大和ハウス会長:不動産・建設倒産、続く-金融機関の融資厳格化(2)

住宅・商業開発などを手掛ける大和ハウス 工業の樋口武男会長兼CEO(最高経営責任者)は27日、ブルームバーグ・ニュ ースに対し、不動産市況の低迷で金融機関の不動産会社向け融資が今後も厳しく なるとの見方を示し、「不動産、建設業界の倒産はまだ当分あるだろう」と述べ た。

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に端を発した金 融市場の混乱で、国内の不動産、建設業界では資金繰りに行き詰った企業の倒 産が相次いでいる。樋口会長は「金融機関の引き締めは想像以上に厳しいのが実 態だ」と述べた。

民間信用調査機関の東京商工リサーチの資料によると、銀行117行の不動産業 向け貸出金残高(連結決算ベース)は、2008年3月期は前期比1.2%増の52兆 2562億円と、伸び率は07年3月期の3.3%、06年3月期の3.7%から鈍化してい る。

新生証券の宮川淳子シニアアナリストは「金融機関は前回のバブル崩壊の時 の不良債権処理に懲りたため、今回の不動産不況に対する対応が、早めで素早い という印象を受ける」と述べた。

また、東京商工リサーチの企業倒産状況によると、08年7月の全国企業倒産 件数(負債額1000万円以上)は、03年10月以来4年9カ月ぶりの高水準。不動 産業と建設業の倒産が大幅に増加したことが響いた。倒産件数は前年同月比

12.9%増の1372件と、2カ月連続で増加した。不動産業は同ほぼ2.2倍の60件と、 4年4カ月ぶりの高水準。また、建設業も同20.3%増の425件となった。

8月だけでも、不動産の開発・転売などを手掛けるアーバンコーポレイシ ョン(負債総額約2558億円)、セボン(同621億円)、創建ホームズ(同339億 円)など、民事再生手続き開始の申し立てが相次いでいる。

「景気は後退局面」

樋口会長は国内景気についても厳しい見方をしている。日本銀行も8月の金融 経済月報で、足元の景気について「停滞している」に下方修正したが、「日銀は 景気が停滞したと言っているが、景気は完全に後退局面に入ったと思う」と語っ た。

国内景気と不動産市況の低迷を背景に、地価は下落や上昇鈍化が鮮明になって いる。国土交通省が20日発表した2008年4月1日-7月1日(第2四半期)の 全国主要都市の地価動向報告によると、下落地点は38 地点と前回の9地点から大 幅に増加した。

3%以上の上昇地点がゼロと前四半期の5地点から減少した。東京圏など三 大都市圏、地方圏ともに、市況悪化が示されている。

不動産売却を交渉中

樋口会長はまた、上場を中止した大和ハウスリート投資法人向けに売却を 予定していた物件についても、私募ファンドを含めた相手との間で売却交渉を 進めていることを明らかにした。大和ハウスは同投資法人向けの売却を取 りやめたことで、2008年9月中間期の連結業績予想を下方修正し、売上高予想 を500億円、営業利益予想を150億円それぞれ減額した。

樋口会長は「上期は売却できなかったが、下期には何件かは売却できると 思う」と述べたうえで、売却を予定通りに進めることについては「努力が要る」 と語った。また、今後のREIT上場計画に関しては「当面白紙だ」との認識を 明らかにした。

東証REIT指数は昨年5月につけた2636.23ポイントの高値から下落が 続き、8月27日の終値は1197.62ポイントと高値から54%下落した。REIT 市況の低迷を背景に新規上場計画の取りやめが相次ぎ、新規上場は07年10月 の産業ファンド投資法人以来、実現していない。

大和ハウスの株価は午後零時48分現在、前日比1円(0.1%)高の1023円。

--共同取材:曽宮一恵 --Editor:Masashi Hinoki、Tetsuki Murotani

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