ドバイは金融界のオアシス、ボーナス25%増も-ロンドンから人材流入

ドイツ銀行のロンドン在勤マネジングディレ クター、クリストファー・ライング氏(39)は妻と双子の息子と共に今月、アラ ブ首長国連邦(UAE)のドバイへ転勤した。中東は投資銀行が稼ぐ手数料収入 が世界で唯一伸びている地域で、各金融機関は積極的に人材を投入している。

中・東欧と中東、アフリカの株式・資本市場共同責任者を務めるライング氏 は予定される新規株式公開(IPO)の案件数について「これまで以上に大きい」 と指摘。「転勤の選択をして幸運だ」と話す。

同氏以外にも、米証券リーマン・ブラザーズ・ホールディングスのマクラム・ アザー氏や米銀シティグループのアルベルト・バーム氏、米証券モルガン・スタ ンレーのデービッド・ロー氏らがここ数カ月でロンドンからやって来た。原油収 入で潤う中東の政府系ファンド(SWF)は2015年までに5兆ドル(約547兆 円)規模になると英金融業界団体インターナショナル・フィナンシャル・サービ シズ・ロンドン(IFSL)はみており、それが魅力となっている。

米調査会社フリーマンによると、中東で投資銀行が稼ぐ手数料は今年1-6 月期に5%増の6億1200万ドルとなり、世界で唯一伸びが見られた地域となっ た。全世界での手数料収入のまだ2%に満たないものの、中東の市場シェアは1 年前の倍に拡大している。

過去1年で目立った案件はドバイ政府所有の港湾運営会社DPワールドの IPO(49億6000万ドル規模)やペルシャ湾岸各国のSWFや企業による外国 金融機関への投資約180億ドル相当で、出資先にはシティや米証券メリルリンチ が含まれている(ブルームバーグ・データ調べ)。

米シンクタンク、ピーターソン国際経済研究所の上級研究員、マーカス・ノ ランド氏は「湾岸諸国には数兆ドルのオイルマネーが流入している。ドバイは外 銀が選ぶ場所として存在感を示すようになった」と語る。

ボーナス

人材あっせん会社オプションズ・グループのドバイ事務所責任者、ジョン・ ダックフィールド氏によれば、ドバイに転勤するバンカーは給与の免税やボーナ ス増額を期待でき、ボーナスは欧米で受け取る額を最大25%上回ることもある という。

ドイツ銀やシティ、モルガン・スタンレーのほか、スイスの銀行UBSも中 東在勤のバンカーを倍増し、今年400人超とした(ブルームバーグ・データ調べ)。 過去1年で10万人超の人員削減が発表され、投資銀行収入に回復の兆しが見ら れず、企業買収ペースが3年ぶり低水準に落ちたロンドンやニューヨークとは対 照的だ。

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