債券は下落、米債安や需給悪化懸念が圧迫-10年は1.3%接近(2)

債券相場は下落(利回りは上昇)。 前週末の米国債下落や、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で財 政政策での協調姿勢が確認されたことに加えて、与党内で来年度の大型 補正予算案が浮上しており、今後の需給悪化を懸念して売りが優勢とな った。新発10年債利回りは1.295%と節目の1.3%に接近した。

企業年金連合会年金運用部債券チーフファンドマネジャーの川﨑勉 氏によると、「財政不安・需給悪化懸念で売られている。国内総生産 (GDP)は悪化したが、景気が悪いことは分かっている。先々、経済 対策で国債増発は避けられず、需給悪化懸念につながる」という。

東京先物市場で中心限月3月物は、前週末比25銭安の139円11 銭で寄り付いた後、いったんは下げ幅を縮小し、139円29銭まで持ち 直した。しかし、午前10時以降に売りが増えると水準を大きく切り下 げ、一時は139円1銭まで下落した。結局は、32銭安の139円4銭で 終えた。3月物の午前売買高は1兆388億円。

16日付の朝日新聞は、政府・与党が16日に、2008年10-12月 期のGDP速報値が発表されるのを受け、09年度予算成立後に同年度 補正予算案の編成に入ると報じた。自民党の菅義偉選挙対策副委員長は 15日、補正の規模について「20兆-30兆円ぐらいは必要」と語った という。

新発10年債利回りは1.295%

現物債市場で新発10年物の298回債利回りは、前週末比2ベーシ スポイント(bp)高い1.28%で取引を開始した。直後に1.275%にやや 戻したが、その後は徐々に水準を切り上げ、3.5bp高い1.295%と、 10日以来の高水準で午前の取引を終えた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダ ーは、「週末のG7で債券需給・財政リスクが若干高まった感じ」と指 摘した。ただ、「日銀がターム(期日)物金利を低下させることを意識 した発言を行っていることもあり、景気の先行き懸念や短期金利低下期 待などで、債券を売り込みにくい」とも話した。

13日の米国債相場は下落。供給懸念などを背景に長期債中心に売 り優勢となり、米10年債利回りは2.9%付近に大幅上昇した。また、 イタリアのローマで開かれたG7会議は14日、世界経済と金融市場の 安定化が最優先課題との認識の下、これらに対処するため、あらゆる政 策手段をもちいるとの決意を示すとともに、保護主義回避の旨を盛り込 んだ共同声明を発表し閉幕した。

GDPは34年ぶりの大幅悪化

内閣府が発表した昨年10-12月期の実質GDPは前期比3.3%減、 年率12.7%減となり、第1次石油危機直後の1974年以来約34年ぶり の大幅なマイナス成長となった。マイナス成長は3四半期連続。市場予 想では、前期比3.1%減、年率11.6%減が見込まれていた。

JPモルガン証券チーフエコノミストの菅野雅明氏は、1-3月期 GDPについても、「年率2けたのマイナスGDPを見込んでいる。 10-12月期と1-3月期が2四半期連続の2けたマイナスと戦後初め ての状況となる見込み」と予想する。

その上で、菅野氏は、「政府としては2009年度予算を審議中だが、 早くも補正予算の議論が出始めている。大型補正が組まれる可能性が出 てくるほか、4月以降に消費者物価(CPI)コア指数が前年比マイナ スとなることが予想される。日銀に圧力がかかる展開が予想され、政策 対応に注目している」と述べた。

一方、日銀は今週18、19日に金融政策決定会合を開催する。大和 証券SMBCチーフマーケットエコノミストの岩下真理氏は、政策金利 は現状維持、ターム物金利の低下を促すための施策に議論の時間を費や すと予想。「オペの工夫として、共通担保オペの長期化や短期国債買い 切りオペ増額を検討する可能性が高い。それ以外では、今回は社債の買 い取り条件を決定。残存期間1年以内で格付けはA以上が見込まれる」 との見方を示した。

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