日本紙G:豪3位買収、360億円で全株取得-円高追い風にM&A(3)

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国内製紙2位の日本製紙グループ 本社は、オーストラリア業界3位のオーストラリアンペーパー(AP) を買収する。総額6億豪ドル(約360億円)ですべての株式を取得、海 外市場に収益源を求める。自国市場が縮小している日本企業が円高を追 い風に海外M&A(合併・買収)を積極的にする動きが続いている。

東証で16日開示した資料によると、日本紙Gは、AP親会社ペー パーリンクスから5月に株式を譲り受ける。AP4工場のうち2工場が 買収対象になる。日本紙Gにとって初の大型M&Aで、海外売上高比率 の3割への引き上げと世界上位5位入りを2015年までの目標とした経 営ビジョン達成に結びつける。ペーパーリンクスは紙流通事業に特化す るため、AP売却を模索していた。

みずほインベスターズ証券の大島守雄アナリストは「日本紙Gの売 上高が一気に増加して王子製紙に迫るようなM&Aではないが、海外事 業拡大に向けて一歩を踏み出したことを評価したい」と述べた。

紙・板紙消費量は米国、中国についで日本が世界3位だが、2000 年をピークに減少傾向にある。日本紙Gの純利益も2004年度に過去最 高(244億円)を更新してから減少、今年度予想は50億円。日本紙G は財務アドバイザー(FA)にみずほ証券、法務アドバイザーには柳田 野村法律事務所などを起用してAP買収を進める。

日本企業の海外M&A

ブルームバーグ・データによると、2008年の日本企業の海外M&A は777億ドル(7兆1300億円)と前年比で3.4倍に拡大した。手元資 金が豊富な中で「円高により海外の資産、事業、会社を安く買えた」(M &Aサービス会社レコフの今井光社長)。

2009年に入っても円高が定着しており、この動きが続いているこ とになる。1月にはアサヒビールが中国2位の青島ビールの株式2割弱 を600億円弱で取得、2位株主になることが明らかになっている。製紙 業界世界トップは米インターナショナル・ペーパー(IP)、日本勢で は国内首位の王子製紙が6位、続いて日本紙Gが10位。

王子製紙も2006年夏、国内市場頭打ちへの対策として、同業の北 越製紙に老舗大企業初となる敵対的TOB(株式公開買い付け)を通じ た買収を提案した。日本紙Gが市場で、三菱商事が増資引き受けでそれ ぞれ北越紙株を取得してこの案件は失敗している。

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