金先は反落、日銀のターム対策効果に懐疑的-信用リスク根強い

ユーロ円3カ月金利先物相場は反落(金利 は上昇)。週末の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が期待外れの内容だ ったとの指摘や、日本銀行が今週の金融政策決定会合で打ち出すとみられている ターム(期日)物金利の押し下げ対策の効果にも懐疑的な見方が多いようだ。約 34年ぶりの落ち込みを示した実質国内総生産(GDP)への反応は限られた。

中心限月2009年6月物は朝方こそ0.015ポイント高の99.490(0.510%)と 3週間ぶりの高値をつけたが、その後は戻り売り優勢の展開。中長期債相場の下 落もあり、0.025ポイント安の99.450と下落に転じた。市場では、「G7の思惑 も外れ、利益確定の売りが出ているようだ」(東海東京証券債券ディーリング 部・有麻智之シニアリーダー)と指摘された。

朝方発表された2008年10-12月期GDPが前期比年率12.7%減と、第一次 石油危機後の1974年以来の落ち込みを示したが、市場は織り込み済み。むしろ、 大規模補正予算の思惑による需給懸念から債券が売られた影響や、日銀のターム 物対策への懐疑的な見方が相場に影響を与えていた可能性がある。

三菱東京UFJ銀行金融市場部トレーディンググループの木下英明次長は、 TIBOR(東京銀行間貸出金利)の低下も鈍いと指摘したうえで、「信用問題 で資金が回っていないことに原因があり、日銀の対策にも限界があるだろう」と みていた。

決定会合とTIBORの反応

日銀政策委員から高止まりするターム物金利への言及が相次ぎ、すでに実施 されている企業金融支援策の効果もあり、3カ月TIBORはじりじり低下して いる。ただ、低下速度は緩やかだ。G7では各国協調による目新しい流動性対策 が打ち出されなかったうえ、日銀のターム物対策の思惑も具体性は乏しいのが現 実だ。

日銀は今週の決定会合で1年以内の社債買い取りや、企業金融支援策の延長 を決定する見通し。ターム物については、短期国債買い切りオペ増額の思惑はあ るものの、年度末に向けた積極的な資金供給の姿勢が示されるにとどまる可能性 もあり、「TIBORの反応は鈍いだろう」(東海東京証券・有麻氏)との見方 が出ている。

日銀が年度末に向けて資金供給を増やせば、ターム物へのある程度の効果を 期待する声もある。ただ、変動率が高まるレポ(現金担保付債券貸借)や無担保 のターム物の機能不全には信用リスクの問題も大きい。三菱東京UFJ銀行の木 下氏は、「資金をじゃぶじゃぶにしても、TIBORが下げ渋ると金先は買えな い」という。

金融政策の限界

昨年10-12月のGDPが大きく落ち込み、日銀が1月の金融経済月報で示 した2008年度の成長率見通し、マイナス1.8%は早くも達成が難しくなっている という。ただ、政策金利はすでに0.1%まで引き下げられ、一段の金融緩和はマ イナス面も大きいという。

日銀は短期金融市場の市場機能にも配慮しながら、信用リスクの高まりを抑 える信用緩和の姿勢を打ち出しており、A格以上の社債買い取りに踏み切るとみ られている。ただ、年度末を控えて、資金が流れづらいところへの効果には懐疑 的な見方も根強いようだ。

レポやターム物への警戒感から、2年債利回りは0.40%前後から下げ渋って いる。あすは国庫短期証券(TB)1年物(発行額1兆7000億円)の入札も控 えており、今後の中短期債の動向が注目されるという。

債券市場では、2009年度の大規模補正予算案の観測報道が国債の増発懸念と なって債券利回りを押し上げた面もあった。ただ、目先の債券需給には影響ない うえ、「今の政権で本当に大規模な補正予算が通せるのか、現実味が乏しい」 (東京UFJ銀・木下氏)との声も聞かれた。

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