日本株(終了)TOPIXが続伸、GDP悪化見て公益高い-売買低迷

週明けの東京株式相場は、TOP IXが小幅続伸。国内総生産(GDP)統計の悪化を見て、景気動向に 左右されにくいディフェンシブ関連業種に投資資金が流れた。東京電力 が7営業日ぶりに反発するなど電気・ガス、陸運といった公益株が高く、 NTTドコモなど情報・通信株も上昇。

半面、米自動車業界への警戒などからトヨタ自動車やキヤノン、信 越化学工業、TDKなど時価総額の大きい輸出関連株の一角が安く、ソ ニーは52週安値を更新した。こうした影響から日経平均株価は小幅反 落、全般的には様子見姿勢が強く、東証1部の売買代金はことし2番目 の低水準だった。GDP悪化については、政策期待につながる一面もあ り、相場全般を崩すほどの材料にはならなかった。

りそな信託銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、「今 の日本株は海外の政策頼みで動いている」と指摘。米経済対策の効果を 見極めるまでは積極的に買えない半面、大きな政策が出る可能性もあっ て下値を売るほどでもなく、「次の材料が出てくるまでは、方向性を決 め打ちしにくい」(同氏)と話していた。

TOPIXの終値は前週末比5.51ポイント(0.7%)高の770.10、 日経平均株価は29円23銭(0.4%)安の7750円17銭。東証1部の 売買高は概算で15億6079万株、売買代金は同1兆452億円。値上が り銘柄数は1111、値下がり490。東証業種別33指数の騰落状況は、値 上がり業種21、値下がり12。

GDPも反応限定、ことし2番目の薄商い

7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)やGDPなど材料は出て いたが、いずれも事前予想の範囲ということで株価の反応は限られた。 16日の米国市場が休場であることで新しい材料が出にくいほか、米自 動車大手の経営再建計画の提出期限を17日に控え、一方向にポジショ ン(持ち高)を傾けにくい面もあった。様子見ムードは売買動向にも表 れ、売買代金は全日立ち会いで1月19日に次ぐことし2番目の薄商い。

取引開始前に発表された国内の2008年10-12月期GDPは、前 期比年率でマイナス12.7%と約34年ぶりの減少率となった。ブルー ムバーグの事前調査は同マイナス11.6%が見込まれていた。丸三証券 の牛尾貴投資情報部長によれば、「足元の経済環境を考えると、1-3 月期のGDPも同様のマイナスの可能性がある。ただ、景気の厳しさは 政策への催促となる期待感もある」という。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「今後経済が回 復していくのか、低迷が続くかが不透明で、ディフェンシブにも景気敏 感にもポートフォリオを傾けにくい」と現在の市場環境を説明。相場の 気迷い気分は、業種面での入れ替わりの激しさにもつながっており、 「このところ売られていたディフェンシブ関連が、きょうは買い戻され るなどトレンドが出にくい」(りそな信託の戸田氏)状況だ。

今週は、18-19日に日銀金融政策決定会合を控える。「銀行株の 買い取り策に見られる通り、政府・日銀は3月末の株価を意識している。 大きく株価が下げる場面では、信託銀行経由で買いが入る需給構図は変 わらない」と、牛尾氏は指摘していた。

米自動車業界への警戒重し

市場で警戒する向きが多かったのは米自動車業界の経営再建計画だ。 米紙ウォールストリート・ジャーナルは14日、米自動車最大手ゼネラ ル・モーターズ(GM)が米政府に対し、事業を継続するための数十億 ドルの追加融資を供与するか、米破産法申請に際して金融支援を提供す るかという2つの選択肢を提案すると報じている。

GMと同3位のクライスラーは、退職者向け医療保険基金への拠出 条件変更に関して全米自動車労組(UAW)との交渉で決裂した。BN Pパリバ証券の平塚基巳ストラクチャード・ソリューション部部長は、 「経営再建計画についてはポジティブな面、ネガティブな面どちらも織 り込んでいる」としつつ、仮に再建計画がとん挫する事態となれば、 「相場に影響が波及するだろう」と予想する。

保険が上昇率首位

東証1部業種別上昇率1位は、前週末比3.4%高の保険。先週末に は東京海上ホールディングスや三井住友海上グループホールディングス など大手が軒並み業績の大幅な悪化を発表したが、すでに発表済みの有 価証券評価損が主因だった上、配当も維持されたことで悪材料視されな かった。保険では、減配と多額の売却損を12日に発表してT&Dホー ルディングスが先に急落しており、「業績や資産内容への不安から保険 株が売られていたことから、悪材料出尽くしとして買い戻された」(り そな信託の戸田氏)と受け止められた。

シークスがストップ高、GSユアサは急落

個別では、発行済み株式総数の4.07%に相当する100万株を上限 に自社株買いを実施すると午後に発表したシークスが値幅制限いっぱい のストップ高。09年12月期が営業増益見通しの菱食も大幅高。業績発 表を受け、日興シティグループ証券が目標株価を上げたパシフィックゴ ルフグループインターナショナルホールディングス、決算で収益構造の 改善が確認されたマツモトキヨシホールディングスも高い。

半面、野村証券金融経済研究所が来期の大幅減益を予想し、投資判 断を下げたジーエス・ユアサ コーポレーションが急落。08年12月期 が最終赤字となり、継続企業の前提に関する事項について注記すること を決議したケネディクス、09年9月期当期純利益予想を96%減額した ホソカワミクロン、09年3月期の連結純損益が2641億円の赤字に転 落する見通しの武富士も大きく下げた。民事再生手続き開始の申し立て を行ったニチモ向け債権26億円に、取立不能・遅延の恐れが生じた長 谷工コーポレーションも安い。

新興3市場は高安まちまち

国内の新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前週 末比0.13ポイント(0.3%)高の42.40と続伸。東証マザーズ指数は

5.72ポイント(1.8%)安の311.02と3日続落し、大証ヘラクレス指 数は1.11ポイント(0.2%)安の476.59と反落した。

個別では、08年10-12月期の営業利益水準がポジティブサプラ イズだとUBS証券が指摘した楽天が続伸。09年12月期の連結純利益 が前期比31%増益見通しのベストブライダルが急騰。売買代金上位で はセブン銀行、フリービット、大阪証券取引所が高い。

半面、09年3月期の連結営業利益予想を19%引き下げたフェロー テックが下げ、09年3月期の連結純利益が一転大幅赤字見通しのUT ホールディングスはストップ安。売買代金上位ではミクシィが上場来安 値、オンコセラピー・サイエンス、マネーパートナーズグループも安い。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 長谷川 敏郎 Toshiro Hasegawa +81-3-3201-8361 thasegawa6@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net 東京 Darren Boey +852-2977-6646 dboey@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE