NY外為:ドルが対ユーロで6カ月ぶり高値、世界経済鈍化見通しで

ニューヨーク外国為替市場ではドル が対ユーロで6カ月ぶり高値に上昇。ドイツのIfo経済研究所がこの 日発表した8月の企業景況感指数が予想以上に落ち込むなか、ドルが世 界の景気鈍化から最も恩恵を受けるとの見方が広がった。

ドルは月間ベースで、1999年のユーロの導入以来最大の上げに向か っている。ドルは対オーストラリア・ドル(豪ドル)では11カ月ぶりの 高値に上昇しており、ニュージーランド(NZ)・ドルとスウェーデ ン・クローナに対しても値を上げた。英ポンドは対ドルで2006年7月以 来の最安値に下落。7月の英住宅ローン承認件数が10年ぶり低水準にと どまったことが背景だった。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツ(コネティカット州グ リニッチ)の北米通貨戦略責任者、アラン・ラスキン氏は「ドルは他地 域の悪いニュースに依存した格好だ」と指摘。「市場は対ドルでのユー ロの行き過ぎた高値は正当化できないとの見方に傾きつつある」と述べ た。

ニューヨーク時間午後4時2分現在、ドルはユーロに対し前日比

0.8%高の1ユーロ=1.4644ドル(前日は同1.4754ドル)。一時は2月 14日以来の高値となる1.4571ドルまで買い進まれる場面もあった。ド ルは対円では0.3%上昇し1ドル=109円64銭。前日は同109円30銭だ った。ユーロは対円で0.4%安の1ユーロ=160円55銭(前日は同161 円26銭)。一時は5月12日以来の安値159円99銭を付けた。

ドルは月間ベースで、主要通貨すべてに対し上昇している。ドルの 月間ベースでの上昇率は対豪ドルが10.2%と最大、最小は対メキシコ・ ペソで1.2%。月間ベースでのドルの対ユーロでの上昇率は6.4%と、ユ ーロ導入以来の最大となっている。

ドル指数

インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数(対主要6通 貨)は77.619と、昨年12月26日以来の高水準を付けた。

ドイツ銀行はドルが対ユーロで年末までに1ユーロ=1.45ドルに上 昇すると予想している。同行は4月以来この予想を維持している。

UBSは今月、ドル相場見通しを上方修正。現在は3カ月後の対ユ ーロでのドル水準を1ユーロ=1.47ドルとみている。修正前の予想は同

1.53ドルだった。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスはドルが対 ユーロで年末までには1ユーロ=1.43ドル、来年第1四半期末までには

1.40ドルに上昇するとの見通しを示している。前回見通しはそれぞれ

1.50ドルと1.48ドルだった。

各国中央銀行が景気支援のために利下げを実施するとの見方から、 この日は主要通貨の大半が対ドルで下落した。豪ドルは対米ドルで

0.9%安の1豪ドル=85.55米セント。一時は84.94米セントと昨年9月 以来の安値を付けた。NZドルは対米ドルで0.9%下げ1NZドル=

69.75米セント。一方、スウェーデン・クローナは対ドルで0.8%下落し、 1ドル=6.4031クローナ。

ポンド下落

ポンドは対ドルで0.8%安の1ポンド=1.8387ドル。一時は同

1.8331ドルと、06年7月以来の安値を付けた。英国銀行協会(BBA) は26日、7月の英住宅ローン承認件数が前年同月比65%減の2万2448 件になったと発表。BBAによると、7月の承認件数は前月の2万2369 件から若干増加した。

ユーロは7月15日に対ドルでの過去最高値1ユーロ=1.6038ドル を付けて以来、8%超下げている。ユーロ圏経済が第2四半期に縮小し、 原油相場が先月付けたバレル当たり147.27ドルの過去最高値から20% 超下げるなか、ユーロが下落した。

ドイツのIfo経済研究所が26日発表した8月の企業景況感指数 (2000年=100)は94.8と、3年ぶりの低水準に落ち込んだ。欧州一の 経済大国であるドイツがリセッション(景気後退)入りするとの懸念が 高まった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト35人の調 査中央値では、97.2への低下が見込まれていた。7月の指数は97.5だ った。

UBSの通貨ストラテジスト、マニュエル・オリベリ氏は「ユーロ 圏経済がじわじわと軟化していることに加え、原油相場の高騰緩和がユ ーロを圧迫している」と述べた。