東京外為:ドル買い優勢、原油安で110円台前半-米経済指標に注目

午前の東京外国為替市場では、ドル買いが 優勢。原油相場の下落や米証券会社への出資観測を手掛かりにドルが反発した 流れを受け継ぎ、ドルが底堅く推移するなか、ドル・円相場は1ドル=110円台 前半まで上昇、3営業日ぶりのドル高値を付けている。ただ、この日はロンド ンが休場である上、米国では中古住宅販売の発表が予定されており、米景気の 低迷長期化の可能性を意識して、徐々にドル買いの動きが鈍る可能性もある。

週明け早朝の取引ではドル売りが先行し、対円では一時、109円82銭(ブ ルームバーグ・データ参照、以下同じ)までドルが軟化。しかし、「五・十日 (ごとおび)」で仲値に絡んだドル買い需要が指摘されるなか、その後はドル 買いが活発となり、ドル・円は一時、110円29銭まで上昇。ユーロ・ドルも1 ユーロ=1.47ドル後半から1.4716ドルと3営業日ぶりの水準までドル買いが進 んでいる。

新生銀行キャピタルマーケッツ部の政井貴子部長は、先週、先々週と週足 で見たら下ひげをつけて終わっており、「意外とドルは底堅い」と指摘。「原 油相場も先週1週間で見れば『行って来い』で、上値が重いことを確認した」 といい、今週米国で発表される経済指標が事前予想よりも良い数字となれば、 ドルのサポートになるとみている。

一方、ポンドは続落。前週末発表された4-6月(第2四半期)の英国内 総生産(GDP)改定値が市場予想を下回ったことが嫌気されており、対ドル では2006年7月以来の安値を付けている。

原油安と米金融機関の買収観測

ニューヨーク原油先物相場は、アジア時間週明け25日の時間外取引で前週 末比ほぼ変わらずの1バレル=144ドル台前半で推移。22日の取引では、欧州 2位の石油会社、英BPがカスピ海のパイプラインの原油輸送を再開したこと を手がかりに、6ドル超の下落と3年8カ月ぶりの下落率を記録。ドル相場の 下落もマイナス要因だった。

一方、原油安や韓国産業銀行(KDB)による証券大手リーマン・ブラザ ーズ・ホールディングスの買収観測、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長のインフレ鈍化見通し発言を受け、前週末の米株式相場は上昇。米国 債相場は下落(利回りは上昇)した。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替本部長の斉藤裕司氏は、米経済の悪化 を背景に金融機関は資産の切り売りを迫られる可能性があり、今後はM&A(企 業の合併・買収)絡みの話が出続ける見通しで、「ドルの支援材料になる」と 指摘する。

ロイター通信は22日、韓国産業銀行(KDB)の広報担当者は「KDBは リーマン・ブラザーズを含めてすべての選択肢を検討している」と述べた。詳 細には触れなかった。21日には、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が、 リーマンがKDBと中国の中信証券(Citic証券)に株式を売却するため に進めていた交渉は決裂したと報じていた。

ユーロ・円は163円台から反落

バーナンキFRB議長は22日、ワイオミング州ジャクソンホールで講演し、 ドル相場の回復や原油など商品の値下がりについて今年後半と来年の「インフ レの鈍化につながるだろう」と評価、FRBは「中期的な物価安定の実現に向 けて注力しており、この目的を達成するために必要に応じて行動する」と表明 した。

原油安や米国株高を背景に前週末の海外市場ではドルの買い戻しが活発と なり、米金融不安の再燃から108円台へ下落していたドル・円は110円台を回 復した。

一方、ユーロ・円相場は前週末に一時、1週間ぶりに1ユーロ=163円台を 回復、163円10銭までユーロ高・円安に振れたが、その後はもみ合いとなり、 週明けの東京市場午前の取引では162円台前半までユーロが売られる展開とな っている。

原油動向・米指標にらみの展開

今週も為替相場は原油価格の動向をにらんだ展開が続く一方、米国では住 宅関連をはじめ経済指標の発表が目白押しとなっている。新生銀の政井氏は、 「きょうはロンドン、来週月曜は米国が休みなので、やりにくいカレンダーの なかで、内容的に悪くても、予想されている市場数値よりも実際の数字が良け れば、ドルがサポートされる」とみている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、この日 発表される7月の中古住宅販売件数は、統計開始以来で最低となった6月から 1%増加し、年率491万戸となったもよう。

一方、住宅需要の落ち込みが不動産価格を押し下げており、26日に発表さ れる全米20都市部を対象にした6月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S &P)/ケース・シラー住宅価格指数は、06年8月以来の前年同月比マイナス がさらに続く見通しとなっている。

--共同取材:三浦和美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

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