キョーリン株が急騰、期待の糖尿病新薬の臨床試験良好-収益貢献期待

中堅医薬品メーカーのキョーリンの株価が 急騰。「DPP4阻害薬」と呼ばれる新しいタイプの糖尿病薬「KRP-104」 の海外臨床試験データを一部公表し、会社側の治療目標を達成したことが20日 明らかになった。同新薬を海外大手製薬メーカーに導出することが可能とみた 向きが、将来的な収益貢献を期待して買いを入れた。

午前終値は前日比71円(5.6%)高の1338円。一時は7.0%高の1355円ま で買われ、約5カ月ぶりの高水準に戻した。

キョーリンが今回発表したデータは、米国やインドで実施した220例の臨 床試験第2相(フェーズ2a)の中間解析結果。既にメトフォルミン製剤の処 方を受けている2型糖尿病患者に対して、①「KRP-104」60ミリグラムを1 日2回(第1群)、②「KRP-104」120ミリグラム1日1回(第2群)、③薬 理効果のない偽薬(プラセボ群)をそれぞれ与えた結果、第1群と第2群の約 40%は米国糖尿病学会が推奨する治療目標(注1)を達成できた。また第1群 と第2群の効果の差がみられなかったという。一方、安全性についてはプラセ ボ群と同等だった。

キョーリンでは「今回のリリースを契機に他の製薬メーカーとの導出交渉 を本格化させる」(経営企画部の宮木修次・次長)方針だ。

アナリストの評価は分かれる

KBC証券のフィリップ・ホール・シニアアナリストは同結果を受けて、 海外大手製薬メーカーへの導出が可能と判断、将来的に50億円程度のロイヤル ティー収入が得られるとして、キョーリン株への投資判断を「HOLD(中立)」 から「BUY(買い)」に引き上げた。

一方、三菱UFJ証券の阪倉宏志シニアアナリストは「武田薬品工業がF DA(米国食品医薬品局)に申請中のDPP4阻害薬『SYR-322』の効果を 大きく上回るようなポテンシャルを感じることはできない」と指摘、違うタイ プの新しい糖尿病薬が複数開発されている状況を鑑みると、同剤の導出は難し いとした。投資判断は「4(売り)」を継続。

注1:糖尿病と密接な関係を有すると言われる「ヘモグロビン・エィワンシー (HbA1c)」の検査値を7%以下に押さえること。キョーリンの臨床試験 に参加した患者のHbA1cの平均値は実施前に7.9%だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE