日本株(終了)日経平均が13000円回復、輸出や金融主導-減税報道も

東京株式相場は、日経平均株価が終値で 9営業日ぶりに1万3000円台を回復した。28日の米国で4-6月実質国内総 生産(GDP)が予想以上に上方修正されたほか、原油先物相場が反落したこ となどが好感され、東証業種別33指数はすべて高い。トヨタ自動車やソニー など輸出関連株が高く、三菱UFJフィナンシャル・グループやT&Dホール ディングスといった金融株の上げが目立った。国内で定額減税が今年度中に実 施されることが決まったと伝わり、午後に相場は一段高となった。

日経平均株価の終値は前日比304円62銭(2.4%)高の1万3072円87銭、 TOPIXは同35.18ポイント(2.9%)高の1254.71。東証1部の出来高は概 算で17億7925万株、売買代金は2兆299億円。売買代金の2兆円回復は12 営業日ぶり。値上がり銘柄数は1522、値下がりは140。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「米GDPの上振れは外需の 押し上げ効果が大きかったものの、緊急減税の効果も下支えした格好で、ひと まず評価できる」と話した。また日本で定額減税が実施されれば、「個人消費 を刺激し、後退局面入りしている国内景気をある程度押し上げるとの期待も高 まった」(同氏)という。

ショートカバー、化粧買いも

この日は前日の米国株高を受けて買い先行で始まり、日経平均の始値は 157円高の1万2925円だった。その後は1万2900円台でのもみ合いが続いた が、徐々に先物主導で値を切り上げ、午前10時半過ぎに1万3000円に乗せた。 カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストによると、「先物のショー トカバーに伴う裁定取引に絡む買いが中心だった」という。

昼休み時間帯には、公明党の井上義久税制調査会長が、総合経済対策で焦 点となっている所得税などの定額減税を2008年度中に実施することを政府と の調整で決めたことを明らかにしたと伝わった。午後前半の株式市場では目立 った反応は見られなかったが、取引終了にかけて減税による景気浮揚効果を期 待した買い圧力が増し、じりじりと値を切り上げ、この日の高値圏で終えた。 週末、月末に当たることから、「保有株式の評価損益を改善させたい機関投資 家による『お化粧買い』が入った」(みずほ投信の岡本氏)との声も聞かれた。

ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、「直近では朝方高 く始まった後に値を消すパターンが多かったが、きょうは久しぶりに寄り後に 値を切り上げる好ましい展開だ。保険を筆頭に、銀行、証券と金融セクターが 相場のけん引役となったことが市場センチメントを上向かせた面が大きい」と 話していた。

4-6月米GDPは3.3%成長、原油反落

米商務省が28日に発表した第2四半期(4-6月)の実質GDP(季節 調整済み、年率)改定値は、前期比年率3.3%増加と、速報値の1.9%増から 上方修正された。市場予想中央値(2.7%増)も上回った。一方、ニューヨー ク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物10月限は4日ぶりに 反落。こうした海外発の材料を支えにトヨタやホンダなど自動車株、ソニーや TDKなど電機株が上昇。前日売り込まれたキヤノンは反発。原油価格下落が プラスに働く川崎汽船など海運株、ヤマトホールディングスなど陸運株も高い。

また米株市場では、S&P500種金融株指数が4.5%上昇、10業種別指数 の中で値上がり率トップとなり、この流れを引き継ぎ三菱UFJなどの銀行株、 野村ホールディングスなど証券株、T&DHDなど保険株にも資金が向かった。

国内マクロ指標は強弱まちまち

取引開始前には、国内マクロ経済指標が相次いで発表された。7月の国内 雇用指標は、完全失業率が小幅低下する一方、有効求人倍率は6カ月連続で低 下。企業収益が鈍化する中、企業の採用姿勢には慎重さが見られ、雇用情勢は 厳しい状況が続いている。7月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品、コアC PI)は前年同月比で10カ月連続プラスとなり、15年半ぶりに2%の大台に 乗った。物価上昇が消費者のマインドの悪化を通じて個人消費を抑え、景気が さらに落ち込むリスクが高まってきた格好だ。

また、7月の鉱工業指数速報(季節調整済み、2005年=100)は前月比

0.9%上昇し、ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査の予想中央値 (同0.3%の低下)を上回った。プラスは2カ月ぶり。市場では、「国内マク ロ統計は強弱まちまちで、相場の材料とはなりにくい」(大和証券SMBCグ ローバル・プロダクト企画部の西村由美次長)との声が聞かれた。

日清紡やテクモが買い集める、新日鉄は5%超高

個別では、太陽電池製造設備の専用工場を建設するとしたほか、自社株消 却も発表した日清紡が大幅に5日続伸。スクウェア・エニックスから株式公開 買い付け(TOB)を提案されたテクモはストップ高比例配分。ゴールドマ ン・サックス証券が投資判断を「買い」に引き上げたシチズンホールディング ス、野村証券が投資判断を新規に「2(買い)」に設定したクミアイ化学工業、 日興シティグループ証券が新規に強気の投資判断を示したオークマがそろって 急伸。自社株買いの実施を発表したマブチモーターも高い。

新日本製鉄が5%超上げるなど鉄鋼株の上昇も目立った。7月の鉱工業生 産指数で、鉄鋼業の生産と出荷がともに増加した一方、在庫は減り、鉄鋼需要 の堅調さが確認されたことが背景要因。

富士フHDとあおぞら銀は安値更新

半面、デジタルカメラの価格下落などが響き09年3月期通期業績予想を 下方修正した富士フイルムホールディングスが急反落し、4年9カ月ぶりの安 値を付けた。9月中間期の連結最終損益が赤字へ転落する見通し、と29日付 の日本経済新聞朝刊で伝えられたあおぞら銀行は年初来安値を更新。9月中間 期の連結営業損益が従来の黒字見通しから一転して赤字に転落するもようの東 京特殊電線は大幅続落。東栄住宅、フジ住宅、サンシティなど中小型の不動産 株が東証1部値下がり率上位に並ぶ。

新興3指数は上昇

国内新興3市場の主要指数は、ジャスダック指数が前日比0.13ポイント (0.2%)高の58.04と小幅に3日続伸。東証マザーズ指数は同8.57ポイント (1.9%)高の464.79、大証ヘラクレス指数は同17.71ポイント(2.4%)高の

750.98とともに反発。

自社株買い実施を発表したアイフリークがストップ高比例配分。08年8月 期通期の業績予想を増額修正したエヌ・ピー・シーも大幅高。合併が決まり前 日にストップ高まで買い進まれたデジタルガレージとイーコンテクストはとも に連騰。半面、22日に新規上場し、前日まで連日の大幅高が続いていた成学社 が下げた。プロデュース、フェローテックが売られ、リプラス、アセット・マ ネジャーズ・ホールディングスが安い。