訂正:ドル円リスク・リバーサル、リーマン破たん以降で最小

通貨オプション市場ではオプショ ン需給を見極める目安となるドル・円オプションのリスク・リバーサル の開きが、昨年9月中旬の米リーマン・ブラザーズの実質破たん以降で 最小となっている。これは、ドルを売る権利を付与するプットオプショ ンへの需要が、ドルを買う権利を付与するコールオプションの需要と比 べ減退していることを示唆している。

ブルームバーグ・データによると、1カ月物25デルタのドル・円オ プションのリスク・リバーサルのマイナス幅は前週末3.36%だったが、 16日には一時、3.17%まで縮小。これはリーマンが連邦破産法11条(会 社更生法に相当)の適用を申請した昨年9月15日以来の水準だ。

三菱UFJ信託銀行第一為替グループの高坂晋一調査役は、米自動 車大手の経営問題や年度末に向けた本邦勢のレパトリエーション(自国 への資金回帰)など相変わらず円高材料には事欠かないが、一方では日 本のGDP(国内総生産)など「円買い材料になりにくい話も多い」と 指摘。「消去法的に円が買われる展開になったときは再び円高になるだ ろうが、欧米サイドそれぞれに共通して悪材料が出てこないと一方的に 円高も進みにくい」と語る。

ドル・円相場は前週末に一時、1ドル=92円台前半まで円売りが 進行。週明けの取引では週末の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) や予想以上のマイナス成長となった日本のGDPを受け、円が乱高下す る場面も見られたが、売り買い一巡後は91円台後半でもみ合う形とな っている。

ボラティリティ

内閣府が16日発表した昨年10-12月期の日本のGDP1次速報値 は前期比年率12.7%減と、第1次石油危機直後の1974年以来、約34 年ぶりの下落率となった。

一方、14日に閉幕したG7は共同声明で、為替相場について「過 度の変動や無秩序な動きは経済と金融の安定に悪影響を与える」と指摘 したが、昨年10月の共同声明で表明した「円の過度の変動」への懸念 については言及しなかった。

高坂氏は、「G7に対する期待感はもともとなかったが、イベント がはけたということもあり、ボラティリティもリバーサルも縮む形にな っている。ただ、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)を中心にまだ 値動きは荒いので、ボラティリティ自体は小じっかりとみている」と語 る。

将来の相場の変動率の予想を示す1カ月物のドル・円オプションの インプライド・ボラティリティ(IV)はマイナス17.88%と前週末の

17.91%から小幅低下。1週間前は18.29%だった。

高坂氏は、「リスクシナリオとして15%台までのボラティリティ の低下も計算上出なくはないが、方向感がないなかで相場が上下を繰り 返しているうちは、17%台に低下したところでそれも瞬間だろう」と指 摘。3月末までのドル・円相場については「下は90円割れを狙うぐら いが現実的で、上は94-95円程度がいいところ」とみている。

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