだろう。欧米向け輸出の激減によ るアジア新興経済の悪化は、日本にとって大きな負の圧力と言える。

日本の指標は足元で総崩れになった。昨秋以降の輸出の大幅な落ち 込み、衝撃的な減産から、今後は所得、支出面の大きな調整圧力を避け ては通れないだろう。失業率が12月分で4.4%まで上昇、製造業の非正 規雇用に始まった調整も今後、非正規から正規、製造業から非製造業へ 波及することが見込まれる。生産の予測指数から昨年10-12月よりも今 年1-3月の減産幅が大きいことが読み取れる上、4-6月の生産計画 が持ち直すとの報道がほとんど聞こえてこない。

需要ショックによる減産は、在庫増が止まっても出荷が見込めなけ れば、回復軌道には乗れない。年後半の外需持ち直しが待たれる中で、 年半ばまでは相当厳しい状況が続くと覚悟するしかないだろう。一刻も 早く政府の追加経済対策(即効性のある内需刺激策=減税、有効需要の 創出、中長期的なビジョンによる国策=産業育成、研究投資)の実施が 必要だ。

5月上旬発表の機械受注統計の4-6月見通しで前期比2けたのマ イナス、5月中旬発表の1-3月GDPも相当悪い(2期連続で2けた マイナスも)、5月後半以降の企業決算(赤字続出)、5月下旬発表の4 月の失業率悪化(3月末で派遣契約切れが多い)、消費者物価指数(除く 生鮮食品、コアCPI)のマイナス幅拡大と悪い発表が相次ぐことが見 込まれる。その時までに政府・日銀が一体となった政策をとれるかどう かは景気後退が長期化するかの分岐点となろう。

13)①日銀の次の一手は、社債の購入条件を決定。残存期間1年以内で 格付けはA以上が見込まれる。従来のCP買い取り、企業金融支援特別 オペの期間延長。ターム物金利の低下を促すために共通担保オペの長期 化や、短期国債買切オペ増額を検討。いずれも年度内実施の可能性が高 い。②二の矢では、年度末の株価を意識した策も必要となる可能性があ る。政府の株価対策をサポートできるように日銀は資金供給する。もし くは適格担保の対象に株式を入れることも検討か。

三の矢では、政府の追加経済対策と合わせて日銀ができることを検 討する。長期国債買い切りの増額、企業金融商品の買い取り対象の拡大、 条件の緩和等が考えられる。ゼロ金利政策も選択肢の1つにはなり得る。 ③日本の場合、ターム物金利の指標はTIBOR3カ月となるが、有担 保ではなく無担保金利であり直接的に押し下げることは難しく、スイス のようなターゲットの実現可能性は低い。

④ゼロ金利にすることでターム物金利の引き下げを促すことができ れば、資金の目詰まり解消策とはなり得るだろう。かつての量的緩和と は異なっても、日銀が信用リスクを取る形で資金供給の量を増やすこと により、金融システムの安定を図る効果はある。⑤日銀は1月会合後、 企業金融商品の買い取りについてルールを示した。その中で財務の健全 性と通貨の信認を損ねないことをうたい、緊急時の措置として出口を見 据えた形作りにこだわっている。

世界的な金融危機において、日本だけでなく米英も既に非伝統的な 政策に踏み込んでおり、日本だけが通貨の信認が低下する状況ではない。 今後もオペや買い取りにおいて期間延長、条件緩和、新たな手段も検討 されようが、危機脱出が確認されるまではやむを得ないと考える。今後 は政府の財政政策がメーンだが、中央銀行のサポートが必要な時間は当 面続くとみる。

●みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :予想せず(同) 3)利上げ時期 :2011年1月以降(2011年1-3月) 4)09年3月末 :0.10%(同) 5)09年6月末 :0.10%(同) 6)09年9月末 :0.10%(同) 7)09年12月末 :0.10%(同) 8)10年3月末 :0.10%(同) 9)10年6月末 :0.10%(同) 10)10年9月末 :0.10%(同) 11)10年12月末 :0.10%(同)

12)米家計の過剰消費崩壊で、世界経済は需要レベルの「床が抜けた」 状態。需要が下方に大きくシフトするのに伴い、供給サイドの「ダウン サイジング」は必至。生産設備や雇用人員の過剰感が強まる中で、設備 投資や雇用・賃金の削減がこれから加速する。また、会社の数自体にも 世界的に減少圧力が加わる。

13)①白川総裁の市場機能維持へのこだわりがなくならない限り、利下 げは0.1%までで打ち止めだろう。個別の流動性供給策(米国型の量的 緩和=信用緩和)を積み重ねていくことになる。とりあえず1年以内の 社債買い切りを2月会合で決定へ。②適格担保範囲の臨時拡大、国債買 い切りオペ増額などの流動性供給強化措置。③ストレートなターム物金 利誘導は現状実現困難だが、金融市場調節方針への「なお書き」付加に よる資金供給増強は選択肢として考えられる。

④流動性供給を現在よりも行いやすくなるというメリットはある。 ただし、市場機能まひを白川日銀は無視しえない副作用ととらえるだろ う。むしろ、現行政策への定性的な「時間軸」付加の方が実現可能性は 高い、⑤買い入れる資産の範囲・規模に依存してくる問題であり、同時 に、政府との間での明確な損失分担合意の有無にも依存してくる問題で あるため、一概には言えない。

●東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :回答なし(当面は0.1%が下限) 3)利上げ時期 :2011年後半以降(2011年4-6月) 4)09年3月末 :0.10%(同) 5)09年6月末 :0.10%(同) 6)09年9月末 :0.10%(同) 7)09年12月末 :0.10%(同) 8)10年3月末 :0.10%(同) 9)10年6月末 :0.10%(同) 10)10年9月末 :0.10%(同) 11)10年12月末 :0.10%(同)

12)金融システム危機が欧米だけでなく新興市場諸国、石油産出国の実 体経済にも及び、03年以降の景気回復局面で日本経済をけん引してきた 自動車、鉄鋼、電機・デジタル関連の輸出産業が直撃されている。海外 政府の大規模な財政支出や、FRBのターム物資産担保証券ローン制度 (TALF)等による信用市場対策により明るさが表れる局面もあり得 るが、米国での金融危機対策は難航することが予想されるため、当面は 厳しい環境が続くと思われる。

