日本株:TOPIXが上昇、GDP悪化見て電力、陸運高い-売買低迷

週明け午前の東京株式相場は、T OPIXが上昇。国内総生産(GDP)統計の悪化を見て、景気動向に 左右されにくいディフェンシブ関連業種に投資資金が流れた。東京電力 が7日ぶりに反発するなど電気・ガス株、JR東日本などの陸運株、情 報・通信株が高い。

半面、米自動車業界への警戒などからトヨタ自動車やキヤノン、信 越化学工業、TDKなど時価総額の大きい輸出関連株の一角は下落。こ うした影響で日経平均株価は小安く、東証1部の売買代金も低迷した。 GDP悪化については、一方で政策期待につながる一面もあり、相場全 般を崩す材料にはならなかった。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「今後経済が回 復していくのか、低迷が続くかが不透明で、ディフェンシブにも景気敏 感にもポートフォリオを傾けにくいため、どうしてもマーケットに近い 配分になってしまう」と話した。GDPについては、「数字が今年中悪 いのは仕方がない。今後はどのタイミングでマイナス幅が縮小していく かがポイントになる」と指摘している。

TOPIXの午前終値は前週末比5.00ポイント(0.7%)高の

769.59、日経平均株価は16円37銭(0.2%)安の7763円3銭。東証 1部の売買高は概算で7億5542万株、売買代金は同4767億円。値上 がり銘柄数は1069、値下がり493。東証業種別33指数の騰落状況は、 値上がり業種が27、値下がり6。

方向感見えず、GDP悪化にも反応限定

午前の株価指数は先週末終値を挟んで上下動を繰り返し、方向感が 出にくかった。16日の米国市場が休場であるほか、米自動車大手の経 営再建計画の提出期限を17日に控え、一方向にポジション(持ち高) を傾けにくいという。こうした状況は売買エネルギーにも表れ、午前の 売買代金は先週13日(6641億円)に比べて29%減った。

取引開始前に発表された国内の2008年10-12月期GDPは、前 期比年率でマイナス12.7%となった。ブルームバーグの事前調査では 同マイナス11.6%が見込まれていたため、予想よりやや悪い内容。た だ市場では、「予想の範囲内で、大きな下振れとならなかった安心感が 出ている」(立花証券の平野憲一執行役員)との見方が出ている。

また、丸三証券の牛尾貴投資情報部長によれば、「足元の経済環境 を考えると、1-3月期のGDPも同様のマイナスの可能性がある。た だ、景気の厳しさは政策への催促となる期待感もある」という。16日 付の朝日新聞朝刊は、政府・与党は09年度予算成立後に同年度補正予 算案の編成に入ると報道。自民党の菅義偉選挙対策副委員長は補正の規 模について「20兆-30兆円ぐらいは必要」と語ったとしている。

今週は、18-19日に日銀金融政策決定会合を控える。「銀行株の 買い取り策に見られる通り、政府・日銀は3月末の株価を意識している。 大きく株価が下げる場面では、信託銀行経由で買いが入る需給構図は変 わらない」と、牛尾氏は指摘していた。

米自動車業界への警戒が重し

半面、米自動車業界への警戒は上値を抑える一因となった。米紙ウ ォールストリート・ジャーナルは14日、米自動車最大手ゼネラル・モ ーターズ(GM)が米政府に対し、事業を継続するための数十億ドルの 追加融資を供与するか、米破産法申請に際して金融支援を提供するかと いう2つの選択肢を提案すると報じている。GMと同3位のクライスラ ーは、退職者向け医療保険基金への拠出条件変更に関して全米自動車労 組(UAW)との交渉で決裂した。「もし米自動車大手が破産法申請と なれば、相場の波乱要因になる」(立花証の平野氏)とされている。

ディフェンシブ関連と保険がけん引

値上がり銘柄では、ディフェンシブ関連と保険が目立った。TOP IXの上昇寄与度上位5位にはJR東日本、NTTドコモ、東京電力な どディフェンシブ関連とともに、東京海上ホールディングスと三井住友 海上グループホールディングスが入った。保険株は、東証1部の業種別 上昇率で首位。先週末に大手が軒並み業績の大幅な悪化を発表したが、 すでに先行して発表済みの有価証券評価損が主因だったことや、配当が 維持されたことなどが評価され、過度な不安が後退した。

菱食が大幅高、GSユアサは急落

個別では、09年12月期も営業増益見通しで、三菱UFJ証券が 「PER(株価収益率)から見たバリュエーションにも割安感がある」 と最上位の投資判断を確認した菱食が大幅高。国内建築での強みが10 年3月期の利益回復の原動力となるとして、野村証券金融経済研究所が そろって格上げした清水建設と大林組が急伸。業績発表を受け、日興シ ティグループ証券が目標株価を引き上げたパシフィックゴルフグループ インターナショナルホールディングス、決算で収益構造の改善が確認さ れたマツモトキヨシホールディングスも上げた。

半面、野村証券金融経済研究所が目標株価390円とし、投資判断 を引き下げたジーエス・ユアサ コーポレーションが急落。09年3月期 の連結純損益が2641億円の赤字に転落する見通しとなり、日興シ証が 「ネガティブサプライズ」と指摘した武富士は大幅安となった。09年 3月期業績予想を減額したJ-オイルミルズも売られ、業績悪化のスク ウェア・エニックス・ホールディングスは大幅続落。

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