債券相場は堅調、信用不安受けた米債高・株安で買い-20年入札見極め

債券相場は堅調(利回りは低下)。前日の 米国市場で、金融機関の損失拡大懸念など信用不安が再燃し、株安・債券高とな った地合いを継続。日経平均株価が反落して始まり、円債市場は買い先行となっ た。一方で、この日実施される20年債入札を控えて、現物債の長期ゾーンの上 値は重い。

リーマン・ブラザーズ証券チーフJGBストラテジストの山下周氏は、「リ スク資産回避の流れから、金融株を中心に株価が大幅下落、米債利回りはブル・ スティープ(傾斜化)で、為替では円やスイス・フランが上昇。円債は、20年 債入札前とはいえ、買い先行で始まるだろう」と予想していた。

東京先物市場の中心限月9月物は前日比15銭高の138円25銭で寄り付いた 後、すぐに138円31銭まで上昇した。その後は138円20銭付近で取引されてい る。午前9時20分時点での9月物売買高は3778億円程度。

現物債市場で新発10年物の295回債は、前日比変わらずの1.425%で取引 を開始した。その後は0.5ベーシスポイント(bp)高い1.43%で推移している。

日経平均株価は反落。前日比167円63銭安の1万2711円3銭で寄り付いた。

20年債入札、クーポン2.1%に低下か

財務省はこの日、20年債入札を実施する。25日の入札前取引では、8月発 行の20年債複利利回りが2.15%で取引された。このため、表面利率(クーポ ン)は、前回7月24日入札の103回7月債より0.2ポイント低い2.1%が予想 されている。発行額は前回債と同じ8000億円程度。

山下氏は、「水準的な妙味に乏しく、絶対金利水準を重視する投資家からの 買いは見込みづらいが、7-10年、30年対比での割安感から消化できるのでは ないか」と予想している。

市場では、「金利水準低下でやや低調か」(日興シティグループ証券シニア ストラテジストの山田聡氏)などの声も聞かれた。

米国市場は株安・債券高、信用不安再燃

25日の米国債相場は上昇、約2週間で最大の値上がりとなった。信用市場 の混迷が拡大するとの観測が広がり、国債買いが広がった。米10年債利回りは 5月13日以来の低水準を記録した。BGキャンター・マーケット・データによ ると、10年債利回りは前営業日比9bp低下し3.78%付近。下げ幅は8月12日 以来で最大。一時は3.76%まで下げた。2年債利回りは9bp下げて2.33%付近。

一方、米株式相場は大幅下落。この1カ月で最大の値下がりとなった。先週 末にカンザス州の地銀が破たんしたのに加え、今週に入り保険最大手アメリカ ン・インターナショナル・グループ(AIG)の損失観測が浮上したことで、金 融機関の評価損が今後も金融システムを脅かすとの懸念が再燃した。S&P500 種株価指数終値は前週末比25.36ポイント下げて1266.84。