春以降の国内経済は、雇用調整、所定外賃金・ボーナスの減少に伴 う消費の悪化がより顕著になると思われる。

13)2月に入ってから日銀は資金供給量を増大させ、日銀当座預金残高 を明確に引き上げている。日銀は公式には現行の政策を量的緩和と呼ん でいないが、翌日物金利の誘導に必要な金額を大きく上回る資金供給を 実行することを量的緩和と呼ぶのなら、それは既に実行されている。T IBORに関しては企業の資金需要が実際に強いため、日銀がオペで直 接的に働き掛けることは難しい。

ただし、「埋蔵金」吐き出しを主因に市中発行額が増額されている国 庫短期証券(TB)の金利に対しては、日銀はTB買い入れオペ、共通 担保資金供給オペ、国債買現先オペをより積極的に行うことである程度 対処していくと思われる。具体的なターム目標金利の設定は難しいと思 われるが、潤沢な資金供給を続けるというメッセージは送るだろう。

多くの企業が実際に望んでいるのは、短期金利が今よりも少々下が ることよりも、資金調達のアベイラビリティの安定性や、社債市場の機 能回復と思われる。となると、民間の債務のリスクを日銀がどこまでと っていくべきかという点が主要な今後のテーマになる。ただし、中央銀 行が政府の補償なしに単独でリスクをとることには、通貨の信認の点か らおのずと限界が生じる。

イングランド銀行は先週、総額500億ポンドの優良民間資産(CP、 社債など)を買い取るプログラムの具体策を発表した。英財務相はそれ に先立つ1月29日、書簡でキング・イングランド銀行総裁に対して、プ ログラムによって生じるいかなる損失も政府が補償すると約束している。

大胆にリスクをとっているように見えるFRBも、実際はCP買い 取りやベア・スターンズ・AIG関連貸出、TALFなどにおいて、米 財務省との協力関係が存在することをいつも強調している。バーナンキ 議長は2月10日の議会証言で、FRBの信用緩和策は財務省によってサ ポートされていることを強調していた。

日銀は今週の金融政策決定会合で残存期間1年以内の社債を購入す ることを決定する見通しだが、今後さらにリスクをとっていくためには、 政府との協調体制を構築していく必要がある。なお、今週の日銀の金融 政策決定会合では、日本政策金融公庫が発行するCPを日銀の共通担保 資金供給オペの適格担保や、CP買い現先オペの適格担保に認めること が決定されると思われる。適格担保になると金融機関は同公庫が発行す るCPを購入しやすくなる。

●JPモルガン証券の菅野雅明調査部長 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :想定せず(同) 3)利上げ時期 :2011年以降(2010年2月) 4)09年3月末 :0.10%(同) 5)09年6月末 :0.10%(同) 6)09年9月末 :0.10%(同) 7)09年12月末 :0.10%(同) 8)10年3月末 :0.10%(0.25%) 9)10年6月末 :0.10%(0.25%) 10)10年9月末 :0.10%(0.50%) 11)10年12月末 :0.10%(0.50%)

12)GDPで見れば08年第4四半期、09年第1四半期の平均成長率は 年率2けたのマイナス成長という「戦後初めて」の経験となろうが、よ り重要なのはGDPの中の最終需要の動向だ。第4四半期の落ち込みの 最大の原因は輸出であり、第1四半期には個人消費などの内需にシフト することが考えられるが、最終需要全体では第1四半期には純輸出があ る程度回復する(マイナスの寄与が縮小する)とみられているので、経 済の基調トレンドは緩やかに回復し始める可能性が高い。

これに対して、第1四半期の最大のマイナス要因は在庫だろう。第 4四半期に積み上がった「意図せざる在庫」の調整が第1四半期に本格 化するからだ。事実、先週発表された1月景気ウオッチャー調査、同消 費動向調査は低水準だが小幅の改善を示した。商工中金中小企業景況観 測でも2月予想は緩やかな改善だ。ただし、経済がマイナス基調から脱 するのは第4四半期と予測する。コアCPI(前年比)は4月からマイ ナスとなろう。

13)①、②今週の決定会合では年度末対策としての時限措置(補完当座 預金制度、民間企業債務を活用した新たなオペ)の延長と社債購入スキ ームの具体策が発表されると予想する。今後は金融市場の動向を眺めつ つ、必要に応じ購入対象となる企業債務の拡大、例えば企業に対する証 書貸付債権などを進めよう。③ターム物金利ターゲットへのシフトを行 うと、翌日物金利ターゲットの維持が技術的に困難になるので、直ちに 実施することはないだろう。

翌日物金利ターゲットをFRB並みに「0.0-0.1%」とすることも考 えられるが、0.0%を容認することは市場機能維持を重視している白川総 裁の哲学と相いれない。ただ、この可能性が全くないとも言い切れない ため、この点に関する記者会見での白川総裁の言い回しに注目すべきだ。 ④「ゼロ金利と量的緩和」の組み合わせは前回実験済みで、時間軸効果 から長期金利水準の低下が確認できたが、当時は財政政策が引き締め気 味に運営されていたことも長期金利低下の一因だった。

これに対し、今回は財政政策も景気刺激的であるため、長期金利が 時間軸効果で低下する保証はない。日銀が中長期国債をさらに買い増す ような場合には長期金利上昇のリスクすら出てくる。このほか、白川総 裁は「ゼロ金利と量的緩和」による「モラルハザード」「市場機能の喪失」 を警戒しているため、前回同様の政策を実施する可能性は少ない。日銀 のバランスシート拡大は前回と異なり企業債務を買い入れた「結果」だ。

⑤政府債務が国内投資家によってファイナンスされている場合は長 期金利上昇のリスクは小さいが、経常黒字が急減している状況下、今後 経常収支が恒常的に赤字になる場合、政府債務を海外投資家にファイナ ンスしてもらうような状況に陥ることになる。こうなると、海外投資家 は多額の政府債務は財政規律の弛緩と解釈してプレミアムを要求してく る可能性が高く、長期金利上昇要因となる。

