日本株は輸出や金融中心上昇へ、米GDP上方修正と原油安で懸念後退

東京株式相場は上昇しそうだ。28日の米 国で4-6月実質国内総生産(GDP)が予想以上に上方修正され、米経済が 懸念されたほど悪くないとの見方が台頭。また原油先物相場が反落したことで、 原燃料価格高騰による利益圧迫懸念も和らぎ、自動車や電機など輸出関連株に 投資資金が向かう見通し。銀行など金融株を買い戻す動きも優勢になる公算が 大きい。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストは、「GDPの 上振れや原油安を受けて米国株が上昇したことが好感され、外国人投資家の買 い意欲が強まりそうだ。日経平均株価が節目となる1万3000円を回復できる かどうか、注目したい」と話している。

米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の28日清算値は1万 3005円で、大阪証券取引所における同日の通常取引終値(1万2770円)に比 べて235円高。28日の日経平均株価は1万2768円25銭で取引を終えていた。

28日の米株式市場では、S&P500種株価指数が前日比19.02ポイント (1.5%)高の1300.68、ダウ工業株30種平均は212.67ドル(1.9%)高の

11715.18ドルとともに3日続伸。ナスダック総合指数は29.18ポイント (1.2%)上げて2411.64と続伸。

4-6月米GDPは3.3%成長、原油反落

米商務省が28日に発表した第2四半期(4-6月)の実質GDP(季節 調整済み、年率)改定値は、前期比年率3.3%増加と、速報値の1.9%増から 上方修正された。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中 央値(2.7%増)も上回った。輸出から輸入を差し引いた外需の寄与度が3.1 ポイントと、1980年以来で最大になったことがGDP全体を大きく押し上げた 格好だ。

一方、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物 10月限は反落し、前日比2.56ドル(2.2%)安の1バレル=115.59ドルで終 えた。国際エネルギー機関(IEA)が熱帯性低気圧「グスタフ」の影響に伴 い、必要な場合には戦略備蓄を放出する意向を示したのが手掛かり。

こうした海外発の材料を支えに、トヨタ自動車やホンダなど自動車株、キ ヤノンやソニーなど電機株が買われる見通し。原油価格下落がプラスに働く旭 化成など化学株、大王製紙などパルプ・紙株、ヤマトホールディングスなど運 輸株も上昇しそうだ。

また、米株市場ではS&P500種金融株指数が4.5%上昇し、10業種別指 数の中で値上がり率トップとなっており、この流れを引き継ぎ三菱UFJフィ ナンシャル・グループなどの銀行株、野村ホールディングスなど証券株、東京 海上ホールディングスなど保険株も買われる公算が大きい。

取引開始前に鉱工業生産やCPIなど発表

取引開始前には7月の鉱工業生産指数や全国消費者物価指数(CPI)な どが発表される。市場予想(中央値)は、鉱工業生産指数が前月比0.3%低下 と2カ月連続のマイナス、CPIは7月の全国コアCPIが前年同月比2.3% 上昇、8月の東京都区部コアCPIが同1.7%上昇と、いずれも前月(同

1.9%上昇、同1.6%上昇)を上回ると見られている。鉱工業生産指数が市場予 想を下回り、CPIで予想以上に物価上昇圧力が確認されるようだと、株式相 場全般の重しとなる可能性もある。

日清紡に買いも、富士フHDは売りに

個別では、太陽電池製造設備の専用工場を建設し2011年度に年500億円 受注体制を構築すると発表、同時に発行株式総数の4.16%を消却するとした日 清紡が買いを集めそうだ。資本・業務提携を発表した学習研究社と明光ネット ワークジャパンも上昇する可能性がある。

半面、デジタルカメラの価格下落や原材料高などが響き2009年3月期通 期業績予想を下方修正した富士フイルムホールディングスが売られそうだ。駐 車場の稼働率が低調で、07年11月―08年7月の連結営業利益が前年同期比 29%減と落ち込んだパーク24、9月中間期の連結営業損益は従来計画の3億 円の黒字から1億円の赤字に転落するもようの東京特殊電線も軟調な展開を強 いられる見通し。