東京外為:ドルが下落、原油高・米金融不安くすぶる―一時109円割れ

東京外国為替市場では、ドルが下落。米国 の金融不安や住宅不況の長期化懸念がくすぶるなか、原油相場の上昇も重しと なり、ドル売りが優勢となった。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、「これから先、9 月になると米国の主要企業の決算が出てくるので、金融を中心とした信用収縮 というのを見極めたいという動きがマーケットに出てくる」と指摘。市場では 再びドル売りに傾斜する気配もあるといい、ドル・円については今週の予想レ ンジの下限を107円程度とみている。

この日のドル・円は1ドル=109円台後半で早朝の取引を開始。その後、し ばらくは同水準でもみ合っていたが、徐々にドル売り・円買いが強まり、正午 すぎには109円ちょうどを割り、一時108円91銭と3営業日ぶりドル安値を付 けた。

もっとも、109円割れの水準ではドル買いも見られ、欧州市場に向けては 109円台前半までドルが下げ渋る展開となっている。

ドルは対ユーロでも反落。前日にはドイツのIfo経済研究所が発表した 8月の同国企業景況感指数が3年ぶりの低水準に落ち込んだことを受け、一時 1ユーロ=1.4571ドルと2月14日以来、約6カ月半ぶりの水準までユーロ安・ ドル高が進んだが、その後は原油高を背景にドルが急速に伸び悩み、この日の 東京市場では1.4743ドルまで値を戻す場面も見られた。

一方、ユーロ・円相場は、前日の海外市場で一時、1ユーロ=159円99銭 と5月12日以来、約3カ月半ぶりの水準までユーロ安・円高に振れたが、この 日の東京市場では160円50銭をはさんでもみ合う展開となった。

原油上昇、金融不安もくすぶる

ニューヨーク原油先物相場はアジア時間27日の時間外取引で一時、1バレ ル=117.12ドルまで上昇。前日に続き、ハリケーン「グスタフ」がメキシコ湾 に進行する可能性があるとの予報や、ロシアがグルジアからの分離・独立を目 指す南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認したことが買い材 料となった。

26日には米国で6月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケー ス・シラー住宅価格指数や7月の新築一戸建て住宅販売、8月の消費者信頼感 指数が発表されたが、強弱まちまちの内容となった。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した議事録では、今月5日 に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)で、会合メンバーが「次の行動は 引き締めになるとの見方でおおむね一致した」ものの、「その時期と幅について は今後の経済と金融市場の展開次第」との見解が示された。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプレジデン トは、米国の次の一手が利上げ方向であることが確認されたことで、長期的に は「金利差でのドルの優位性が出てくる可能性がある」と指摘。ただ、米景気 が減速し、金融機関をめぐる問題が残るなか、急激に利上げに動ける状況では ないともいい、「目先は上昇一服という形でドルが売られる局面もある」とみて いた。

米連邦預金保険公社(FDIC)は26日銀行業界に関する四半期報告書を 発表。それによると、商業用不動産ローンの延滞増を背景に、第2四半期に「問 題のある銀行リスト」に載った金融機関の数は前期比30%増の117行と、5年 ぶり高水準に達した。

テーマは「悪さ比べ」

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、この日 発表される7月の米耐久財受注は前月比横ばいが見込まれている。6月は同

0.8%増だった。

材料に振れやすい状況のなか、予想を大きく下回った場合には、米景気の 低迷長期化懸念が改めて意識され、米金利低下を通じてドルの重しとなる可能 性がある。

一方、ステート・ストリート銀行の富田公彦金融市場部長は、ユーロ圏景 気のけん引役だったドイツの景気減速が明らかとなっただけに、「米国で意外と 強い数字が出れば、ユーロやポンドの売りを後押しする可能性もある」と指摘。 為替相場では引き続き各国の「悪さ比べ」がテーマとなり、「少しでも弱みを見 せた通貨が叩かれる」という展開が続くとみている。

--共同取材 東京 曽宮一恵 Editor:Hidekiyo Sakihama Norihiko Kosaka

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