五輪後の北京に悲観論不要、年率10%成長は維持へ―東洋証の中尾氏

東洋証券アジア部の中尾正敏部長は25日 のブルームバーグ・テレビで、24日に閉会した北京五輪後の中国経済について 「五輪特需の反動がよく言われるが、日本や韓国と単純に比較すべきではない。 日本や韓国の国土は狭いが、中国はけた違いに大きく、経済も東京やソウルの ように一極集中しておらず、全国に広がっている。それほど悲観することはな い」との見方を示した。

中尾氏は、政策当局が銀行融資の総量規制の緩和といった動きを見せてい ることに言及、今後はこうした景気にらみの政策が相次いで打たれる可能性を 指摘した。「中国経済への悲観論は多いが、金融政策で修正の動きが見える。 これまで年初から震災、オリンピックなどで後手に回った印象もあるが、今後 は景気重視の対策をとって行くだろう。経済成長率も若干減速はするだろうが、 1けたはなく、年率10%程度は維持するのではないか」と、同氏は予想する。

また中尾氏は、「インフレが重要なポイント」との認識だ。今月11日に 中国国家統計局が発表した7月の生産者物価指数(PPI)は、エネルギーや 商品価格の上昇を背景に前年同月比10%上昇と、ブルームバーグが集計を開始 した1999年以来、最高の伸びを見せた。しかし、「CPI(消費者物価)は 2月以降ピークアウト、自給率も改善し、穀物は今年も豊作見通しだ。CPI は引き続き低下していこう。PPIも世界的に景気が減速し、商品相場への投 機を監視する動きもあり、次第に落ち着く」(同氏)と見ている。

一方、年初来54%下げている中国株式市場の上海総合指数について、中尾 氏は「この過程で『ポスト五輪』をかなり織り込んだと思われ、最近の中間決 算の内容も銀行を中心にかなり良くなってきている。バリュエーションでも、 2005年を起点とした今回の相場で平均PERは30倍近くあったものが、15倍 近くにまで低下。かなり良い所に来ただろう」と指摘した。

中尾氏が中国株市場で注目している業種は、「インフラ関連」「消費関 連」「保険」の3つ。インフラ関連については「大きい国であり、インフラ投 資は当面続きそう。また今年、政府は法人税減税を行っており、投資の追い風 になってくる」と見ている。消費関連については、足元の関連統計で強い数字 が出ている点を注視。実際、今月13日に明らかになった7月の小売売上高は 前年同月比23%増の8629億元と、所得増加と物価上昇を背景に、これもブル ームバーグの集計開始が開始された99年以来の高い伸びだった。

また保険に関しては、「これまでマーケットが悪く、足元の収益は悪化し 良くないが、震災を受けて保険加入が増えてきているほか、A株市場がかなり 下げた中で、貯蓄商品として保険を見直す動きも出ている」(中尾氏)という。