東京外為(予想):ドルの上値重い、原油高・金融不安で下値不安くすぶる

週末の東京外国為替市場では、ドルの上値 が重い展開か。米金融不安の再燃や原油相場の上昇を受け、7月中旬以降続い ていたドル買いの流れが一服。短期的に膨らんでいたドルの買い持ち高を解消 する動きはいったん一巡した可能性もあるが、積極的にドルは買いづらく、海 外時間に米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演を控えて、 目先はドルの下値不安がくすぶる展開となりそうだ。

ドル・円については、国内実需筋などの円売り需要が見込まれるほか、ユ ーロなどドル以外の通貨に対して円の戻り売り意欲が根強く、株安が再燃し、 リスク回避目的の円買い戻しが強まらなければ、ここから大きくドルが下落す る可能性は低いと見られる。

早朝の取引ではドル・円相場が1ドル=108円台半ばで推移。海外時間には 一時、108円14銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と今月5日以来 の水準までドル安・円高が進む場面が見られた。

また、ユーロ・ドル相場は海外時間に1週間ぶりに1ユーロ=1.49ドル台 を回復し、22日東京時間早朝には一時、1.4908ドルまでユーロ買い・ドル売り が進行。その後は1.4900ドル前後でもみ合う格好となっている。

原油高と米金融不安

21日のニューヨーク原油先物相場は急伸。ドルの下落に加え、米国とポー ランド間で20日にミサイル防衛網に関する合意が調印されたことで、ロシアが 原油輸送を中断する可能性があるとの懸念が強まり、原油相場は5ドル以上上 昇し、2カ月ぶりの大幅高となった。

また、金先物相場はほぼ2カ月ぶりの大幅上昇、銅先物相場は過去6カ月 で最大の上げを記録。商品相場の上昇を背景にカナダ・ドルやオーストラリア・ ドルといった資源国通貨も対ドルで反発した。

一方、米株式相場はエネルギー株が買われたことから続伸となったが、金 融株は下落。シティグループのアナリストが米金融機関のさらなる評価損を予 想したことが弱材料となったほか、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス が同社への出資について韓国産業銀行(KDB)と中国の中信証券(Citi c証券)と今月行っていた交渉が決裂したとの英紙フィナンシャル・タイムズ (FT)の報道が信用リスクに対する不安をあおった。

米国の金融不安が改めて意識されるなか、前日にはリスク回避の動きから 円の買い戻しが活発となり、海外時間にはユーロ・円が一時、5月13日以来の 水準となる1ユーロ=160円20銭までユーロ安・円高に振れる場面が見られた。 しかし、その後は急速にユーロが買い戻される展開となり、22日早朝にかけて は161円台半ばでの推移となっている。

FRB議長講演に注目

ローレンス・マイヤー元米連邦準備制度理事会(FRB)理事は21日、ブ ルームバーグテレビジョンのインタビューで、「米国はまさにリセッションに 陥る瀬戸際でぐらついている」と語り、信用市場の状況は「悪化の一途をたど っており」、人々はインフレが加速するとの「不安に揺れている」と続けた。

米フィラデルフィア連銀が21日発表した8月の同地区の製造業景況指数は マイナス12.7(前月マイナス16.3)となり、9カ月連続マイナスを記録した。 同指数のゼロは景気拡大と縮小の境目を示す。

また、米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した7月の米景気先 行指標総合指数(LEI)は前月比0.7%低下し、金融パニックが発生した2007 年8月以来で最大の低下率となった。

一方、16日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は 前週比1万3000件減の43万2000件となり、市場予想を下回った。ただ、4週 間移動平均は前週比7250人増の44万5750件で、2001年12月1日までの週(45 万3750件)以来の最高、実質的に前回の景気後退期(2001年3-11月)の谷 の水準まで上昇した。

米景気の低迷が続くなか、この日はバーナンキFRB議長がワイオミング 州でカンザスシティー連銀主催のシンポジウムで金融安定化について講演する 予定となっている。米住宅金融公社の経営問題などについて踏み込んだ発言が 出るかどうかが注目されており、東京時間は目立った材料もないだけに様子見 姿勢が強まりそうだ。