短期市場:FB金利一段低下、強い買いで需給改善-海外勢の動向注視

短期金融市場では、政府短期証券(FB) 利回りが一段と低下している。割安な10月上旬償還銘柄や3カ月物に強い買い が指摘され、前日に入札された新発3カ月物は0.565%をつけたもよう。市場で は海外投資家からの需要を指摘する声が多く、動向が注視されている。

新発FB536回債は前日午後6時以降の業者間市場で買いが指摘され、落札 水準を下回る0.57%から0.565%まで利回りが低下している。また、0.58%台と 比較的割安な10月償還銘柄をまとまって買う動きも指摘され、一部業者の在庫 解消が進んだもよう。9月償還の期内物は0.52-0.525%まで買い進まれている。

国内証券のトレーダーは、前日のまとまった買いで在庫の偏りが解消され、 全体的に相場が強くなっているという。東短リサーチの寺田寿明研究員は、「国 内勢が期末越えの運用を積極化させる感じはまだなく、恐らく海外勢の動きでは ないか」とみる。

円転コスト低下の影響

FBは海外の銀行やヘッジファンド、中央銀行などからも買いが入る。最近 は期間が1年以内の為替スワップに加えて、1年以上の通貨スワップを使って円 からドルなどの外貨を調達する動きがあり、反対にドルから円を調達した場合の 円転コストは低下するため、円資産を持つことで利ざやが抜ける。

国内大手銀行の資金担当者によると、一部の外資系金融機関で手元にドルが だぶついている影響があるのではないかという。背景には、長期的な円投ドル転 による資金繰りの安定化や資産売却の動きを指摘した。米国の中央銀行が潤沢な ドル資金を供給していることも要因として挙げられている。

円転コスト低下が長期化することで、円の金利市場への影響も続く可能性が ある。市場では、「次のFB入札まで在庫に不足感が強まっている」(東短リサ ーチ・寺田氏)との指摘もあり、FB3カ月物利回りは想定レンジを下回り始め ている。

国内証券のトレーダーは、日銀オペの落札金利から見てもFBは行き過ぎ感 があるという。日銀が午後に実施した全店共通担保オペ8000億円(期日11月 12日)の最低落札金利は、前回の本店オペ(期日11月13日)と横ばいの

0.56%、平均金利も横ばいの0.563%で、FB利回りとの差がほとんどなくな っている。

翌日物0.50-0.505%

無担保コール翌日物は日本銀行の誘導目標0.50%付近で横ばい。準備預金 の新しい積み上げが始まったばかりで調達需要は底堅いが、資金需給に余裕があ るうえ、レポ(現金担保付債券貸借)も安定しているため。

翌日物は前日の加重平均0.503%に対して、国内銀行の調達が0.50%、外国 銀行の調達は0.505%から0.50%を中心に推移している。22日や25日に受け渡 しされるレポは0.52-0.53%程度と落ち着いた水準だ。

午前の国債買い現先オペ6000億円(8月25日-9月8日)の最低落札金 利は、前回と同じ0.53%。レポが低位安定するなか、4回連続の横ばいとなっ た。

定例金融調節が見送られ、この日の準備預金(除くゆうちょ銀)は1000億 円増の5兆6000億円程度と、残り必要積立額(1日平均4兆7900億円)と積み 終了先から推計した中立水準(4兆9000億円)を7000億円程度上回る計算だ。

金利先物は小幅高

ユーロ円金利先物相場は小幅高(金利は低下)。前日の米債高や日経平均株 価の下落で買いが先行した。今週前半の利下げを期待したような買いは後退した が、7月の貿易黒字額が予想を大きく下回るなど交易条件の悪化や国内需要の減 少で景気懸念がくすぶり、相場は底堅い。

中心限月2009年3月物は前日比横ばいの99.265で取引開始。午前は99.265 -99.275のレンジで推移し、午後に一時0.015ポイント高の99.280まで買われ た。18日や19日の取引では99.320(0.680%)と、4月15日以来の高値をつけ た後、相場が下落していた。

日銀は今週、現状の景気判断を「停滞している」に下方修正したものの、先 行きについては「次第に緩やかな成長経路に復していく」との見通しを維持した。 日銀総裁会見では、景気下振れと物価上振れ双方のリスクに注意が必要との判断 が示された。