●第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :2009年4-6月(2009年2月) 3)利上げ時期 :2011年以降(2010年10-12月) 4)09年3月末 :0.10%(0%-0.10%) 5)09年6月末 :0%-0.10%(同) 6)09年9月末 :0%-0.10%(同) 7)09年12月末 :0%-0.10%(同) 8)10年3月末 :0%-0.10%(同) 9)10年6月末 :0%-0.10%(同) 10)10年9月末 :0%-0.10%(同) 11)10年12月末 :0%-0.10%(0.25%)

12)企業物価をみていても、デフレ圧力が着実に川下に伝わっているこ とがうかがえる。春先以降に正規雇用を含めた企業の本格的な雇用調整 が起これば、CPIもデフレスパイラルの危険にさらされる。4月の展 望リポートに向け、物価見通しがさらに下方修正される可能性がある。

13)年度内に既定路線の社債購入の条件を明示する。2月の決定会合で は4月以降の対応を検討し、4-6月に追加緩和を実施する見通し。具 体的には、誘導目標のレンジを下方に広げ、長期国債の買い切りを増額 することが有力。ゼロ金利を認めたとき、オペを長期化し、ターム物の 押し下げの効果も出てくるので、今後はその可能性を探っていくだろう。 既に日銀はバランスシートの信認を犠牲にして信用緩和を推進しており、 ちゅうちょしないだろう。

●BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持、ターム物金利引き下げ案の検討も 2)利下げ時期 :利下げなし(同) 3)利上げ時期 :2011年1-3月以降(同) 4)09年3月末 :0.10%(同) 5)09年6月末 :0.10%(同) 6)09年9月末 :0.10%(同) 7)09年12月末 :0.10%(同) 8)10年3月末 :0.10%(同) 9)10年6月末 :0.10%(同) 10)10年9月末 :0.10%(同) 11)10年12月末 :0.10%(同)

12)日米欧3極で08年第4四半期の景気の落ち込みが最も激しかったの は日本だ。鉱工業の生産予測などから判断すると、09年第1四半期の落 ち込みは第4四半期を上回る可能性もあり、2四半期連続で日本経済が 最も激しく悪化しそうだ。「金融バブルの発生しなかった日本は欧米に比 べて世界的な金融危機の影響は相対的に軽微」と多くの人が考えていた が、実際にはそうではなかった。日本経済の悪化度合いは欧米を上回り、 新興国経済に引けを取らないものとなっている。

理由の一つは、今回の世界同時不況が世界同時好況の下で拡大した グローバル・インバランスの本格調整という側面を持っていることだ。 「住宅価格上昇を背景とした過剰債務と過剰消費によって、米国経済は 経常赤字を未曽有の水準に膨らませることで、各国の過剰貯蓄を吸収し、 世界同時好況を支えていた」と説明されることが多いものの、実は因果 関係は必ずしも一方向ではない。

日本やアジアに大きな貯蓄超過が発生していたからこそ、世界的な 低金利が続き、それが米国や欧州の資産価格上昇と資金需要の増加(過 剰債務)をもたらし、過大な消費(過剰消費)を促していたとも言える。 世界同時好況の下で拡大したグローバル・インバランスの本格調整が始 まったのであれば、その調整過程で生じるコストは資本輸入国(経常赤 字国)だけではなく、資本輸出国(経常黒字国)にも課せられる。

資本輸入国では過剰消費が調整される形で経常赤字に縮小圧力が加 わると同時に、資本輸出国では輸出が調整される形で経常黒字に縮小圧 力が加わり、グローバル・インバランスの調整が進む 。グローバル・イ ンバランスが拡大する過程でその金融仲介を担い、世界同時好況の最も 大きな恩恵を享受したのが投資銀行をはじめとする米欧の金融機関だっ た。そして今、グローバル・インバランスの調整によって、それらの金 融機関は大きなコストを強いられている。

こうした金融面での動きに対して、実物面で世界同時好況の恩恵を 享受した経済主体の一つが日本の輸出セクターであり、現在その大きな 調整を強いられている。さらに、グローバリゼーションによって世界的 な分業体制は一段と深化し、その中で日本が最も付加価値の高い工業製 品の供給を担うようになっていたことが、日本経済の落ち込みがG3の 中で最も激しい理由の二つ目だ。

新興国をも含む世界的な資産価格上昇による所得効果から、ハイエ ンドの工業製品が世界的に需要されたが、その恩恵を最も享受したのが 日本の輸出セクターだった。前回の世界的な景気拡大は、グローバリゼ ーションの進展とともに活況を呈し、まさに世界同時好況とも言えた。 今回の世界的不況がかつてない様相を見せているのは、グローバリゼー ションが深化して初めての不況であると同時に、急速に進んだグローバ リゼーションの反動の側面もあるためだ。

日本はグローバリゼーションに乗り遅れ、その恩恵を享受していな いと思われていたため、反動も小さいと考えられていた。しかし、グロ ーバリゼーションの進展の過程で、日本も資本輸出を通じて米国の過剰 債務・過剰消費を助長し、同時に世界的な分業体制の深化の中で日本の 輸出セクターは相当に大きな恩恵を受けていた。日本経済が直面してい るのは、米欧の金融危機の余波ではなく、自らも大いに参加したグロー バリゼーションの逆襲と言えるのかもしれない。

13)①ターム物金利の引き下げ、早ければ3月。②長期国債の買い増し。 ③ターム物金利の低め誘導策をとる可能性は高いが、ターゲットの実現 可能性はそれほど高くない。④日銀が従来行っていた量的緩和は流動性 対策という観点を除くと、日銀当座預金と同質の金融資産の購入に過ぎ ず効果はほとんどないため、実行されないと思われる。ゼロ金利政策復 活の可能性はゼロではないが、非正統的資産の買い増しの方が効果は大 きい。

