債券はもみ合いか、米中期債堅調が支え-須田日銀委員の講演注目(2

債券相場はもみ合いが予想される。前日の 米国債市場では、2年債入札を無事にこなしたことで、中期債を中心に底堅く推 移しており、円債相場の支えとなりそうだ。一方、日銀の須田美矢子審議委員の 講演にも市場の注目が集まっている。

みずほインベスターズ証券マーケットアナリストの井上明彦氏は、「国内債 券市場は、あすの経済指標の発表を前に、引き続き手掛かり材料難となる中、テ クニカル主導の動きが続く」とみている。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値138円8銭とほぼ同 水準で始まった後、日中は137円90銭―138円30銭程度のレンジが予想されて いる。27日のロンドン市場で9月物は、前日の東京終値から2銭高の138円10 銭で引けた。

この日は、日銀の須田審議委員が出張先の金沢市で講演を行う。UBS証券 の道家映二チーフストラテジストによると、須田氏は「日銀政策委員の中で最も タカ派寄りとみられ、『海外経済を覆っている霧が晴れれば、金利正常化を再開 すべき』と主張しそう。しかし、霧は簡単には晴れないだろう。日銀は一部を除 き、欧米の金融システムと経済を慎重にみている」

27日の先物相場は3日ぶり反落。朝方は買い先行で始まったものの、先物 相場への高値警戒感から売りが優勢となった。28日実施の2年債入札や週末の 重要経済指標発表を控えて、中期ゾーンなどには持ち高調整の売りが出たようだ。 先物中心限月9月物は、前日比41銭安の138円8銭で引けた。9月物の日中売 買高は4兆565億円。

新発10年債利回りは1.4%台前半か

現物債市場で新発10年物の295回債利回りは、前日終値1.43%とほぼ同水 準で始まり、日中ベースでは1.4%台前半での取引が見込まれる。

日本相互証券によると、前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.42%で寄 り付いた後、いったんは横ばいの1.415%に戻した。その後は徐々に水準を切り 上げ、午後2時過ぎに3bp高い1.445%まで上昇。結局、1.5bp高い1.43%で引 けた。

一方、10年物国債の295回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各社 の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.441%だ った。

2年債入札、クーポンは0.7%か

財務省はこの日、2年利付国債の入札を実施する。前日の入札前取引では、 9月発行の2年債複利利回りは0.735%で取引された。このため、表面利率(ク ーポン)は前回債より0.1ポイント低い0.7%が見込まれている。発行額は前回 債と同額の1兆7000億円程度。

道家氏は、「無難な結果となるだろう。金利の絶対水準に妙味はないが、超 長期や長期セクターを売却した資金の受け皿として、相応のニーズが見込める」 と予想している。

市場では、資金滞留先としての需要から無難にこなされ、落札レベルは前日 の終値段階で「クーポン0.7%で単価は99円93銭となる」(日興シティグルー プ証券シニアストラテジストの山田聡氏)との声も聞かれた。

米株続伸、2年債が上昇

27日の米国債相場は2年債が上昇。午後に財務省が過去最大規模の2年債 入札(320億ドル)を実施、最高落札利回りは4月以来の低水準だった。2年債 入札では外国中央銀行を含む間接応札が落札全体に占める割合が過去の平均値を 上回った。BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午 後4時42分現在、2年債利回りは前日比5bp低下の2.28%。10年債利回りは ほぼ変わらずの3.76%。

一方、米株式相場は続伸。7月の米製造業耐久財受注の増加を好感したほか、 住宅金融大手のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅 貸付抵当公社)が新規の投資で多額の利益をあげるとのアナリストの見方が買い を誘った。S&P500種株価指数終値は前日比10.15ポイント(0.8%)上昇し て1281.66。