クミアイ化株が急伸、新薬開発による成長評価-野村証は新規「買い」

農薬専業大手のクミアイ化学工業の株価が 前日比35円(13%)高の313円と急伸。水稲用除草剤「ピリミスルファン」や 畑作用除草剤「ピロキサスルホン」など2009年以降に大型新薬の発売が予定さ れており、今後の成長性を評価した買いが優勢となった。野村証券金融経済研究 所が新規に「買い」としたことも株価を押し上げた。

同社が09年春に発売するピリミスルファンは、単一成分による一発処理剤 というこれまでに無かった薬剤。ピロキサスルホンはトウモロコシや大豆、麦な どを対象としている。いずれも薬剤使用量が少なくて済むことから、環境負荷が 小さいというメリットがある。

野村金融研では29日、農薬メーカー主要3社(クミアイ化、日本農薬、日 本曹達)の新規調査を開始した。同社の岡崎優アナリストは、「日本の農薬メー カーは規模の小さい企業では大きな収益改善が期待できない状況にあるが、積極 的な研究開発によって新規薬剤中心にグローバル市場で成長を狙える企業は注目 される」と語る。その点では3社とも研究開発を積極化していることで評価され るとしながらも、「クミアイ化は新たな薬剤が向こう5-10年に渡って業績に 大きく寄与する」(同氏)として投資判断を新規「2(買い)」とした。

岡崎氏は、2012年10月期にはピリミスルファンが60億円、ピロキサスル ホンは25億円の売上規模に達すると予想。自社開発原体を用いた新規薬剤の売 り上げを伸ばすことで、現在40%程度の自社品比率が12年10月期には50%以 上まで拡大し、売上総利益率も現在の25%から28%に改善するとみている。今 後5年間の年率平均のEBITDA(営業利益+減価償却費)成長率は、農薬メ ーカー主要3社平均の2%を大きく上回る15%が見込まれ、12年10月期ベース PER(株価収益率)は16倍まで低下するとしている。

一方、日本農薬は「増益率は鈍化、グローバル企業への転換点に」、日本曹 達については「短期業績は低迷するが潜在力は高い」などとして、それぞれレー ティングは新規「3(中立)」とした。日本農薬の株価は前日比9円(0.9%) 安の993円、日本曹達は8円(1.3%)高の535円。

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