NY外為(22日):ドル反発、リーマンへの出資観測で銀行不安が緩和

ニューヨーク外国為替市場ではドルがユー ロと円に対して反発。韓国産業銀行(KDB)がリーマン・ブラザーズ・ホー ルディングスへの投資を「検討している」と表明したことから、米国の金融機 関に対する不安感が緩和された。

前日の市場でドルが対ユーロで大きく下げていたことも、この日のドル買 いに拍車をかけた。またユーロ圏の鉱工業新規受注が減少し、景気減速の深刻 化が浮き彫りになったこともユーロ売り材料となった。バーナンキ連邦準備制 度理事会(FRB)議長は22日の講演で、ドル相場の回復や原油など商品の値 下がりがインフレ抑制をもたらすと述べた。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツ(コネティカット州グリニッ チ)の北米通貨戦略責任者、アラン・ラスキン氏は「ドルの底入れ」を指摘、 「ユーロとドルは現在のところ均衡している」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時35分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ=1.4781 ドル。前日の同1.4899ドルから0.8%のドル高。ドルは対円で1.5%高の1ド ル=110円7銭(前日は同108円43銭)。円は対ユーロで1ユーロ=162円69 銭。前日の同161円57銭から0.7%下げた。

週間ベースでの値動きとしては、ドルは対ユーロで0.6%安。6週間ぶり の下げだった。ドルは対円で前週末比0.4%の値下がり。ユーロは対円で同

0.3%上昇した。

ポンドは対ドルで1ポンド=1.8588ドルと前日比1%安。対ユーロでは同

0.7%下げて1ユーロ=79.84ペンス。4-6月(第2四半期)の英国内総生産 (GDP)改定値は前期比横ばいだった。ポンドは週間ベースで対ドル5週連 続安。2006年以来で最長の下げとなった。対ユーロでは前週末比1.3%値下が りした。

ドルの堅調

ドルは7月15日に記録した対ユーロ最安値(1ユーロ=1.6038ドル)か ら8%近く戻した水準にある。対円では今月に入り2%上昇した。日本とユー ロ圏の経済がいずれも第2四半期にマイナス成長となったほか、原油価格が7 月11日に記録した最高値(1バレル=147.27ドル)から22%下げていること がドル買いにつながった。

バーナンキFRB議長はドル相場の回復や原油など商品の値下がりについ て「インフレの鈍化につながるだろう」と評価、FRBは「中期的な物価安定 の実現に向けて注力しており、この目的を達成するために必要に応じて行動す る」と表明した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物10月限 は前日比6.59ドル(5.4%)安の1バレル=114.59ドルで終えた。週間では

0.8%の値上がり。ブルームバーグのデータによると、ユーロ・ドルの値動きと 原油相場の値動きの相関指数は、過去1年間で0.9。同指数1は同方向に動く ことを示す。

リーマン買収観測

円は南アフリカのランドに対して1.2%下げ、1ランド=14円32銭。ブラ ジルのレアルに対しては1レアル=67円57銭と、0.3%の円安。KDBがリー マンを買収するとの観測で、低金利の日本で調達した資金を高金利通貨で運用 するキャリートレードが再び活発になった。

KDBの広報担当者は「KDBはリーマン・ブラザーズを含めてすべての 選択肢を検討している」と述べた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は 21日、リーマンがKDBと中国の中信証券(Citic証券)に株式を売却す るために進めていた交渉は決裂したと報じていた。

無担保コール翌日物金利

日本の政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標は0.5%。これ に対してユーロ圏は4.25%、ブラジルは13%、南アフリカは12%に設定され ている。

インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数(対主要6通貨)は

0.8%上昇して76.805。前日は過去5カ月近くで最大の1%低下となっていた。 今年の最高水準は今月19日に付けた77.413。

スタンダード・チャータードの上席通貨ストラテジスト、マイク・モラン 氏(ニューヨーク在勤)は、「ドル反発の勢いは弱まりつつあるようにみえ る」と語る。「米国経済が想よりやや良好だとしても、金融セクターは信用市 場の問題に大きく影響を受けやすいというのが現実だ」と説明した。