東京外為:ドル売り優勢、米国金融不安や住宅不況を懸念―109円台前半

午前の東京外国為替市場では、ドル売りが 優勢となっている。米国の金融不安や住宅不況の長期化懸念がくすぶるなか、 ドルは対円で1ドル=109円台前半と前日のドル安値付近まで下落。対ユーロで は前日の海外市場の上げ幅を解消する格好となっている。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプレジデン トは、前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、米金融 当局の次の一手が利上げ方向であることが確認され、長期的には金利面でドル をサポートする要因になると指摘する。ただ、米景気が減速し、金融機関をめ ぐる問題が残るなか、急激に利上げに動ける状況ではないともいい、「目先は上 昇一服という形でドルが売られる局面もある」とみている。

ドルは対ユーロで一時、1ユーロ=1.4719ドル(ブルームバーグ・データ 参照、以下同じ)まで下落。前日の海外市場では、予想を下回るドイツの経済 指標を手掛かりに一時1.4571ドルと2月14日以来、約6カ月半ぶりの水準ま でユーロ安・ドル高に進んだが、その後は原油相場の上昇もあり、ドルは急速 に伸び悩んだ。

一方、ドル・円は1ドル=109円台後半から一時、109円17銭までドル売 りが進行。もっとも、前日安値(109円15銭)を抜けるには至らず、その後は 109円台前半でもみ合う展開となっている。

米国の利上げ見通し

連邦準備制度理事会(FRB)が26日公表した議事録によると、今月5日 に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)では、会合メンバーが「次の行動 は引き締めになるとの見方でおおむね一致した」ものの、「その時期と幅につい ては今後の経済と金融市場の展開次第」とされた。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが26日発表した8月の米消費者 信頼感指数が56.9と、前月の51.9から上昇、エコノミスト予想中央値の53.0 も上回った。一方、全米20都市部を対象にした6月のスタンダード・アンド・ プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は、事前予想こそ上回った が前年比で15.9%低下。7月の米新築一戸建て住宅販売は前月比で増加したも のの、プラス幅は事前予想を下回り、6月分は下方修正された。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の佐原満上席調査役は、きのうはドイツの 経済指標が事前予想よりも大分悪い内容となり、ユーロがかなり落ち込む局面 が見られ、ドルの買い戻しにつながったが、「米経済も悪く、それが直接ドル売 りにつながっているかは微妙なところだが、ドルの買い戻しが続かない面もあ る」と指摘する。

金利先物相場動向によると、FOMCが12月末までフェデラルファンド(F F)金利誘導目標を2%で据え置くとの確率は78%。利上げの確率は22%とな っている。

ユーロに金利先安観

ドイツのIfo経済研究所が26日発表した8月の企業景況感指数(2000年 =100)は94.8と、3年ぶりの低水準に落ち込んだ。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト調査の中央値では97.2への低下が見込まれていた。 また、民間調査会社GfKが発表した9月のドイツ消費者信頼感指数は1.5と 03年6月以来、約5年ぶりの低水準となった。

Ifo経済研究所のエコノミスト、ゲルノート・ネルプ氏はブルームバー グテレビジョンとのインタビューで、欧州中央銀行(ECB)による利下げの 可能性は高まっていると指摘。クレディ・スイス・グループの調べによると、 金融市場では今後12カ月にECBによる41ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)の利下げを織り込んでいる。

欧州の金利先安観が強まるなか、ユーロ・円は前日の海外市場で一時、1 ユーロ=159円99銭と約3カ月半ぶりのユーロ安値を記録。その後は161円台 前半までユーロが買い戻される場面も見られたが、上値は重く、27日の東京市 場午前の取引では160円台半ばから後半でもみ合う展開となっている。

--共同取材 東京 三浦和美 Editor:Hidekiyo Sakihama, Norihiko Kosaka

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