債券は上昇、米債高や国内株安を買い材料視―10年利回り1.41%(終了)

債券相場は上昇(利回りは低下)。前日 の米国債相場の上昇や日経平均株価が朝高後に下げに転じたことが買い材料視 されて、新発10年債利回りは1.41%と4カ月ぶり低水準を付けた。朝方発表 された7月の貿易黒字額が市場予想を下回ったことも相場の支援材料となった。

T&Dアセットマネジメントの竹田竜彦ファンドマネジャーは、「海外で の信用不安が根強く米長期金利が低下した。7月の貿易収支も予想を大きく下 回るドラスティックな数字が出たため、相場に影響した」と述べた。「企業業 績が悪化し、景気が後退すれば利下げの思惑が強まる可能性がある」とも指摘 した。

東京先物市場の中心限月9月物は前日比7銭高い137円85銭で寄り付い た。後、138円2銭まで上昇した。その後は、137円95銭を中心にもみ合いが 続いた。午後の取引開始後には137円83銭まで上げ幅を縮小したが、取引終 盤には買いが優勢になり、結局は25銭高の138円3銭と、この日の高値で引 けた。中心限月ベースで終値が138円台に乗せたのは4月21日以来。9月物 の日中売買高は2兆4013億円。

三菱UFJ証券の長谷川治美シニア債券ストラテジストは、米金融システ ム不安がくすぶっていることから米国債利回りが低下したことが大きいと述べ た。これを受けて、「先物主導で買いが入り、中長期債が引っ張られる展開と なった」と説明した。

国内株相場の軟調な展開も債券先物の支えとなった。東海東京証券債券デ ィーリング部の有麻智之シニアリーダーは、「きのうの海外市場の動きに加え て、国内株も弱いということで、先物市場を中心に買い戻しが入った」という。 日経平均株価は小幅続落。反発して寄り付いたが、直後から下げに転じ、前日 比99円48銭安の1万2752円21銭で取引を終えた。

新発10年債利回りは1.41%

現物債市場で新発10年物の295回債は、前日比0.5ベーシスポイント (bp)低い1.435%で取引を開始した。その後は徐々に水準を切り下げ、

1.42%まで下げた。いったんは水準を若干戻したが、午後3時過ぎからは3bp 低い1.41%に低下している。これは、新発債としては4月21日(1.405%)以 来、4カ月ぶりの低い水準。

超長期債相場も堅調。新発20年債利回りは2bp低い2.07%に低下してい る。一時は2.065%と4営業日ぶりの低水準を付けた。新発30年債利回りは2 bp低い2.285%に低下した。中期債も買われており、新発5年債利回りは

0.99%と再び1%の大台を割り込んでいる。

リーマン・ブラザーズの山下周証券チーフJGBストラテジストは、①景 気下振れリスク②原油価格下落③金融不安の残存-などを背景に、「国債を売 り込む理由が見当たらない」と指摘した。「昨年後半からの相場展開は速く、 春からの金利上昇が急だったため、十分に残高を積めた投資家は少ないはず」 ともいう。

7月の貿易黒字額は市場予想下回る

財務省が朝方発表した7月の貿易黒字額は5カ月連続で減少。前年同月比

86.6%減の911億円となり、市場予想(2575億円の黒字)を下回った。輸出額 は同8.1%増の7兆6321億円、輸入額は同18.1%増の7兆5410億円。輸出額 は2カ月ぶりに増加。前回6月は輸出が4年7カ月ぶりに前年比マイナスとな った。

カリヨン証券の加藤進マネジング・ディレクターは、「原油高による輸入 コストの上昇で減少した。景気にとってネガティブで、債券にとっては買い材 料」と説明。8、9月の貿易収支については、「通関ベースではまだ高値原油 が入着する」と指摘し、「原油高と輸出の減速で赤字に転落する可能性は高ま っている」と指摘した。

米国市場は株高・債券高

20日の米国債相場は上昇。政府が業績不振に苦しむ米住宅公社のフレディ マックを国有化するとの観測が広がり、安全な投資先としての国債買いが促進 された。BGキャンター・マーケット・データによると、10年債利回りは前日 比5bp低い3.79%程度。一時は7月15日以来の低水準となる3.77%を付けた。

一方、米株式相場は上昇。エネルギー株や素材株が上げをけん引した。ゴ ールドマン・サックス・グループが原油相場は年末までに29%上昇するとの見 通しを示したほか、米モルガン・スタンレーが鉱山会社フリーポート・マクモ ラン・カッパー・アンド・ゴールドの株に買いを助言したのが好感された。

--共同取材:Theresa Barraclough  Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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