東京外為:円がじり安、米金融不安も円売り意欲根強い-一時109円台

午前の東京外国為替市場では、円がじり安。 前日には米金融不安の再燃や原油相場の上昇を背景にドル売り・円買いが進ん だが、その動きも一服。海外時間に米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナ ンキ議長の講演を控え、材料待ちの展開となるなか、対ユーロなどで円を売る 動きが根強く見られた。

ドル・円相場は、前日の海外市場で一時、108円14銭(ブルームバーグ・ データ参照、以下同じ)と今月5日以来の水準までドル安・円高が進行。東京 市場では108円台半ばを中心にもみ合う展開が続いていたが、徐々に円売りが 強まり、正午すぎには一時109円9銭まで値を戻した。

一方、ユーロ・ドル相場も海外市場の流れを受け継ぎ、朝方には一時、1 ユーロ=1.4908ドルまでユーロ買い・ドル売りが進行。しかし、その後はユー ロが伸び悩み、1.48ドル後半でもみ合う格好となっている。

マネックスFXのチーフFXアナリストの岡安盛男氏は、為替はユーロ・ ドルを中心に原油価格の動向で右往左往する展開が続いており、米金融機関を めぐるきな臭い話が出てきているなかで、「もう一段原油が上昇するようであれ ば、ドルの下落が加速する可能性がある」と指摘する。ただ、ドル・円につい ては、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)での円売りがドルの下支えとな るため、なかなかドル安・円高方向に抜けきれないという。

ドル上昇が調整局面

21日の海外市場では、ニューヨーク原油先物相場が急伸。ドルの下落に加 え、米国とポーランド間で20日にミサイル防衛網に関する合意が調印されたこ とで、ロシアが原油輸送を中断する可能性があるとの懸念が強まり、原油相場 は5ドル以上上昇。22日の時間外取引では1バレル=121ドル台と約2週間ぶ りの高値水準でもみ合う展開となっている。

また、シティグループが米金融機関のさらなる評価損を予想したことや、 リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが同社への出資について韓国と中国 の金融機関と行っていた交渉が決裂したとの報道が嫌気され、米株式市場では 金融株が下落。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、オンライン版) は22日、住宅公社のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連 邦住宅貸付抵当公社)が9月末までに計2250億ドル(約24兆4100億円)余り の債券を借り換える必要があると報じた。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グループマネージャーは、「ここ にきて原油・金価格ともに上昇してきたということで、リスク回避の動きと米 国が抱えた金融不安・景気悪化懸念といったドル安材料が再度意識されてきた ことで、ドルの上昇がいったん調整局面を迎えた」と指摘する。

FRB議長講演に注目

こうしたなか、この日はバーナンキFRB議長がワイオミング州でカンザ スシティー連銀主催のシンポジウムで金融安定化について講演する予定で、米 住宅金融公社の経営問題など金融不安について踏み込んだ発言が出るかどうか が注目される。

マネックスFXの岡安氏は、「ドルが売られているなかで、それを助長する ような発言は出にくい」としながらも、「このところの原油相場の下落を受けて、 インフレが若干抑えられているという話があれば、利上げは当面なくなるとい うことでドル売りに反応する可能性もある」と指摘する。

一方、米金融不安が改めて意識されるなか、前日にはリスク回避の動きか ら円の買い戻しが活発となり、対ユーロでは一時、5月13日以来の水準となる 1ユーロ=160円20銭まで円高が進行。しかし、その後は急速に円が伸び悩む 格好となり、この日の東京市場午前の取引では162円18銭まで円が値を戻す展 開となっている。

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