日本株は反落、国内外で信用や景気不安-金融や不動産など幅広く売り

午前の東京株式相場は反落。米住宅ロー ン問題を発端にした金融不安や世界景気の減速が長期化するとの懸念が再燃、 国内でも不動産販売会社が経営破たんしたことで、信用リスクを意識する動き が強まった。三井住友フィナンシャルグループや野村ホールディングス、オリ ックスといった金融株、三菱地所など不動産株を中心に幅広い業種、銘柄が売 られ、キヤノンやトヨタ自動車などの輸出関連株も下げが目立つ。

日経平均株価の午前終値は前日比169円14銭(1.3%)安の1万2709円 52銭、TOPIXは同21.21ポイント(1.7%)安の1218.04。東証1部の出 来高は概算で6億3641万株、売買代金は6180億円。出来高、売買代金とも、 午前終了段階で今年最低を記録した前日を下回っている。値下がり銘柄数は 1393、値上がりは187。業種別33指数は31業種が下落し、2業種が上昇。

MU投資顧問の森川央シニアストラテジストによると、日本時間の今晩発 表される5月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラ ー住宅価格指数では、前月に続き大幅な落ち込みが予想されており、同統計で 「米住宅問題の先行き不透明感が強まることを、先取りした売りも出ていた」 という。

前日の米国株が急落したことを受け、この日の日経平均は売り先行で始ま った。早々に米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の25日清算 値(1万2685円)を下回り、222円安の1万2656円まで下げ幅を拡大。ただ、 「住宅市場や世界景気の先行き不透明感が強いため、市場参加者は一向に増え る兆しを見せていない」(日興コーディアル証券の橘田憲和ストラテジスト) のも事実で、朝方の売り一巡後はこう着した。

AIGやリーマンに悪材料、セボン再生法申請

クレディ・スイス・グループは25日、米保険最大手のアメリカン・イン ターナショナル・グループ(AIG)の7-9月(第3四半期)期1株当たり 損益見通しを86セントの赤字と、従来予想の13セントの黒字から下方修正し た。また韓国紙、毎日経済新聞は同日、韓国産業銀行(KDB)と米証券大手 のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスとの出資交渉で、KDBは交渉を 打ち切っていたと報道。さらに韓国の金融監督当局は、KDBなどの国有銀行 に対し、信用危機の中で外国の銀行を買収することのリスクを警告した。

金融機関の悪材料が重なったことを背景に、25日の米国株式市場では、S &P500種金融株価指数が3.1%安と急反落し、業種別10指数で下落率トップ だった。米国市場での流れを引き継ぎ、東京市場でも前日買い戻された三井住 友FGや三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株、野村HDなど証券 株に再び売り圧力が強まり、菱地所など不動産株も安い。

銀行株はほぼ全面安となる中で、HSBC証券が与信コスト上昇の可能性 などを指摘し、投資判断を引き下げた横浜銀行、千葉銀行、ふくおかフィナン シャルグループ、スルガ銀行がそろって軟調。MU投資顧問の森川氏は、「地 銀は地盤とする地域の景気悪化が鮮明で、事業融資のニーズが低調なため、不 動産融資や海外投資へのエクスポージャーの比率が高まっていた可能性があり、 注意が必要」と見ている。

不動産、建設関連株については、ジャスダック上場の注文住宅施工・販売 の旭ホームズが25日、親会社のセボンが民事再生法の手続き開始を東京地裁 に申請したことを明らかにしたことも逆風。セボンの経営破たんは、マンショ ン市況の悪化に加え、販売不振で資金繰りが行き詰まった格好だ。13日にはア ーバンコーポレイションが経営破たんするなど、不動産業界の経営環境は厳し さを増しており、信用リスクへの警戒感の高まりが株価の重しとなった。

GウィルとSBIHが急落、ヤマハが大幅高

個別では、前期に債務超過に陥ったもようで、東証が上場市場を11月に も現在の1部から2部に指定替えする公算が大きいと、26日付の日本経済新聞 朝刊が伝えたグッドウィル・グループが一時ストップ安まで売り込まれた。9 月中間期配当を見送ると発表したSBIホールディングスは急反落。原燃料価 格の高騰や需要低迷などで2009年3月期の業績予想を減額修正した東洋紡は 4日続落。8月の単体既存店売上高が前年同月比6.8%減となったしまむらは 反落。メリルリンチ日本証券が投資判断を弱気に引き下げた三井造船も安い。

半面、子会社の全株式売却で譲渡益が発生、09年3月期の連結純利益予想 を前期比79%増の13億6000万円(従来予想8億1000万円)へと増額した常 磐興産が続伸。三菱UFJ証券が投資判断を強気に上げた久光製薬は反発。タ イの銀行を第三者割当先として、自社株処分を行う日本アジア投資も高い。水 面下でMBO(経営陣による自社株買収)を検討していると、26日付の株式新 聞で伝わったヤマハは大幅続伸。同報道については、会社側は否定している。