ドル107円まで調整も、実質金利動向を注視-JPモルガン・佐々木氏

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部 の佐々木融チーフFXストラテジストは25日、ブルームバーグ・テレビジョン とのインタビューで、ドルの買い持ち高が膨らんでいる状況下で、週内に発表 される米経済指標を受けた実質金利の動向などを背景に持ち高調整に伴うドル 売りが促される展開もあり得ると予想。ドル・円相場は1ドル=107円台に向け て軟化する可能性もあるとみている。

ドル・円相場は、7月中旬以降、原油相場の下落など金融市場の全般的な 調整の一環として買い戻し基調が継続。8月15日には110円66銭(ブルーム バーグ・データ参照、以下同じ)と、1月2日以来の水準までドルが値を戻し ていた。その後は108円台前半まで押し戻される場面も見られたが、この日の 東京市場では一時110円29銭まで回復している。

しかし、佐々木氏は、短期的にドルがもう一段上昇していくのは難しいと したうえで、ドルは15日の高値を上抜けせずに、「107円程度までの調整はあ ってもおかしくない」とみている。

佐々木氏は、その理由として、ドルの買い持ち高が膨らんでいる点を指摘。 「JPモルガンと取引のあるヘッジファンドなどの短期筋のポジションをみる と、ロングポジション(買い持ち高)がかなり増加してきている」として、そ ろそろ巻き戻しが入るのではないかとみている。

そうしたなか、来月の中旬からは米系証券の決算発表を控えて、「これま でのパターンでいくと、決算発表の前に株が落ち始めて、ドルが落ち始めると いうことがある」(佐々木氏)といい、発表日以前にじわじわと持ち高調整に 伴うドル売り圧力が強まる可能性が警戒される。

米実質金利の動向を注視

また、佐々木氏は、7月半ば以降は実質金利の上昇がドル買いの支援材料 になっていたと説明。その上で、今週は米国で発表される経済指標や原油相場 の動向が名目金利と実質金利に与える影響が注目されるとみている。

週内には消費者信頼感指数、耐久財受注、国内総生産(GDP)、新規失 業保険申請者件数などが発表されるが、これらの指標が弱含みとなれば、「名 目金利が低下し、実質金利も下がる可能性がある」(佐々木氏)という。

一方、期待インフレ率に影響を与える指標としては、個人消費支出(PC E)デフレータが注目される。加えて、足元では原油相場の上昇一服感が強ま っているが、「このまま下げ続けるということになれば、期待インフレ率が後 退するので、実質金利を押し上げる一方で、原油価格が反発すれば、実質金利 が下がる」(佐々木氏)可能性があるという。

また、今週は住宅関連指標の発表も集中している。佐々木氏は、「政府支 援機関(GSE)をめぐる問題がくすぶるなか、米系証券の決算も近づいてき ているということもあって、住宅価格が予想以上に下がっているというような ことになれば、株価が下がって、ドル買い持ち高の巻き戻しのきっかけになり やすい」とみている。

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