債券は軟調か、米債下落で売り先行―10年債の1.4%接近にも警戒(2)

債券相場は軟調(利回りは上昇)な展開 が見込まれる。前日の米国債相場が反落した地合いを引き継いで、売りが先行 しそうだ。景気停滞や好需給を背景に新発10年債利回りは節目の1.4%付近ま で低下したが、市場では利下げ観測が強まらない限り、限界的な水準まで達し たとの見方が出ており、戻り売りが膨らむことへの警戒感も強い。

RBS証券の市川達夫シニアストラテジストは、国内市場では材料に欠け るため、株価動向にらみで、海外市場を受けた動きになると予想。一方、「日 銀による利下げ観測が高まらない中、10年債利回りは節目の1.4%割れ目前と なり、相場に高値警戒感が出ている」とも指摘する。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値138円3銭を下回 って始まり、日中は137円60銭から137円90銭程度のレンジが予想される。 前日のロンドン市場で9月物は、東京終値に比べて25銭安い137円78銭で引 けた。

21日の先物相場は上昇。前日の米国債上昇や日経平均株価が朝高後に下げ に転じたことが買い材料視された。朝方発表された7月の貿易黒字額が市場予 想を下回ったことも支援材料となった。先物9月物は前日比25銭高の138円 3銭で終了した。日中売買高は2兆4013億円。

新発10年債利回りは1.4%台前半か

現物債市場で新発10年物の295回債利回りは、前日終値の1.41%をやや 上回って始まり、日中ベースでは1.4%台前半で推移すると見込まれる。

三菱UFJ証券の西村崇クオンツ・アナリストは、長期金利の推移につい て、「昨日の米債安を受けて反発する。ただし、1.4%台半ばでは、根強い景 気減速懸念や米金融不安を背景にした押し目買いが入って伸び悩む」と予想す る。

日本相互証券によると、前日の業者間取引で10年物の295回債利回りは、 前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.435%で取引を開始した。1.42%ま で下げた後、いったんは水準をやや戻したが、再び低下して、午後3時前後に 3bp低い1.41%に低下。結局は1.41%と、新発債としては4月21日以来、4 カ月ぶりの低水準で終えた。

一方、10年物国債の295回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.41% だった。

米国市場は株高・債券安

21日の米国債市場では、2年債相場が6営業日ぶりに下落。朝方発表され た週間の新規失業保険申請件数の減少に加え、政府による米住宅公社ファニー メイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の救済 観測が広がったことが背景。BGキャンター・マーケット・データによると、 ニューヨーク時間午後4時8分現在、2年債利回りは前日比6bp上昇し

2.31%。10年債利回りは2bp上昇し3.83%。

一方、米株式市場では、ダウ工業株30種平均などが続伸。金融機関が評 価損を追加計上するとの懸念で金融株が下げた一方、エネルギー株が買いを集 めた。S&P500種株価指数は前日比3.18ポイント(0.3%)上げて1277.72、 ダウ平均は同12.78ドル(0.1%)高の11430.21ドルで終了。一方、ナスダッ ク総合指数は同8.70ポイント(0.4%)低い2380.38に下落した。

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