レオス藤野氏:半導体関連を買い下がり、「鞍馬天狗」売り持ちは解消

独立系投信投資顧問のレオス・キャピタ ルワークスの藤野英人最高経営責任者(CEO)は、日本株市場の不透明感は 当面続くものの、下がった銘柄の買いだめ時期と捉えている。そのため売りポ ジションを解消、半導体関連銘柄などを買い増していく考えだ。22日に行われ たブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。

藤野氏は現在の日本株市場について、欧米の景気減速とサブプライム(信 用力の低い個人向け)住宅ローン問題による企業の信用収縮、さらに日本その ものに展望が見えないことで下落していると指摘。特に業績不安が強いため、 少しの悪化で大きく売られてしまうと見ている。

業績は今後も悪化が見込まれるものの、それに先行して株価バリュエーシ ョンが低下しており、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、E V/EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)倍率などから 見て、明らかに割安になってきた。

こうした見方から、レオスが投資助言を行う公募投信「レオス日本成長株 ファンド(愛称:鞍馬天狗)」では、売りポジションを2、3カ月前に解消し、 現在は株式現物ポートフォリオで株価上昇を享受する体制を敷いている。同フ ァンドは、高成長が期待できる銘柄や過小評価されている銘柄を買いつける一 方、過大評価されている銘柄を売り建てたり、株式先物を活用する。

15日時点の保有上位銘柄はサイバーエージェント、トランコム、科研製薬、 大垣共立銀行、エア・ウォーター。サイバーAは1年ほど前に株価が5万円程 度で買い付けた。25日終値は10万円のため、2倍近い含み益が出ている。

半導体関連銘柄を買い進む

現在の投資テーマは3つ。まず、環境はこれからも重要なテーマと考え、 二酸化炭素削減や代替エネルギー関連銘柄を保有している。3月に組み入れ比 率が高かった太陽電池製造装置メーカーのエヌ・ピー・シーなどは、7月の主 要国首脳会議(洞爺湖サミット)前に、サミット後の材料出尽くしによる株価 反落を予想し、保有株の大半を売却した。それでも一部保有を継続している。

次に不況対応銘柄。不況が続くと消費者の生活防衛意識が高まるため、大 黒天物産など不況下でも伸びるディスカウントストアなどが良好な収益を上げ るとみる。

さらに景気は循環するため、必ず回復局面に向かうことから、その際に過 去の経験則上、株価が最初に上昇する半導体関連銘柄に注目している。「まだ 業績予想の下方修正が発表されるだろうが、その度に半導体製造装置メーカー でシェアが高い企業や、部品メーカーを買い下がって仕込んでいきたい」(藤 野氏)という。半導体関連株のポートフォリオ構成比は現在2割程度だが、今 後はこれを高める一方で、不況対応銘柄を減らしていく方針だ。

「鞍馬天狗」の過去1年間の運用成績はマイナス19%で、ラッセル野村中 小型指数のマイナス24%より良い。

公募投信第1号、3年後に1000億円狙う

レオスは昨年9月に投資信託委託業者の認可を取得。この10月1日に第 1号の公募投信「ひふみ投信」を設定する。既存の金融機関があまりターゲッ トとせず、現在は資金をさほど持っていない若年層を対象に、ゼロからの資産 形成を応援する。中期的な残高目標は「3年後に1000億円」(藤野氏)。

商品分類上は国際株式型だが、基本日本株を対象にアクティブ運用する。 相場全般の下落が予想される場合、現金比率をダイナミックに動かし、下落を 和らげる。さらに混乱が見込まれる際は海外株式を組み入れる。

コンセプトは「日本の勝ち組企業に投資する」(藤野氏)。そのため、グ ローバルに活躍する大型株と、ニッチな業種で、日本経済の動向に関係なく伸 びていくような内需中小型株という2つの観点から銘柄を選ぶ。通常の大型株 投資では、TOPIXの業種配分などトップダウンを意識する面もあるが、 「レオスの強みである中小型株での銘柄発掘能力をそのまま大型株に適用」 (藤野氏)し、あくまでも個別企業の調査に基づいて銘柄を選定する。

藤野氏は、世界がインフレの時代を迎えつつあるなか、今後は資産を持っ ている人とそうでない人との格差が拡大すると予想している。そのため、若い 世代に株式という資産を持ってもらいたいと思い、「少額でも投資できること が重要」と指摘。ファンドの申し込み単位を現在の1万円から「将来は5000 円、3000円程度に下げたい」(藤野氏)との意向だ。

費用を抑えるため販売会社を介さず、直接販売方式をとる。このため投資 家が通常購入時に支払う申込手数料はなし。保有期間中にかかる信託報酬も年

0.98%(税抜き)と低く設定したうえ、5年以上保有すると年0.2%、10年以 上だと年0.4%を還元する。これは日本株投信の平均である約1.5%を大きく 下回る。

レオスの現在の運用残高は投資助言を含めて400億円。投資顧問分野を伸 ばし、今期末に800億-1000億円の達成を目指している。

--共同取材:小笹 俊一    Editor:Shintaro Inkyo

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 浅井 真樹子 Makiko Asai

+81-3-3201-8955 masai@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:

大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Darren Boey

+852-2977-6646 dboey@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE