日本株(終了)5日ぶり反発も売買今年最低、原油安と円安で輸出買い

週明けの東京株式相場は、5営業日ぶり に反発。原油相場の急落や円安・ドル高基調を背景に収益圧迫懸念が和らぎ、 ホンダやキヤノンなど輸出関連株が買われ、ブリヂストンなどゴム製品株、川 崎汽船など海運株も高い。米国の金融不安もひとまず緩み、三菱UFJフィナ ンシャル・グループなど金融株も買い戻された。ただ、東証1部の出来高と売 買代金はともに今年最低だった。

DIAMアセットマネジメントの宮田康弘シニアポートフォリオマネジャ ーは、「グローバルな景気減速に伴う原油需要の減退見通しを背景に、ヘッジ ファンドによる投機的な原油先物の買い持ち高が解消に向かっている」と指摘。 そのため、原油価格の下落基調は続きやすく、「遅行指標である物価指数の上 昇モメンタムも徐々に弱まってくるだろう」との認識を示した。

日経平均株価の終値は前週末比212円62銭(1.7%)高の1万2878円66 銭、TOPIXは同22.83ポイント(1.9%)高の1239.25。東証1部の出来高 は概算で13億1122万株と、半日取引だった年初1月4日(14億2426万株) の水準を下回り、2006年9月以来の低水準に落ち込んだ。売買代金は1兆 3841億円と、連日で年初来最低を記録。値上がり銘柄数は1406、値下がりは 230。業種別33指数は31業種が上昇し、2業種が安い。

一時283円高も引け際伸び悩む

前週末22日の米国株高を受けて、この日の日経平均は買い先行で始まり、 早々に米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の22日清算値(1 万2920円)を上回った。堅調な展開が午後に入っても続き、午後2時過ぎに は283円高の1万2949円まで上げ幅を拡大。ただ、今週前半に米国で相次い で発表される「住宅関連の主要指標で米住宅市場の悪化に底入れの兆しが見ら れるかどうかを見極めたい」(東洋証券情報部の檜和田浩昭ストラテジスト) として、取引を手控える市場参加者も多いという。一段と上値を追う力には乏 しく、終了にかけて伸び悩んだ。

BNPパリバ証券の平塚基巳ストラクチャード・ソリューション部部長は、 「直近で相場の日中ボラティリティー(変動率)が急激に下がってきている」 と指摘。要因として同氏は、4-6月期の企業決算を通過したことで、「マー ケットに影響を与える国内要因が非常に限定的となってきており、海外発の材 料に対する依存度が一段と高まっているため」としていた。

原油安、円安、リーマンへの投資観測

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物10月限 は22日に急反落し、前日比5.4%安の1バレル=114.59ドルで終えた。ドル の反発に加え、英BPがトルコのパイプラインを通した輸送を再開したことが 手掛かり。また、バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は22日の講 演で、ドル相場の回復や原油など商品の値下がりに言及し、今年後半と来年の 「インフレの鈍化につながるだろう」と評価した。

インフレによる世界景気の減速懸念が緩和され、外国為替市場では投資家 が低金利通貨の円で資金を調達し、高金利通貨で運用するキャリー取引の需要 が強まった。25日の東京市場でも、円ドル相場は1ドル=110円台前半で推移。 22日の午後3時時点では、1ドル=108円80銭付近で取引されていた。

原油安と円安によって収益悪化不安が後退、ホンダやトヨタ自動車など自 動車株、キヤノンやソニーなど電機株が上げ、ホンダは日経平均の上昇寄与度 で1位となった。ブリヂストンなどゴム製品株、川崎汽など海運株、三井化学 など化学株も高い。

このほか、韓国の政府系金融機関である韓国産業銀行(KDB)が、米大 手証券のリーマン・ブラザーズへの投資を検討していると22日表明し、米国 の金融機関に対する不安が和らいだことで、三菱UFJや三井住友フィナンシ ャルグループなど銀行、野村ホールディングスなど証券、オリックスなどその 他金融株が買い戻された。

金融庁の個人投資家優遇策案

23日付の日本経済新聞朝刊は、金融庁が2009年度の税制改正要望で、高 齢者の株式取引について500万円以下の譲渡益と100万円以下の配当金は非課 税にする方針だと報じた。月内にも財務省に提出する要望案を引用する形で伝 えた。取材源は明らかにしていない。

市場では、「約1500兆円の国内個人金融資産の大半を高齢者が保有して いる上、団塊世代の退職金運用ニーズが高まっていることも考慮すると、報道 された内容の優遇策が実現すれば、市場の活性化につながる可能性は高い」 (DIAMの宮田氏)との声も聞かれた。

不動産関連高い、資源関連は安い

個別では、タカラレーベンや創建ホームズなど不動産分譲を主力とする銘 柄が東証1部の上昇率上位に並んだ。国内投資ファンドと資本提携すると発表 したゼクスはストップ高比例配分。機能性繊維や医薬中間体が好調で6月中間 期の連結純利益が前年同期比36%増となったトーア紡コーポレーションは急反 発。医療材料子会社が海外で人工骨事業を強化すると、24日付の日経新聞が報 じたオリンパスも反発。リチウムイオン電池の需要増大に対応し、電池材料を 増産すると、25日付の日経新聞朝刊が報じた古河電気工業は大幅続伸。

半面、原油急落による収益懸念を背景に、国際石油開発帝石ホールディン グスや石油資源開発、伊藤忠商事といった資源関連株が安い。モルガン・スタ ンレー証券が目標株価を引き下げた福山通運が売られ、メリル・リンチ日本証 券が投資判断を弱気に引き下げたブラザー工業は5日続落だった。

新興3指数は高安まちまち

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比0.14ポイント(0.2%)安 の57.41と小幅続落。東証マザーズ指数は4.32ポイント(1%)高の446.21 と反発。大証ヘラクレス指数は16.21ポイント(2.3%)高の734.67と3営業 日ぶりに反発。

米マーベル・エンターテイメントと日本市場で4つのシリーズのアニメー ションを製作すると、24日付のニューヨークタイムズ報じたインデックス・ホ ールディングスが16%高と急伸。新規上場2日目となる成学社はストップ高ま で買われた。通期利益の増額修正と増配を前週発表したインテリア、オフィス グッズ卸のリリカラも急伸。半面、原材料高騰などを理由に今期業績予想を下 方修正した新報国製鉄、出版事業などの販売不振で08年6月中間期の赤字幅 が拡大したウィーヴがともにストップ安(値幅制限の下限)まで売られた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE