雇用統計でドル下振れも、ECB会合・総合経済対策注目-シティ城田氏

シティバンク銀行個人金融部門の城田修司 シニアマーケットアナリストは29日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビ ューで、来週は米雇用統計がドルの下振れリスクとなる一方、欧州中央銀行(E CB)のインフレ警戒姿勢がユーロを下支えするとの見通しを示した。政府・ 与党が29日まとめる総合経済対策については、景気押し上げ効果は限られ、円 の持続的な上昇にはつながらないと指摘した。コメントの詳細は以下の通り。

来週の相場見通しと注目点:

「ドル・円は基本的にここ最近のレンジ相場が続くとみているが、週末に 発表される米雇用統計次第で下振れリスクもある。レンジとしては1ドル=107 円から111円をみておけば十分だろう」

「ユーロ・ドルは1ユーロ=1.46ドルから1.49ドルぐらいか。ユーロにつ いては、さらに下落するリスクもない。来週は欧州中央銀行(ECB)の理事 会があるが、基本的にトリシェ総裁はタカ派に属する。27日にはウェーバー独 連銀総裁が利上げ方向の話をしており、トリシェ総裁がそこまでタカ派的な発 言をすることはないだろうが、間違っても早期利下げをにおわすような発言は しない。そうなればユーロは下支えられる」

オーストラリア準備銀行(RBA)が来週、同国の政策金利を12年ぶり高 水準から引き下げると見込まれているが、「声明でどのような文章が出てくる かもポイントだろう。市場は9月の利下げの後、来年に向けて合計0.5%の利下 げをするところまで織り込んでいると思うので、それ以上に緩和スタンスがは っきりと出てくるかどうかが注目される」

「オーストラリア・ドル、ユーロともに急落したが、取引量にしてもユー ロが市場全体の20%ぐらいなのに対して、豪ドルは2-3%にすぎず、流動性 が全然違う。これだけユーロが急落すると相対となる通貨の利食い売りという のもあるだろうから、戻りという意味ではユーロの方が期待できる」

日本の総合経済対策の影響について:

「経済対策は事業規模が、当初言われていた2-3兆円から10兆円程度ま で膨れ上がった。ただ、「真水」と呼ばれる部分や経済成長率をどのくらい押 し上げるかについては、10兆円そのまま出てくるわけではなく、恐らく1-2 割だろう。1割とすると日本のGDP(国内総生産)は500兆円あるので、1 年間の押し上げ効果は0.2%にすぎない」

「例えば米国で実施された減税はGDP比で0.7%から0.8%。ある程度貯 蓄などにまわるのでそのままで出てくるわけではないが、日本の経済対策は大 風呂敷は広げるものの、景気押し上げ効果は米国の減税にも及ばない。朝方は 円や株が少し戻したが、そういう意味ではこのまま円高・株高がずっと続くこ とはないだろう」