⑤通貨の信認は、最終的には公的債務が将来の増税や歳出削減で担 保されるかという、財政当局の財政規律に対する信認の問題だ。日銀が 財政の領域に一段と踏み込むとしても、そもそも財政政策全体から見れ ば限定的な範囲での行動にとどまらざるを得ない(可能性は低いが、も し日銀がそこから大きく逸脱すれば、長期的な物価のコントロールの能 力を失う)。通貨の信認問題は日銀の行動よりも、国会の議決を必要とす る財政に大きく左右されると考える。

●モルガン・スタンレー証券の佐藤健裕チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :2009年4-6月(2009年1-3月) 3)利上げ時期 :2010年10-12月(2010年7-9月) 4)09年3月末 :0.10%(0.00%) 5)09年6月末 :0.00%(同) 6)09年9月末 :0.00%(同) 7)09年12月末 :0.00%(同) 8)10年3月末 :0.00%(同) 9)10年6月末 :0.00%(同) 10)10年9月末 :0.00%(0.25%) 11)10年12月末 :0.25%(同)

12)08年10-12月から09年1-3月はモメンタム的に景気後退のクラ イマックス。金融市場から実体経済への相乗作用が極度に強まり、貿易 金融の収縮が製造業の生産や貿易の直接の圧迫要因となった。ただし足 元は貿易金融の再開や内外のセンチメント関連指標の限界的な改善等、 「雪解け」に向けた動きも一部に表れている。12月以降は輸出の落ち込み に応じて輸入も大幅に落ち込み始めている。

輸入の落ち込みは内需悪化の反映にほかならないが、1-3月のネ ット外需は10-12月の反動でプラスのげたを履くことはもっと注目さ れてよいだろう。実際、1-3月の見方次第で09年の見通しの数字は大 きく変わり得る。設備投資は10-12月期以上の落ち込みを示す可能性が あり、個人消費もマイナス成長が続く可能性はある。

一方、ネット外需の限界的な改善に加え、内外ともにセンチメント 関連指標(米ISM、独IFO、中国PMI、日本景気ウオッチャー調査) は総じて限界的な悪化幅の改善を示している。日本の場合、景気ウオッ チャー調査の現状判断DIが底打ちしてからおおむね3カ月で景気の方 向性は転換する。

むろん、外部環境が大幅に悪化する中、景気がこれだけで大底を打 つとは見込んでいない。せいぜい4-6月に製造業の生産活動が下げ止 まるかどうかという程度だろう。しかし、回復のごく初期段階の景気指 標は強弱まだら模様である場合がほとんどで、全ての指標が改善を示す わけではない。従って、これらの胎動を一概に無視するのもまた危険だ ろう。

13)①金融政策面では、1)ターム物金利の低め誘導、2)ゼロ金利と補 完当座預金制度の廃止。1)、2)ともに年度内の可能性あり。ただし、 2)は4-6月にずれ込む可能性も。プルーデンス政策面では、1)企業 金融の支援策継続、2)社債や証券化商品といったリスク資産の購入範囲 拡大。1)は2月会合で決定されよう。2)は最上級格付けの商業用不動 産ローン担保証券(CMBS)が適格担保や買い入れの対象となる可能 性がある。

②ゼロ金利実現後の政策パスは大別して以下の3点。1)リスク資産 の購入範囲拡大、2)国債の購入規模拡大、3)外債の購入。1)は究極的 には株式市場への介入。上場投資信託(ETF)買い入れや株価先物指 数の購入など、株価水準次第で実現可能性はある。2)は輪番増額や日銀 乗換えの再乗換え拡大。事実上、財政資金のファイナンスに近い。3) は経済効果的には財務省による為替介入と同じで、外為特会の勘定で行 うか日銀のバランスシートを使うかの違いだけだ。

蓋然(がいぜん)性が高いのは2)の次に1)。ただし1)が発動され るのは極端な株価水準の低下時となろう。③ターム物ターゲティングは 技術的にクリアすべき点が多く実現は困難。しかし、ターム物金利の低 め誘導には技術的問題点はなかろう。オペ期間を延長し、市場が期待す る以上の大量のオペを日々打ち続ければ、ターム物金利は必ず低下する。 実際、前回の量的緩和時代には最長9カ月のオペが打たれたことがある。

足元の経済状況は当時よりはるかに深刻で、日銀は短期市場におい て駆け引きを演じている場合ではなかろう。④ゼロ金利とプラスの金利 ターゲティングの違いは大きく、ゼロ金利の場合、日銀はゼロ%実現の ため無限の流動性供給にコミットすることとなる。現状、利下げでもタ ーム物金利が強含むのは、補完当座預金制度により無担コールのフロア 水準を完全にコントロールできるという認識から、適切なターム物供給 オペが打たれなかったためだ。

こうした状況を放置すると、株安・円高という形で市場のしっぺ返 しを受け、さらなる緩和発動時期を早める可能性がある。一方、日銀バ ランスシート上の負債である超過準備を増やすことを目標とした従来型 の量的緩和は、金融機関の資金繰りによる無秩序な破たんを予防する以 上の意味合いは乏しかった。今後も超過準備に目標額を設けるやり方は 取られないだろう。

⑤足元の経済情勢では無策であることの方がかえって危険。諸外国 の中央銀行も信用リスクを取り始めているため、国や民間の信用リスク を多少取り、バランスシートを拡張したところで通貨の信認問題には容 易に発展しないだろう。むしろ、諸外国の中銀との比較でバランスシー トの無謬(むびゅう)性を追求し過ぎると、結果的に円の独歩高が進み やすくなるので、適度に民間の信用リスクを取ることは望ましいほどだ。

一方、政府紙幣は経済効果的に日銀バランスシートの資産サイドに 事実上のゼロクーポン永久債を持つこととなる。政府紙幣の発行規模に もよるが、悪貨は良貨を駆逐するという例え通り、日銀資産から通常の 国債が駆逐され、金利を生まない資産であるゼロクーポン永久債が多く を占める状況も起こり得る。

中央銀行のバランスシートの顕著な変化により資金の海外への逃避 が起これば、一定の条件の下では、円の名目為替レートの下落とインフ レ上昇も同時に起こり得る。しかし、例えば現状の日銀のバランスシー トの規模をはるかに上回る政府紙幣が発行されるといった極端な状況想 定しない限り、直観的には資本逃避につながりそうにない。

●日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :メインシナリオ4月末、サブシナリオ3月(なし) 3)利上げ時期 :2011年以降(同) 4)09年3月末 :0.10%(同) 5)09年6月末 :0%-0.10%(0.10%) 6)09年9月末 :0%-0.10%(0.10%) 7)09年12月末 :0%-0.10%(0.10%) 8)10年3月末 :0%-0.10%(0.10%) 9)10年6月末 :0%-0.10%(0.10%) 10)10年9月末 :0%-0.10%(0.10%) 11)10年12月末 :0%-0.10%(0.10%)

12)大恐慌との比較が妥当かどうかはともかく、日本経済は「速く、深 く、そして長い」後退に突入した。実質GDPは今来年度ともに2.0% 台のマイナスが必至の状況。ただ、「速い」後退は「速い」回復につなが る可能性を含む。交易条件も好転してきた。したがって、海外景気が予 想外に「速い」回復を見せる場合、我が国も来年度それに沿って一時的 な回復を見せる公算は残る。なお、今年の米国は2.0%台、ユーロ圏は

3.0%近いマイナス成長になると予想している。

13)①ターム物金利の低下により強くコミットする。まず行うのは、積 極的な長めの資金供給(そのためには担保要件の緩和などが必要になる かもしれない)。そして超過準備に対する付利がなくなった後、政策金利 をレンジに変更、その下限をゼロとし(上限は0.10%前後)、一段と積 極的な資金供給を行う。年度内に「下限ゼロ」が実現するのは市場の催 促次第。

②いわゆる「時間軸効果」の復活、買い入れる社債の範囲拡大、T IBOR3カ月をレファレンス金利とすることなどが挙げられる。③T IBOR3カ月をレファレンス金利とすることはあっても、特にピンポ ントでそれをターゲットにする可能性は低いと考えている。④どこまで ターム物金利を引き下げるかにもよるが、ゼロ金利は必然であり、それ が自動的に量的緩和につながる部分がある。しかし、日銀当座預金残高 を目標とする従来の量的緩和は基本的に効果がない。

⑤FRBの踏み込み方の方が大きく、欧州のさまざまなファンダメ ンタルズが日本のそれより悪い限り、今程度のステップで非伝統的政策 に踏み込んでも、財務の健全性はともかく、通貨の信認が揺らぐ可能性 は低いと考える。しかし、そのポテンシャルが高くなることには違いな く、出口を間違えると一気に信認が揺らぎかねない。従って、非伝統的 な政策は慎重に行うべきだ。

●三菱UFJ証券景気循環研究所の嶋中雄二所長 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :2009年3月(回答なし) 3)利上げ時期 :2010年9月(回答なし) 4)09年3月末 :0.00%(回答なし) 5)09年6月末 :0.00%(回答なし) 6)09年9月末 :0.00%(回答なし) 7)09年12月末 :0.00%(回答なし) 8)10年3月末 :0.00%(回答なし) 9)10年6月末 :0.00%(回答なし) 10)10年9月末 :0.25%(回答なし) 11)10年12月末 :0.50%(回答なし)

12)現在の日本経済は猛烈なスピードで落下している。鉱工業生産指数 は08年10-12月に前期比11.9%減であり、09年1、2月平均の生産は 予測指数で先延ばしすると10-12月期比19.7%減というすさまじい落 下速度になる。これは今後、雇用や個人消費、設備投資の下振れを引き 起こすとみられるため、大恐慌を想い起こす向きも出てきているのも無 理はない。

政府・与党は一段の景気下支えが必要と判断し、国会審議中の09 年度予算案成立を前提に、追加の景気対策の検討に入ったと報道されて いる。三菱UFJ証券景気循環研究所の推計によると、09年1-3月時 点で発生しているマクロの需給ギャップは32兆円に達するとみられる。 これを完全に埋めようと思えば、乗数を1.25とすると26兆円の需要の 追加が必要となる。与党内で「真水で数10兆円規模の対策が必要」との 意見が出ているのは当然だろう。

門間日銀調査統計局長は9日の講演で「1-3月の実質GDPも08 年10-12月と同等か、それ以上のマイナス成長になる可能性を意識せざ るを得なくなっている」と述べた。現実には、GDPは生産と異なり、 輸入の減少が安全弁となるため、1-3月のマイナス幅は年率1けた台 にとどまるとみられるが、落ち込みが1-3月までは止まらないことは 事実だろう。

問題は、これだけの危機意識を抱きながら日銀の金融政策の発動レ ベルが現在よりもはるかに落ち込みが小さかった01-03年の金融危機 時よりも小ぶりなものとなっていることだ。01-03年当時は、ゼロ金利 を継続した上で、日銀当座預金残高をターゲットとした量的金融緩和政 策を採用した。01年3月から発動された量的金融緩和は、当初5兆円の 当座預金目標から出発し、04年1月には30兆-35兆円の目標値を達成 するまでになっていた。

ところが09年1月現在、同当座預金は08年10月以降の数次の緩和 措置にもかかわらず、わずか10.9兆円にとどまっている。FRBが09 年1月に供給したマネタリーベースの伸び率は、前年同月比で実に

107.4%に達しているのに、日銀の供給した1月のマネタリーベースは何 と3.9%に過ぎない。

この間、日銀が何もしていないわけではない。企業金融上の諸施策 のみならず、特に長期国債の買い切りオペを08年12月に月2000億円増 額して1兆4000億円としたことは、マネーの量的供給を円滑にし、長期 金利に低下圧力を与えた。しかし、09年2月10日時点の発行銀行券残 高が76兆円であるのに対し、長期国債保有残高は43兆円にとどまって おり、日銀の国債買い入れ余力はなお32兆円以上ある。日銀はもっと買 い切りの規模をアグレッシブに増やすべきだ。

