NY外為:円とスイス・フランが上昇、高利回り資産の需要減で(2)

ニューヨーク外国為替市場では円と スイス・フランが主要通貨すべてに対して上昇。信用市場の損失が拡大 するとの見方から高利回り資産が売られたことが背景。

円は対ユーロでこの1週間以上で最大の値上がり。保険最大手の米 アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が7-9月(第 3四半期)決算で赤字を計上するとの見通しに加え、米カンザス州の地 方銀行、コロンビアン・バンク・トラストの経営破たんが手掛かり。韓 国ウォンはドルに対しほぼ4年ぶりの安値を付けた。海外投資家による 韓国株の売りが背景。

みずほコーポレート銀行のファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク 在)は「銀行への信頼が欠けており、信用市場懸念が引き続き主因とな るなか、円は続伸するだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時24分現在、円は対ドルで前週末比0.7% 上昇し1ドル=109円30銭。22日は同110円7銭だった。ユーロは対円 で1%安の1ユーロ=161円29銭(前週末は162円83銭)。ドルは対 ユーロで0.3%上昇し1ユーロ=1.4756ドル(前週末は1.4793ドル)だ った。スイス・フランは対ユーロで0.5%高の1ユーロ=1.6168フラン、 対ドルでは0.3%上げて1ドル=1.0958フラン。

円は対ニュージーランド(NZ)ドルで1.3%上昇の1NZドル= 77円1銭。スイス・フランは南アフリカ・ランドに対し1.3%高の1フ ラン=7.08ランド。円やスイス・フランで資金を調達するキャリートレ ードの需要が緩んだことが背景だった。

AIG見通し

クレディ・スイス・グループは25日の調査リポートで、AIGが7 -9月(第3四半期)決算で、米住宅市場混迷に関連する評価損の影響 から24億1000万ドルの赤字を計上する可能性があると指摘した。コロ ンビアン・バンク・トラストは22日、州当局と米連邦預金保険公社(F DIC)から閉鎖命令を受けた。FDICの「問題」銀行リストは第1 四半期に18%増加し90行(資産総額は263億ドル)となった。

ブルームバーグがまとめたデータによると、米サブプライム(信用 力の低い個人向け)住宅ローン関連証券に関連した金融機関の損失と評 価損は現在、5000億ドルを上回っている。

S&P500種株価指数は前週末比2%下落。一方、10年債利回りは 9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下と、ほぼ2週間ぶ りの大幅な低下となった。

韓国ウォンはドルに対し一時1.6%下落し1ドル=1079.85ウォンと、 04年11月以来の最安値に下落。取引所のデータによると、世界のファ ンドマネジャーは今月18日以来、1兆3300億ウォン相当の韓国株式を 売り越している。

パキスタン・ルピー

パキスタン・ルピーはドルに対し0.3%安の1ドル=76.63ルピー。 パキスタン与党第二党のイスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)が 25日、連立政権から離脱すると発表したことが手がかりだった。

全米不動産業者協会(NAR)が朝方発表した7月の中古住宅販売 件数(季節調整済み、年換算、以下同じ)は前月比3.1%増。これを受 けてドルは一時、対円での下落分を縮小した。

7月の中古住宅販売件数は年率500万戸。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想の中央値は491万戸だった。