8月27日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:続伸。7月の米製造業耐久財受注の増加を好感したほか、住宅金融大 手のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公 社)が新規の投資で多額の利益をあげるとのアナリストの見方が買いを誘った。

米製造業耐久財受注統計で景気回復への期待が強まり、バンク・オブ・アメ リカやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが買われた。ファニーとフ レディは前日に続いて大幅高。原油価格の上昇を好感し、S&P500種のエネル ギー株価指数39銘柄のうち、38銘柄が上昇した。

S&P500種株価指数終値は前日比10.15ポイント(0.8%)上昇して1281.66。 ダウ工業株30種平均は同89.64ドル(0.8%)高の11502.51ドルで終了。ナスダ ック総合指数は同20.49ポイント(0.9%)上げて2382.46で終えた。ニューヨー ク証券取引所(NYSE)の騰落比率は4対1。

オークブルック・インベストメンツ(イリノイ州ライル、運用資産15億ドル) の調査ディレクター、ピーター・ジャンコウスキーズ氏は、「企業の先行き感が 明るい限り、景気は現在の軟調局面を早めに切り抜けられそうだ」と語る。「耐 久財受注統計は非常に強い内容だったため、市場は的確に反応した」と付け加え た。

製造業耐久財受注の増加

米商務省が発表した7月の米製造業耐久財受注額は前月比1.3%増加。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値では前月から変わらず と見込まれていた。統計発表前の段階では株式相場は軟調に推移していた。原油 価格が7月の高値から20%以上値下がりした後、持ち直しているため、朝方は消 費財銘柄や運輸株、情報技術株が業績懸念から売られていた。

NYSEの出来高概算は8億2000万株。終日の商いとしては2006年12月以 来の閑散取引となった。先週の初めから、年初来平均を3割ほど下回る商いが続 いている。

ファニーメイは前日比86セント高の6.48ドル。フレディマックは20%高の

4.75ドルで終了。シティグループによると、ファニーメイとフレディマックが買 い入れるカレントクーポンの住宅ローン債券の利回りは、両社の借り入れコスト を40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回っている。この格差が20 bpを上回ったのは、2007年までの10年間では、98年と03年の2回しかない。 このため両社は新規の投資で多額の金利差益をあげる可能性があるという。

政府が救済に乗り出せば既存株主の権利が消失するとの懸念から、ファニー メイは先週で37%急落していたが、現在はこの1年間で最長の5日連騰中。

メリルリンチ

証券大手のメリルリンチは4.9%上昇。シンガポールの政府系投資会社テマ セク・ホールディングスはメリルへの出資比率を引き上げるとともに、メリルの ジョン・セイン最高経営責任者(CEO)に「大きな信頼」を寄せていると表明 した。すでにメリルの筆頭株主だったテマセクは26日、メリルへの出資比率引き 上げについて米当局の承認を受けた。

「まだチャンスが残されている」

アシュフィールド・キャピタル・パートナーズ(サンフランシスコ、運用資 産40億ドル)のポートフォリオマネジャー、ケリー・ヒル氏はブルームバーグテ レビジョンとのインタビューで、「今の信用危機を乗り越えて信頼を回復さえす れば、状況はもっと良くなる」と語る。「市場にはまだチャンスが残されている」 と付け加えた。

証券大手のゴールドマン・サックス・グループは43セント安の155.48ドル。 モルガン・スタンレーのアナリスト、パトリック・ピンシュミット氏はゴールド マンの6-8月(第3四半期)1株当たり利益見通しを1.65ドルと、従来予想の 3ドルから引き下げた。同氏はリポートで、ゴールドマンはプリンシパル(自己 資金)投資の価値を5億2500万ドル(約572億円)切り下げる可能性があると指 摘した。

石油大手のエクソンモービルは52セント高の80.47ドル。同業のシェブロン も上昇した。熱帯性暴風雨「グスタフ」が勢力を強めながら製油所が集中するメ キシコ湾岸に向かうとの予報を材料に、原油価格が上昇した。

バレロ・エナジーをはじめ、テソロ、スノコの製油大手が急伸。S&P500 種のエネルギー株価指数の値上がり率3位を占めた。原油価格と石油製品の値ざ やであるクラックスプレッドが上昇。この2日間での上昇幅が3月以来で最大と なったことから、製油株が買われた。

医薬品開発のアミリン・ファーマシューティカルズは25%急落。同社は新た に4人の膵臓(すいぞう)炎患者の死亡について、両社の糖尿病治療薬「バイエ ッタ」と関連があったと発表した。先週、米当局は2件の死亡例を公表していた。

S&P500種のヘルスケア株価指数は0.1%下げ、業種別10指数のうちで唯 一の値下がりとなった。ファイザーとブリストル・マイヤーズ・スクイブはいず れも下落。両社は開発中の血液抗凝結薬が従来のものと効果が変わらないとの実 験結果が出たことから、米規制当局への認可申請が遅れている。

航空株も下落。シティグループがリポートで、航空需要が鈍化する可能性を 指摘し、原油価格の戻しで業界には「引き続き著しいリスクが存在する」と警告 したことが嫌気されている。