同時に0.1%という中途半端な付利はやめてゼロ金利に戻し、当座 預金ターゲットを復活して例えば15兆-20兆円の達成に向けて努力す るべきだ。そうすれば自ずとターム物金利も大幅に低下せざるを得なく なろう。今の日銀は企業金融などミクロ面のテクニックに走り過ぎて、 本来の中央銀行のマクロ的大道を誤っているのではないか。輸血を大量 にしておくことが手術の成功の要諦なのに、十分な輸血をしないで高度 な手術のみに心を奪われる医者は名医とは言えない。

私自身は現状の世界経済が1930年代の大恐慌と同じようだとは考 えていない。当時、あそこまで事態が悪化したのは、米国の金本位制離 脱が遅れたことと、FRBによるマネーストック減少政策(1929-33年 に33%の激減。合衆国銀行を破綻に追い込み、英国の金本位制離脱に際 して利上げで対抗したこと等)によるのは明らかだ。今こそ日銀はマネ タリーベースの大幅拡大によるマネーストックの拡大に最大の注意を払 うべきだろう。

やるべきことさえきちんとやれば、現状は必ずしも悲観的な状況と は言えない。これまでの原油価格の大幅な値下がりで先進各国の交易条 件は軒並み改善しており、米国では1500億ドルに及ぶ減税効果が発生し、 日本でも少なくとも1%以上のGDP拡大効果が今後出始めるとみられ る。これまでの各国の金融緩和政策と、少なくとも年央には本格的に出 てくる巨額の財政出動を考えると、足元で今、世界各国で景気底入れへ の「変化の胎動」が見られるのは偶然ではない。

米国では08年12月以降、ISM非製造業景況感指数が上昇し始め、 09年1月には同製造業指数が反転した。欧州でもPMI製造業景況指数、 ドイツのIFO指数(先行き期待感)、ZEW指数の反転が確認されてい る。中国でも08年12月、09年1月と2カ月連続で国家統計局や物流購 買連合会の製造業景況指数が上昇した。日本でも1月の景気ウオッチャ ー調査の現状判断・先行き判断の両指数、さらに内閣府・消費動向調査 の消費者態度指数が上向いた。

これらのマインド指数の景気の谷に対する先行期間はせいぜい2- 4カ月であるだけに、この時期にたたみかけて浮上を確実なものにする ことは政策当局の責務だ。物価の下落傾向は明白だ。物価下落を景気悪 化とのスパイラルに絶対しないという政策当局の決意が試される時だ。 政府紙幣など中央銀行不要論に等しい議論に打ち勝つためにも、日銀は 猛烈なマネーの量的拡大によって、その存在感をはっきりと示さなけれ ばならない。

13)①3月18日に0.1%利下げしてゼロ金利にすると同時に、国債買い 切りオペを、さらに月2000億円増額。②日銀当座預金ターゲット復活に よる量的緩和。③ターム物金利ターゲットもいいが、量的緩和の方が非 差別的な政策であり、より望ましい。④効果があることは以前の実績で 実証されていると考える。⑤何もやらないことの方が信認を傷つけよう。

●クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :2009年3月に0-0.1%に引き下げ(2009年7-8月) 3)利上げ時期 :2010年前半(2011年以降) 4)09年3月末 :0-0.10%(0.10%) 5)09年6月末 :0-0.10%(0.10%) 6)09年9月末 :0-0.10%(同) 7)09年12月末 :0-0.10%(同) 8)10年3月末 :0.10%(0-0.10%) 9)10年6月末 :0.10%(0-0.10%) 10)10年9月末 :0.10%(0-0.10%) 11)10年12月末 :0.10%(0-0.10%)

12)円安バブルと海外需要に支えられた07年までの製造業好況が完全に 逆回転。特に懸念されるのは、企業の期待成長率が07年前半にかけて非 合理的に上振れたことの反動で、設備投資の調整が極めて深いものにな る可能性が高いことだ。先行指標である名目純輸出の落ち込み度合いか ら判断して、設備投資の水準は00年初のITバブル崩壊後のボトムを大 きく下回る可能性が高く、今後1年から1年半でさらに15-20%の設備 投資水準の低下が生じる可能性をみておくべきだ。

この結果、中国や米国の財政出動によって仮に年後半に輸出が下げ 止まったにせよ、鉱工業生産が年内に下げ止まるとは限らない。従って、 製造業の雇用削減が年末にかけて本格化し、失業率は6%程度まで上昇 しよう。労働需給の急激な悪化による1人当たり賃金の下落も考慮すれ ば、雇用者報酬の落ち込みは極めて厳しいものとなり、個人消費は年後 半にかけて一段と減速するだろう。

政府は追加対策を導入するとみられるが、家計の将来不安解消につ ながるような前向きの社会保障制度改革などが示されない限り、追加対 策で景気が持続的に浮上するシナリオは考えられない。

13)①社債購入オペ導入の発表、CPオペ、企業金融支援特別オペの期 限延長。②3月末にむけた量的緩和の拡大(既定路線ではあるが)によ るさらなる円高の阻止、ターム物金利の低下促進が二の矢。この二の矢 を実現させるため、無担保コール翌日物金利の目標値を0.0-0.1%へ引 き下げ。0.0%を目標値に入れないとターム物金利の低下を促すような量 的緩和の拡大を十分に行えない。③ターム物金利ターゲットは実現可能 性がある。

2月会合でその低下を促すべく努力するとのメッセージが出てくる 可能性もある。④実効円高の是正が最も大きな効果として出てくるだろ う。⑤信用リスク資産の購入は時限措置であることを明確に示せば、さ ほど懸念する必要はない。最も悩ましいのは、製造業大不況を回避する 趣旨から円高是正を目的にターム物金利ターゲットを導入した場合、再 び円キャリーの拡大を招き、世界に過剰流動性をバラマキかねないこと であり、この点に関しては慎重さを求められる。

●大和総研の田谷禎三特別理事 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :当面考えにくい(同) 3)利上げ時期 :2010年度後半以降(2010年半ば以降) 4)09年3月末 :0.10%(同) 5)09年6月末 :0.10%(同) 6)09年9月末 :0.10%(同) 7)09年12月末 :0.10%(同) 8)10年3月末 :0.10%(同) 9)10年6月末 :0.10%(同) 10)10年9月末 :0.10%(0.30%) 11)10年12月末 :0.30%(同)

