米金融機関の向こう3年の貸倒引当金は年2650億ドルの公算-S&P

格付け会社スタンダード・アンド・プアー ズ(S&P)は21日付のリポートで、米金融機関は今後3年間にわたって毎年 2650億ドル(約28兆8000億円)の貸倒引当金を計上する可能性があるとの見 通しを示した。また、金融業界が少なくとも向こう1年間は「安定的な見通し」 に戻らない公算が大きいと分析した。

S&Pのリポートは貸倒引当金について、「現在より良好な状況だった」 2006年の300億ドルから膨れ上がったと説明した。S&Pは6月30日時点で、 米金融機関の格付け上位50社のうち約半数の見通しを「弱含み」とした。これ は過去15年間で最も高い割合。

米リアルティトラックによれば、住宅価格の下落に伴い売却や借り換えが困 難になったことから、7月の差し押さえ手続き件数は前年同月比55%増となり、 債権者である金融機関への所有権移転は約3倍に増えた。銀行と証券会社は、昨 年のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)に端を発した信用市 場の混乱によって打撃を受けている。

S&Pの金融機関担当マネジング・ディレクター、タニア・アザークス氏は リポートで、「損失はまず住宅ローンに絡んだ融資関連を中心に発生し、次に住 宅建設会社への融資関連で起こるだろう」と予想。「現在の状況は米国だけでな く恐らく海外も含めて銀行にとって、最悪期として歴史に刻まれよう」と語った。

また同リポートは、弱含みの格付け数が強含みを上回る状況は最長で今後2 年間続く可能性があると指摘。資産担保証券市場の回復は2010年まで見込めな い恐れがあると分析した。

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