シティのアナリスト、アンドルー・ライト氏はリポートで「経済指標の悪化 にもかかわらず、航空各社はまだ深刻な消費の低迷を経験していない」と指摘し た。

同氏はアメリカン航空親会社のAMR株を売り銘柄に指定。AMR株価が先 月付けた5年ぶりの安値から2倍以上に上昇していることを理由に挙げた。AM Rの株価は前日比2.7%安の9.35ドル。ユナイテッド航空の親会社、UALは11% 下げた。

○米国債:相場は2年債が上昇。午後に入り財務省が過去最大規模の2年債入札 (320億ドル)を実施、最高落札利回りは4月以来の低水準だった。

2年債入札では外国中央銀行を含む間接応札が落札全体に占める割合が過去 の平均値を上回った。

クレディ・スイスの金利ストラテジスト、カール・ランツ氏(ニューヨーク 在勤)は「債券相場は入札以降、堅調に推移した。入札は成功だったと言えよう」 と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4時 42分現在、2年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)低下の2.28%。2年債価格(表面利率2.75%、償還期限2010年7月) は3/32上げて100 28/32。10年債利回りはほぼ変わらずの3.76%。

2年債入札

入札での最高落札利回りは2.380%。入札直前の市場予想では2.383%だ った。間接応札が落札全体に占める割合は29.5%と、過去1年間の同割合の平 均値(27.4%)を上回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.18倍と、 年初からの平均値2.35倍を下回った。

2年債利回りはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を28bp上回って いる。同利回り格差は、6月12日と比べて3分の1以下に縮小した。

海外の中央銀行はここ数週間で機関債の保有を縮小し、国債の保有比率を引 き上げている。米連邦準備制度理事会(FRB)によると、海外中銀による米国 債の持ち高は20日に過去最大の1兆4000億ドル、機関債は9750億ドルと、 7月16日の9840億ドルから減少した。

米2年物国債とドイツ国債の利回り格差は1.81ポイントと、前日の1.66 ポイントから拡大した。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのウェーバ ー独連銀総裁は利下げの余地がないとの認識を示し、景気が上向けばECBは追 加利上げを実施する可能性があることを示唆したことが嫌気され、ドイツ債は下 落した。

財務省は28日、5年債入札(220億ドル)を実施する。

ICAPを通じた米国債取引は25日、3カ月ぶり低水準を記録。今月の平 均は約2424億ドルと、7月の同3155億ドルから減少した。

朝方は下落

商務省が発表した7月の米製造業耐久財受注が市場予想に反して増加したこ とが嫌気され、米国債は朝方下落していた。7月の同受注額は前月比1.3%増と、 前月と同じ伸び率(速報値は0.8%増)だった。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想中央値では前月から変わらずと見込まれていた。変動の 大きい輸送用機器を除く受注は0.7%増(前月2.4%増)。エコノミスト予想の マイナスに反して、プラスを維持した。

アトランタ連銀のロックハート総裁は27日、当局の金利政策はインフレ低 下方向と「整合的」だとの見解を示す一方、必要な場合には政策金利引き上げの 用意があることを示唆した。

金利先物市場動向によると、来年1月の連邦公開市場委員会(FOMC)ま でに少なくとも0.25ポイントの利上げを見込む確率は48%となっている。次回 FOMCは9月16日に開かれる。

米国債の今月の投資リターンは、米景気減速見通しと7月に記録した最高値 から20%下落した原油価格を背景に、3カ月連続で上昇したもよう。

メリルリンチのデータによると、今月の米国債投資リターンは1.3%、年初 からは4%となっている。2年債の投資リターンは0.5%、年初からは3.1%。 ブルームバーグ・ニュースがエコノミストを対象にまとめた調査では2年債利回 りは年末までに2.44%に上昇すると予想されている。

○NY外為:ユーロが対ドルで6カ月ぶり安値から反発。欧州中央銀行 (ECB)政策委員会メンバーのウェーバー独連銀総裁が「利下げに 関する議論は時期尚早だと思われる」と表明したことに加え、原油相 場の3日続伸も材料となった。

さらに、対ドルでのユーロの大幅下落は継続しないとの見方も、ユ ーロの押し上げ要因となった。円は対ユーロで3カ月ぶり高値から反落、 対ドルでも下落した。朝方発表された7月の米製造業耐久財受注額が予 想外に増加したことから、円を売って高利回り資産を買う動きが促進さ れた。

INGファイナンシャル・マーケッツの自己勘定取引ディレクター、 マシュー・カッセル氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロがさらに下落す るにはECBの利下げ示唆が条件になる。それにはインフレ率の低下が 必要だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時4分現在、ユーロは対ドルで前日比

0.5%高の1ユーロ=1.4723ドル(前日は同1.4653ドル)。前日は一時、

1.4571ドルと2月14日以来の安値に下げた。ドルは対円で前日比変わ らずの1ドル=109円60銭。円は対ユーロで0.5%下げ、1ユーロ=161 円37銭。前日は160円64銭だった。