12)今年の成長率は米国、欧州がマイナス2%程度と想定されている。 これに対し日本は08年度がマイナス2.5%、09年度がマイナス4-5% と予想される。日本の相対的な景気の落ち込みが大きい。これまでもっ ぱら外需主導で景気が拡大してきたことの咎(とが)である。

こうしたかなり悲観的な見方ですら、欧米における金融市場の混乱 が今後徐々に落ち着き、今年末ごろから米国経済の回復が始まるとの想 定に基づいている。しかし、米国の住宅市場の調整が長引いたり、米国 の家計貯蓄率が上昇し続けたりした場合、これより悲観的展開もあり得 る。

13)①国債買い切りの増額。②中小企業融資支援策。③ターゲットは設 けないが、ターム物オペの積極化はあり得る。④ゼロ金利下の量的緩和 はやらず、それより現在のクレジット・イージング(信用緩和)の強化 を図るのではないか。⑤リスク資産保有の増加に応じた準備金の積み上 げ、損失発生時の準備金、引当金の取り崩し、また、それらを反映した 納付金の減額といった点について、事前に財務省・政府と話し合ってお く必要があるだろう。

●信州大学の真壁昭夫経済学部教授 1)今回会合 :現状維持 3)利下げ時期 :当面なし(同) 2)利上げ時期 :2010年4-6月以降(2010年9月) 4)09年3月末 :0.10%(同) 5)09年6月末 :0.10%(同) 6)09年9月末 :0.10%(同) 7)09年12月末 :0.10%(同) 8)10年3月末 :0.10%(同) 9)10年6月末 :0.30%(0.10%) 10)10年9月末 :0.30%(同) 11)10年12月末 :0.30%(同)

12)現在の欧米諸国の金融安定化策の内容は十分とは言えない。金融市 場の信用収縮が収まるにはまだ時間を要する。世界経済も下落が続いて おり、主要国の経済対策の効果が出てくるには時間がかかる。当面、輸 出の減少には歯止めがかからないだろう。生産調整は長期化することが 懸念される。米国では、直近の非農業部門雇用者数が59.8万人減、失業 率は7.6%となり、労働市場の悪化は顕著だ。

消費者心理は冷え込んでおり、小売売り上げや輸入動向も悪化傾向 が続く。加えて、住宅市場の回復や金融機関や各種ファンドが保有する 不良資産の処理にめどが立たない。米国経済が立ち直るのは景気対策の 効果が出てくる年央以降だろう。欧州は大手金融機関の経営に対する警 戒感や消費者心理の悪化が景気低迷を長引かせよう。加盟国の財政バラ ンスの不均衡を背景に、単一通貨であるユーロの持続性に対する懸念も 上昇する可能性すら考えられる。

こうした状況を考えると、今まで輸出ドライブによる景気回復に依 存してきた日本経済は、円高圧力と国内企業の収益力低下を受け、今後 一段と厳しい状況を迎えることになろう。倒産件数も今後は増加すると 見込まれ、状況に応じて追加的な社債購入枠の設定等、日銀による柔軟 な景気支援策が必要となる。

13)①追加的な社債購入枠の設定。現在3兆円規模のCP購入枠が設定 されているが、さらに企業の資金繰りに踏み込んだ政策の実行を余儀な くされる可能性は高い。CP購入枠の拡大や追加的な社債購入枠の設定 が必要になるとみる。②二の矢はターム物金利のターゲット金利の設定、 三の矢は不良債権買い取りを通した企業再建スキーム。

社債買い取りの次の政策としてターム物金利のターゲット設定が考 えられる。日銀がターム物金利を引き下げ誘導する意思をマーケットに 発信することにより、資金市場の麻痺(まひ)をある程度緩和させる可 能性もある。金融機関のリスク回避姿勢および融資基準の緩和にも寄与 する。以上に次ぐ措置としては、かつての産業再生機構にみられた不良 債権買取りを通した企業再建スキームだ。

③ターム物金利ターゲットの実現可能性はあろう。既に政策金利は

0.1%と事実上ゼロ金利であり、これ以上の利下げはマーケットの機能低 下を考えると大きな意味はない。④一段の利下げはほとんど意味がない。 量的緩和については各国中央銀行との足並みを揃える必要性を考えると、 実施に追い込まれる必要性はあろう。ただ、日銀による当座預金への金 利付与の実施や、過去の流動性供給を考えると、量的緩和の効果には大 きな期待はできないだろう。

⑤日銀による非伝統的政策により財務の健全性や通貨の信認に影響 が生じる可能性は否定できない。ただし、国内金融機関の健全性は米欧 に比べまだ安定していると考えられ、直ちにこうした問題が発生すると は考えづらい。今後はより各国中央銀行との足並みを求められるものと なろうが、そうした中で日銀の信任を維持していくためには、日銀が市 中銀行とどうコミュニケーションをとり、国内のファイナンス・チャネ ルを機能させていくかに対する一層の議論が必要だ。

●野村証券の松沢中チーフストラテジスト 1)今回会合 :なお書きかレンジで0.0~0.1%で推移を容認 3)利下げ時期 :今会合 2)利上げ時期 :2011年8月(2010年8月) 4)09年3月末 :0.0-0.1%(0.10%) 5)09年6月末 :0.0-0.1%(0.10%) 6)09年9月末 :0.0-0.1%(0.10%) 7)09年12月末 :0.0-0.1%(0.10%) 8)10年3月末 :0.0-0.1%(0.10%) 9)10年6月末 :0.0-0.1%(0.10%) 10)10年9月末 :0.0-0.1%(0.25%) 11)10年12月末 :0.0-0.1%(0.25%)

12)日本は10-12月、1-3月だけでデフレギャップが5%近く開いて しまう可能性が高い。この先も設備投資がこのデフレギャップ(稼働率 低下)に対応して引き下げが続き、循環的な景気後退から脱するにもま だ数四半期かかろう。その間はギャップ拡大が続き、原油・食料価格下 落という循環的な要因ではなく、失業率上昇・賃金下落を通じた構造要 因でデフレ化が進むリスクが高い。

13)①次の一手はターム物金利の低下を促す政策。今会合で政策金利の

0.1%以下への下振れを容認、短期国債買い切りオペを増額するとみてい る。ターム物のオペもさらに積極化。②二の矢は株式担保オペ。これも 決算を考えると、やるのであれば期末までに決定するだろう。三の矢は 社債買い切りオペの対象年限長期化。これは前回会合で決定した残存年 限1年以下の社債買い切りオペの効果を見極めてからなので、やるとし ても年度明け以降だろう。

四の矢は、ターム物金利の低下に再び焦点を当て「時間軸」を入れ ることになろうが、これはいったん導入してしまうと市場機能の低下が 著しくなる弊害と、引き締め方向に転換する際に景気回復にかなり遅行 してしまうリスクが高いため、実施へのハードルは高い。よってメイン シナリオではなく、①の施策の効果を見極められる年度明け以降の検討 課題だろう。

長期国債買い切りオペの増額もあり得る政策オプションで、年度明 けのタイミングで実施されることは十分あり得るが、今会合では実施し ないのではないかとみている。これは日銀の意図に関わらず国債市場で ブルフラット化を促進してしまうリスクがあるためだ。需給主導のブル フラット化は相場の不安定化を招く。まずは高止まりしている短期ゾー ンの利回りを低下させることが優先されよう。

③日銀はターム物金利のターゲット設定には消極的だろう。無担保 ターム物金利をコントロールする手段を持ち合わせていないので、実現 できずに日銀の信任に傷が付くリスクを負うか、もしくは実効性がない ほどに幅広いレンジでターゲットを設定するしかないためだ。

④金利をゼロにすること自体にさして経済的効果はないが、一時的 にゼロに張り付くことも容認した上で長めのオペを積極化する影響は、 ターム物金利低下を経て貸出金利や社債利回りの低下にも及ぼう。日銀 準備預金に超過準備が積み上がりつつあり量的緩和は事実上既に実施さ れているとみているが、従来のように資金供給量(準備預金、マネタリ ーベースなど)をターゲットにしても、銀行システム外に資金を流す波 及メカニズムが壊れたままでは効果が乏しいだろう。

銀行のリスクテークを促す施策を合わせるか、劇薬だが、政府が財 政支出を通じて経済主体になり、それを日銀がファンディングするマネ タイゼーションを行う必要がある。⑤01-06年の量的緩和の経験から見 て、単に狭義の資金供給量(マネタリーベース)を膨らましたからと言 って、インフレが発生するとは思えない。一方、他国との比較で低金利 を維持すれば、財務の健全性が問われずとも通貨安は起こる。

日銀が自らリスク資産の購入に動いた場合、財務の健全性が落ち、 インフレが発生するかは、購入する資産のリスク度合いと価格による。 極端にアンダーバリューされている資産を購入すれば、その資産からの 期待リターン上昇と、金融取引の活性化の両面から経済全体の健全性は 改善する可能性もある。もちろん、ある資産がアンダーバリューされて いるかどうかは事前に断定し得ないし、このリスクを取るのは金融政策 の範疇(はんちゅう)でもない。

一方、購入する資産や財・サービスの決定を政府に委ね、日銀がその ファンディングをする財政のマネタイゼーションを実施すると、財政拡 大によりデフレギャップが埋まるというポジティブな側面と、無駄な支 出が行われ財務の健全性が損なわれるというネガティブな側面で、イン フレが発生するリスクはより高くなろう。

●バークレイズ・キャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :利下げなし(同) 3)利上げ時期 :2011年以降(2010年以降) 4)09年3月末 :0.10%(同) 5)09年6月末 :0.10%(同) 6)09年9月末 :0.10%(同) 7)09年12月末 :0.10%(同) 8)10年3月末 :0.10%(0.30%) 9)10年6月末 :0.10%(0.30%) 10)10年9月末 :0.10%(0.50%) 11)10年12月末 :0.10%(0.50%)

12)10-12月が外需失速で、1-3月は企業支出の抑制で成長が急下降 する。ただし、輸出企業は外需失速に対して過去に例のないスピードで 生産調整、雇用調整に踏み込んでおり、海外需要が下げ止まってくれば、 生産の回復は比較的速やかに起こり得る。問題は、各国の需要刺激策が 速やかに効果を表すかどうか、そして既に景気刺激策の効果が見え始め ている中国経済の回復が混乱なく進ちょくするかどうか。

13)①、②財政政策が本格的に発動されるのであれば、国債買い入れ増 額による財政ファイナンスが最も効果的。③ターム物金利ターゲットは ない。④日本が経常収支赤字に落ち込むという特殊な資金不足状況の中 では、かつての量的緩和期よりもはるかに効果はあるはず。⑤世界の中 央銀行が同じ方向を見ており、不美人投票で日銀が最下位になるとも思 えない。そもそも、デフレ、世界的な需要不足が問題になる中で、過剰 な貨幣供給で中銀の信認を落とすことはない。

●ゴールドマン・サックス証券の山川哲史チーフエコノミスト 1)今回会合 :現状維持 2)利下げ時期 :回答なし 3)利上げ時期 :2011年度以降 4)09年3月末 :0.10% 5)09年6月末 :0.10% 6)09年9月末 :0.10% 7)09年12月末 :0.10% 8)10年3月末 :0.10% 9)10年6月末 :0.10% 10)10年9月末 :0.10% 11)10年12月末 :0.10%

12)09年の成長率は日銀の大勢見通しを大きく下回るマイナス4%前後 に着地する見通し。この結果、需給ギャップは予想以上に拡大し、CP I上昇率も大幅に下振れる可能性が高い。

13)期限延長も含め、CP購入の拡大、および社債購入が最も実現可能 性が高いオプションだが、むしろ非不胎化介入(バランスシート拡大) が喫緊の課題だ。実効円レートは、特に昨年の金融危機台頭以来主要国 通貨の中でも突出した上昇を示しており、これが金融環境のタイト化を 通じデフレ圧力増幅につながっている。足元の景況悪化は、既に経験則 の範ちゅうを大きく越えており、財務の健全性悪化をある程度覚悟せざ るを得ない状況に至っている。

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