東京外為:ドル下落、原油高・米景気懸念が重し―対ユーロで上げ幅解消

午前の東京外国為替市場では、ドルが下落。 米国の金融不安や住宅不況の長期化懸念がくすぶるなか、原油相場の上昇も嫌 気され、ドルは対ユーロでは前日の海外市場の上げ幅を解消する格好となった。

ステート・ストリート銀行の富田公彦金融市場部長は、「ユーロの実体経 済はかなり悪いはずと思っていたが、これまで景気のけん引役だったドイツの 減速傾向が明らかとなったことで、ユーロはもう少し下のレベルに向って落ち ていかざるを得ない」と指摘する。ただ、米国も住宅市場を中心にまだまだ楽 観視できるような状況ではないことから、一方向にユーロ安・ドル高が進むこ とはないとみている。

ユーロ・ドルは一時、1ユーロ=1.4734ドル(ブルームバーグ・データ参 照、以下同じ)までドルが下落。前日の海外市場では、ドイツのIfo経済研 究所が発表した8月の同国企業景況感指数が3年ぶりの低水準に落ち込んだこ とを受け、一時、1.4571ドルと2月14日以来、約6カ月半ぶりの水準までユー ロ安・ドル高に進んでいた。

ドルは対円でも下落。1ドル=109円台後半からドル売りが進行し、正午に かけては前日安値(109円15銭)を下回る109円11銭まで水準を切り下げてい る。

ニューヨーク原油先物相場はアジア時間27日の時間外取引で一時、1バレ ル=117ドル付近まで上昇。前日の通常取引ではハリケーン「グスタフ」がメキ シコ湾に進行する可能性があるとの予報や、ロシアがグルジアからの分離・独 立を目指す南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認したが買い 材料となり、1ドル余り値上がりしていた。

米国経済楽観できず

26日発表された全米20都市部を対象にした6月のスタンダード・アンド・ プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は、事前予想こそ上回った が前年比で15.9%低下。7月の米新築一戸建て住宅販売は前月比で増加したも のの、プラス幅は事前予想を下回り、6月分は下方修正された。

また、米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した8月の米消費 者信頼感指数が56.9と、1992年2月以来で最低を記録した前月から予想以上の 改善となったが、現状で雇用が困難との回答は32%と2003年10月以来の高水 準となるなど、景気の先行きに不安の残す内容となった。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が26日公表した議事録では、今月 5日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)で、会合メンバーが「次の行 動は引き締めになるとの見方でおおむね一致した」ものの、「その時期と幅に ついては今後の経済と金融市場の展開次第」との見解が示された。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプレジデン トは、米金融当局の次の一手が利上げ方向であることが確認されたことで、長 期的には「金利差でのドルの優位性が出てくる可能性がある」と指摘する。た だ、米景気が減速し、金融機関をめぐる問題が残るなか、急激に利上げに動け る状況ではないともいい、「目先は上昇一服という形でドルが売られる局面も ある」とみている。

テーマは「悪さ比べ」

こうしたなか、この日は米国で7月の耐久財受注が発表される。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値では前月比横ばい (6月は0.8%増)が見込まれているが、予想を大きく下回った場合には、米国 の景気低迷長期化が意識され、金利低下を通じてドルの重しとなる可能性があ る。

一方、「ユーロ圏の景気悪化が意識されるなかで、米国で意外と強い数字 が出れば、ユーロやポンドの売りを後押しする可能性もある」(ステート・ス トリート銀の富田氏)といい、目先は引き続き各国の「悪さ比べ」(同)が相 場のテーマとなりそうだ。

--共同取材 東京 吉川淳子 Editor:Hidenori Yamanaka,Hidekiyo Sakihama

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