欧州当局は「早急に」銀行破たんへ備えを-大学教授がシンポで指摘

欧州当局は早急に、苦境に陥っている銀 行への対応策をまとめる必要がある-。米ワイオミング州ジャクソンホールで 開かれた米連邦準備制度理事会(FRB)のシンポジウムに提出された研究報 告が指摘した。金融機関の資産規模が拠点を置く国・地域の経済規模を上回っ ている場合、当該国・地域は特にその必要性が高いと分析している。

米ペンシルベニア大学のフランクリン・アレン教授と独フランクフルト 大学のエレーナ・カルレッティ教授は同研究報告の中で、ベルギーやスイスな どでの大手銀行の破たんに際しては、経済への影響が広範囲に及ぶことを阻止 するため、国境を越えた協力が必要になるとの見解を示した。

欧州連合(EU)は、国際的に業務展開する銀行の経営難が国境を越え て経済に影響を与えるのを回避するため支援が必要となった場合、誰がその費 用を負担するかの問題について、4カ月前結論を先送りしている。欧州の銀行 は、米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)のデフォル ト(債務不履行)を発端とした信用市場の混乱で痛手を受けている。

シンポジウムでの報告で両教授は「影響が広がる過程で、多くの欧州資 本市場とほかの地域の一部資本市場は事実上機能不全に陥り、実体経済に大き な影響が出かねない」と指摘。欧州政府当局は、金融機関の破たんに備え、迅 速に行動すべきだと主張した。

両教授は、ベルギーの金融サービス最大手フォルティスが破たんした場 合には、同国政府はその規模ゆえに、介入して金融的な負担について評価する ことには消極的だろうと指摘、「問題となるのは、EU諸国の間でどのように 負担を分担するかだ」と語った。

また、スイスのUBSとクレディ・スイスの資産は、同国の国内総生産 (GDP)を上回っている。両教授は、国際通貨基金(IMF)や国際決済銀 行(BIS)が金融機関の破たんに関連し協力する必要がでてくる可能性を指 摘。各国政府が協力して備えなければ、「大惨事の到来を待つことになる」と 語った。