債券は軟調か、2年債入札を控え中期債が重い―米株反発にも警戒(2)

債券相場は軟調(利回りは上昇)な展開 が予想される。あす28日に実施される2年債入札に向けた売りなどで中期ゾ ーンが重くなる見込み。前日の米国市場では、消費者信頼感指数の改善などを 受けて、主要株価指数が小反発しており、日経平均株価が上昇すると、これも 債券市場の売り材料となりそうだ。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、「先週20日に5年債、 昨日は20年債を消化したが、あすの2年債、来週2日の10年債と、利付国債 の入札が続く。短期的には、需給の荷もたれ感が意識されやすくなる」と指摘。 また週末の重要経済指標発表や政府・与党の総合経済対策決定を控え、「上昇 相場の中での一時的な調整局面に備えたい」との考えを示した。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値138円49銭を若 干下回る水準で始まった後、日中は138円20銭から138円60銭程度のレンジ が予想されている。26日のロンドン市場で9月物は、前日の東京終値から16 銭高の138円65銭で引けた。清算値は138円66銭。

みずほインベスターズ証券マーケットアナリストの井上明彦氏によると、 「国内債市場は、足元の国内経済や日銀金融政策に対する見方が収れんされ、 手がかり材料難状態から、テクニカル主導の動きとなっている。きょうから現 物債が9月渡しとなることで、益出し売りも出やすくなり、上値は重くなる」 見通し。

26日の先物相場は続伸。前日の米国市場で、信用不安が再燃し、株安・債 券高となった地合いを継続。日経平均株価が反落し、円債市場は買い優勢の展 開が続いた。同日実施された20年債入札が順調な結果となったことも好感さ れ、午後に一段高となり、先物中心限月は約4カ月ぶり高値をつけた。先物9 月物は、前日比39銭高の138円49銭で引けた。9月物の日中売買高は3兆 4493億円。

あす28日には2年利付国債の入札が実施される。表面利率(クーポン) は前回債より0.1ポイント低い0.7%が見込まれている。発行額は前回債と同 額の1兆7000億円程度。入札に向けた持ち高調整などで中期債の上値は重く なりそうだ。

新発10年債利回りは1.4%台前半か

現物債市場で新発10年物の295回債利回りは、前日終値1.415%を若干上 回る水準で始まり、日中ベースでは1.4%台前半での取引が見込まれる。

国内株相場は反発するとの見通しが多いが、仮に日経平均株価が続落すれ ば、新発10年債利回りは節目の1.4%割れを試す可能性もある。三菱UFJ証 券チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、「長期金利は、心理的な節目の

1.40%をうかがってじりじり弱含み」と予想。高値警戒感がくすぶっているも のの、積極的な売り方も不在と説明している。

日本相互証券によると、25日の現物債市場で新発10年物の295回債利回 りは、前日比変わらずの1.425%で寄り付いた後、若干水準を切り上げ、

1.43%をつけた。午後に入って、20年債入札結果を好感して、徐々に水準を切 り下げ、1.41%まで低下した。結局、1ベーシスポイント(bp)低い1.415% で引けた。

一方、10年物国債の295回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると

1.415%だった。

米株は小反発、債券ほぼ変わらず

26日の米国債市場では、10年債利回りが約3カ月ぶりの低水準だった。 この日公表された今月5日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では利 上げ時期について示唆されていなかった。

FOMC議事録では、多くの会合参加者が「コアインフレは来年も鈍化し な

い可能性を懸念していた」ことが分かった。会合メンバーは次の行動は利上げ との見方でおおむね一致した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後5 時現在、2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの2.33%。10年債利回りはほぼ 変わらずの3.77%。これは5月9日以来の低水準。

一方、米株式市場ではS&P500種株価指数とダウ工業株30種平均が反発。 原油高を背景にエネルギー関連株に買いが入った。アナリストが米住宅金融大 手のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当 公社)は年末まで十分な資本を維持できるとの見方を示したことも買い材料。 S&P500種株価指数終値は前日比4.67ポイント上げて1271.51。