米ナショナル・シティーに隠し資産10億ドル-ビザ持ち株計上せず(2)

オハイオ州の地銀最大手ナショナル・シ ティーはバランスシートに計上していない資産として、米クレジットカード大 手ビザの株式10億ドル(約1083億円)相当を保有している。監督当局に提出 した文書で明らかになった。同社は資金不足に陥る可能性を懸念され、株価は 年初来で70%下げている。

同文書によると、ナショナル・シティーは今年3月、ビザが新規株式公開 (IPO)を実施した際に持ち株の一部を売却し、5億3200万ドルの利益を 得たが、現在もクラスB株式1970万株を保有している。

同銀財務担当のトーマス・リコルフスキー氏によると、現在のビザ持ち株 の価値はおよそ10億ドルだが、株式売却に関して制約事項があるため、帳簿 上では資産として計上していない。

リコルフスキー氏はブルームバーグの取材で「経済的価値のある資産を保 有しているのであれば、その価値を実現する手段は常にある。米国の金融機関 はこの価値を実現する仕組みや方法を生み出すことで、ビジネスを成り立たせ ている。当行が即座に手持ち資金の増加や増資を必要とする、あるいはそれを 望む場合、何かしらの手だてはある」と語った。

今年7月、米独立系住宅金融会社のインディマック・バンコープが資金難 に陥り経営破たんしたことを受け、ナショナル・シティーは投資家らに十分な 資金源があることを強調していた。ナショナル・シティーの中核的自己資本 (Tier1)は11.1%と、監督当局が「十分な自己資本比率」と定める基準 のほぼ2倍に上る。

米証券取引委員会(SEC)の元最高会計責任者、リン・ターナー氏は、 制約事項により株式の売却が認められていない期間、ビザ株を資金源とみなさ ないことは「道理にかなっている」と述べる。

ナショナル・シティーはかつて、サブプライム(信用力の低い借り手向 け)住宅ローンを積極的に取り扱っていた。ブルームバーグがまとめたデータ によると、米住宅市場低迷の影響で過去4四半期に23億ドルを失ったと予想 されている。また、アナリストは2009年末まで同銀の赤字決算が続くと予想 している。

21日のニューヨーク株式市場でナショナル・シティーの株価は前日比2セ ント高の4.90ドルだった。

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