ポンドは対ドルで2年ぶりの安値に下落、対ユーロでも下げた。英 住宅市場低迷の深刻化でイングランド銀行による利下げ観測が強まった。 ポンドは対ドルでは一時0.6%下げ1ポンド=1.8286ドルと、2006年7 月以来の安値を付けた。一方、対ユーロでは0.8%下落し1ユーロ=

80.31ペンスと、6月9日以来の安値を付けた。

ノルウェー・クローネ

ノルウェー・クローネは対ドルで4営業日ぶりに上昇。同国の5- 7月の失業率は季節調整ベースで2.6%と、1989年以来の最低に接近し たことがクローネ買いにつながった。

円は南アフリカ・ランドに対し0.7%安、韓国ウォンに対しては

0.5%下げた。米製造業耐久財受注を手がかりに、円を調達資金とするキ ャリートレードが復活した。

米商務省が27日に発表した7月の米製造業耐久財受注額は前月比

1.3%増と、前月と同じ伸び率(速報値は0.8%増)だった。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値では前月から変わら ずと見込まれていた。

ECB金利見通し

来年のECB利下げ観測が後退するのに伴い、ユーロが上昇した。 欧州銀行間貸出金利(EURIBOR)先物09年9月限が示唆する金利 水準は14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇して

4.46%。前日は6bp低下していた。

ウェーバー独連銀総裁はフランクフルトでのインタビューで、「年 末に向け、あるいは来年に入って景気見通しが再び幾分明るくなるとみ ているが、実際にそうなった場合は行動が必要かどうかを見極める必要 がある」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、リープシャー・オ ーストリア中央銀行総裁は27日、インフレの脅威について、「以前にも 増して警戒が必要になる」と語った。

原油相場続伸

原油先物10月限は続伸。熱帯性暴風雨「グスタフ」が勢力を強め ながら米製油所の集中するメキシコ湾に向かうとの予報が買いにつな がった。ブルームバーグのデータによると、ユーロ・ドルの値動きと 原油相場の値動きの相関指数は、過去1年間で0.9。同指数1は同方向 に動くことを示す。

○英国債:相場は下落。10年債利回りは一時、4月16日以来の低水準まで下げ る場面があったものの、欧米の国債相場の下落につれて午後遅くに上昇に転じた。

10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ

4.50%。同国債(2018年3月償還、表面利率5%)価格は0.06ポイント低下 し103.85。2年債利回りも1bp上げ4.49%となった。

独10年債に対する英10年債の上乗せ利回りは5bp縮小し33bpと、1 月11日以来の最小となった。今年最大の幅は2月25日に付けた69bpだった。

ウニクレディト・グローバル・リサーチの債券ストラテジスト、ジュゼッ ペ・マラフィーノ氏(ミラノ在勤)は、「英経済環境はさらに悪化しており、こ れが引き続き国債相場の支援要因となるとみている」と語った。同氏は、短期債 への投資が膨らむことから、2年債利回りは年内に4%まで低下するとの見通し を示した。

○欧州債:相場は下落。独10年債利回りは5月半ば以来の低水準から上昇した。 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのウェーバー 独連銀総裁がインフレ は依然としてECBの主要な懸念事項であり、利下げ余地がないと発言したこと が背景。

同総裁は投資家の利下げへの期待は「時期尚早」であると指摘し、景気が上 向きになればECBが追加利上げする可能性があるとの認識を示した。

バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウス・ダーハイム氏 (ミュンヘン在勤)は、「ウェーバー総裁はこれまで同様にタカ派的だった。こ うした発言に対する市場の強い反応に驚いた」と述べ、「最近の相場動向はリセ ッション(景気後退)懸念から一方的だった。ウェーバー総裁は行き過ぎた楽観 的な利下げ期待に対抗したかったのだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時41分現在、10年債利回りは5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上げ4.16%。同国債(2018年7月償還、表面利率

4.75%)価格は0.41ポイント低下し100.67。2年債利回りは9bp上昇し

4.07%となった。

ニューヨーク・ニューズルーム

種類別ニュース: 為替 NI FRX 、 NI JFRX、 NI FX NI KAWASE 経済 NI ECO 、 NI JNECO 、 NI JEALL 中央銀行 NI CEN 、 NI JCEN EMU(欧州経済通貨同盟) NI EMU 英国債 NI GLT 債券 NI BON 国債 NI GBN   欧州国債 NI EUB マネーマーケット NI MMK 英国経済 NI UKECO 米国債 NI USB 米国株 NI USS 株式 NI STK 米国預託証券(ADR) NI ADR ミューチュアル・ファンド NI FND 欧州国債 NI EUB 独債券 NI BND 仏債券 NI OAT 英国債 NI GLT 伊国債 NI BTP スペイン国債 NI SMB ベルギー国債 NI BBB オランダ国債 NI NAB 金融市場 NI JMALL 海外市況 NI TOPJF トップニュース NI TOP、 NI TOPJ 海外トップニュース NI TOPKAIGAI

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE