クボタ:タイの農機新工場の能力を倍増へ-アジアで需要が急拡大(2)

(タイでの能力倍増計画の詳細や販売状況などを追記します)

【記者:松井博司、菅磨澄】

8月29日(ブルームバーグ):農業機械メーカー国内最大手、クボタはアジ ア供給基地のタイに建設中の新工場で、トラクター生産能力を当初計画の2倍に 引き上げる。2009年3月に稼働予定だが、アジア地域で農民の購買力や農機需要 が予想以上に伸びており、供給力に余裕をもたせることにした。同社農機部門の 責任者で機械事業本部長である林守也副社長が28日、ブルームバーグ・ニュース のインタビューで明らかにした。

能力を増強するのは、クボタがタイの現地資本と共同でチョンブリ県に建設 を進めているトラクターの新工場。当初年産2万5000台規模の能力で工場建設を 進めていたが、同5万台へ引き上げ、建屋や生産設備を確保する。能力増強投資 は数十億円になるという。

製品は日本で販売しているものよりシンプルになる。林副社長は「5万台と いえば、日本で全メーカーが販売している台数より多い」と語った。

タイ市場の潜在力は大きい

タイはクボタが農機販売で最も注力している国で、水田耕作面積は日本の約 6倍。「アジアでおコメを輸出できるのはタイぐらい」(林副社長)で、農機市 場として潜在力が大きい。林副社長は「面積が6倍あるのだから、日本以上に農 機が売れても不思議ではない」とみている。

クボタは輸出対応で、すでにタイでトラクター販売に乗り出している。経済 成長とともに農家の購買力は大幅に向上しており、08年の販売台数は新工場で当 初計画していた生産能力の上限である「2万5000台を大きく超える」(林副社長) との見通しという。

また、クボタはタイ工場をアジア地区の供給拠点と位置付け、タイの4分の 3規模の耕作面積を持つベトナムなどの近隣国にもトラクターを輸出していく方 針だ。このため、タイ以外への供給能力の確保も必要と判断、能力増強に踏み切 ることにした。生産能力の増強以外に鋳物工場の建設も計画しているという。

農機はクボタの主力事業。農機やディーゼルエンジンなどを含む内燃機器関 連事業の売上高は全体の7割弱を占める。とはいえ国内農機市場は飽和状態。内 燃機器事業の売り上げは04年度に海外が国内を上回って以来、海外事業がけん引 している。

クボタの主力製品はトラクターだが、同事業の海外比率は数年内に8割を超 えるとみている。同社は米国、アジア、欧州の3拠点に分けて海外展開を進めて いるが、日本と同様に米作りが盛んで、日本以上に水田耕作面積が広いアジアに 注力している。

クボタの株価終値は前日比35円(4.7%)高の775円。