8月20日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:上昇。エネルギー株や素材株が上げをけん引した。ゴールドマン・サ ックス・グループが原油相場は年末までに29%上昇するとの見通しを示したほか、 米モルガン・スタンレーが鉱山会社フリーポート・マクモラン・カッパー・アン ド・ゴールドの株に買いを助言したのが好感された。

独立系米石油大手デボン・エナジーや掘削機器大手ナショナル・オイルウェ ル・バーコが上昇。この日のニューヨーク原油先物相場が5週間ぶりに続伸した のが手掛かりだった。フリーポートは今月6日以来で最大の値上がり。減少して いる銅供給がフリーポートにとって有利に働くとの観測が背景。コンピューター 大手のヒューレット・パッカード(HP)は5.7%高。ダウ工業株30種平均の なかでは最大の値上がりだった。同社の四半期利益は予想を上回った。

S&P500種株価指数終値は前日比7.85ポイント(0.6%)上げて1274.54。 ダウ工業株30種平均は同68.88ドル(0.6%)高の11417.43ドルで終了。ナ スダック総合株価指数は同4.72ポイント(0.2%)上げて2389.08で終えた。

米セキュリティー・グローバル・インベスターズの資産運用マネジャー、マ ーク・ブロンゾ氏は、「恐らく経済はほとんど成長のないまま、横ばいで推移す るだろう。そうなれば市場参加者は徐々に安全投資先としてエネルギー株や基本 素材株に戻ってくる。当社はエネルギー株よりも基本素材株により大幅な伸びを 見込んでいるが、基本的に方向性は同じだ」と述べた。

S&P500種は今年に入って13%安。7月15日の安値からは4.9%値を戻 した。原油相場が最高値から下落し、インフレ懸念を緩和した。

エネルギーが堅調

デボンは6.5%高、ナショナル・オイルウェルは前日比4.74ドル高の74.65 ドルで取引を終えた。米石油2位のシェブロンも上昇した。

ゴールドマンは、原油相場がバレル当たり149ドルに達するとの見通しを維 持した。原油相場は7月11日にバレル当たり147.27ドルの最高値を記録して 以来、30ドル下落している。ゴールドマンによると、原油価格の決定にはドルに 連動した投資家の売買よりも、需給のファンダメンタルズがなお重要になる。ニ ューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物9月限は前日比 45セント(0.4%)高の1バレル=114.98ドルで終えた。

フリーポートは上昇。モルガン・スタンレーが、同社株が7月初めから前日 までに28%下落したのを背景に買いを推奨した。モルガン・スタンレーによると、 銅市場には「大幅な」余剰分はない。

HPも高い。同社2008年5-7月(第3四半期)利益が予想を上回ったほ か、業績見通しを受けて市場参加者が、同社は世界的な景気減速による影響を防 ぐことができると受け止めた。同業のデルやアップルも上昇した。

ファニーメイ下落

一方、米住宅金融のファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)とフレディマック (連邦住宅貸付抵当公社)は下落。両社の資料、さらにブルームバーグがまとめ たデータによると、両社は今四半期末までに2230億ドルの債券が償還期限を迎 える。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスやバンク・オブ・アメリカ(BO A)、ワコビアといった大手米金融機関はいずれも上昇した。

一般消費財・サービス株は0.6%安。S&P500種の業種別10指数のなか で値下がり率最大だった。ゴールドマンが百貨店銘柄の株価上昇は終了するとの 見方を示したのが嫌気された。

百貨店メーシーズやコールズが安い。ゴールドマンは個人消費の減速が百貨 店の売り上げに打撃を与えるとし、両社の株式投資判断を「買い」から「ニュー トラル(中立)」に引き下げた。

○米国債:相場は上昇。政府が業績不振に苦しむ米住宅公社のフレディマ ック(連邦住宅貸付抵当公社)を国有化するとの観測が広がり、安全な 投資先としての国債買いが促進された。

2年債利回りは約15週間ぶりの低水準を付けた。米紙ウォールスト リート・ジャーナルが、フレディマックの幹部が米財務省の当局者らと 同日に会合を予定していると報じたのが手がかり。

モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、ケビン・フラナガン 氏は「懸念や憶測など呼び方はなんであれ不安が払しょくされず、債券 相場を押し上げている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間 午後2時46分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下し3.79%。一時は7月15日以来の低水準となる

3.77%を付けた。10年債価格(表面利率4%、償還期限2018年8月) は13/32上昇し101 23/32。

2年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下し2.24%。一時は5月12日以来の低水準2.22%を付けた。

米財務省のジェニファー・ザッカレーリ報道官はフレディマックに関する報 道についてブルームバーグに対し、同省は特定の会合については確認しない方針 だと述べた。ファニーメイのダニエル・マッド最高経営責任者(CEO)は米財 務省に資金援助を要請した事実はないと述べた。

「住宅ローン問題」

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオンの最高投 資責任者(CIO)、クリストファー・サリバン氏は同会合の報道について、 「住宅ローン問題の深刻さと、これに関連する金融機関の利益および資本の問題 は恐らく予想以上に長引くことになろう」と語った。

フレディマックの社債10年物のスプレッド(同年限の米国債に対する上乗 せ金利)は76bpに縮小した。縮小幅としては、ポールソン財務長官が7月11 日にフレディマックとファニーメイについて「現在の体制で」支援すると述べた とき以来で最大。

トレーダーの間では米政策金利が12月末まで2%で据え置かれるとの見方 が強まった。シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利 先物相場の動向によると、米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を据え 置く確率は79%とみられており、先週時点の65%から上昇した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、FOMCは来年第1 四半期に政策金利を2.25%に引き上げると予想されている。

利回り曲線

2年債に対する10年債利回りの上乗せ幅は1.56ポイントに拡大した。よ り安全な投資先として短期債が選好されるなか、利回り曲線は5月12日以来で 最もスティープ化している。

○NY外為:ユーロが対ドルで下げ、6カ月ぶり安値に接近。ドイツ経済の見通 し悪化と原油価格の下げがユーロ売りにつながった。

ポンドはドルに対し2年ぶり安値付近で取引されている。イングランド銀行 がこの日公表した8月の議事録で、経済成長見通しが悪化した一方でインフリス クは「若干後退した」可能性があるとの認識を示したことが影響している。ドル は7月に記録した対ユーロ最安値から8%戻した水準にある。

スコシア・キャピタル(トロント)の外国為替トレーディングディレクター、 スティーブ・バトラー氏は、「ドルは大きく上昇してきただけに、大幅調整が予 想されていたが、まだ実現していない」と指摘。「欧州の経済成長に対する悲観 が強まっている。ドルは押し目で買われている」と付け加えた。

ニューヨーク時間午後4時20分現在、ユーロはドルに対し1ユーロ=1.4746 ドル。前日の同1.4776ドルから0.2%下げた。過去最高値は7月15日に記録し た同1.6038ドル。ユーロは対円では前日比0.1%下げて1ユーロ=161円89銭(前 日は同162円13銭)。ドルは対円で1ドル=109円81銭。前日は同109円72銭 だった。

ポンドは1ポンド=1.8615ドルと、前日比0.3%安。8月15日には同1.8512 ドルに下げ、2006年7月以来の安値を付けていた。

議事録によると、イングランド銀行が今月7日に開いた金融政策委員会では、 全メンバー9人のうちキング総裁を含む7人が政策金利5%の据え置きを支持し た。1人が利上げを求めたのに対し、別の1人は利下げを主張した。

原油相場が上昇

ニューヨーク原油先物の上昇に伴い、ユーロは対ドルで下げ渋った。原油先 物9月限は前日比45セント(0.4%)高の1バレル=114.98ドル。ブルームバー グによると、ユーロ・ドルの値動きと原油相場の値動きの相関係数は、過去1年 間で0.9。同係数1は同方向に動くことを示す。

今週のドルの取引レンジは対ユーロ1.46-1.48ドル。先週までは2006年2 月以降で最長の5週連続高(週間ベース)で推移してきた。

カスタム・ハウス(加ブリティッシュコロンビア州ビクトリア)の上席通貨 トレーダー、タイソン・ライト氏は、「今のドルは値固めの局面だ」と指摘。「セ ンチメントは依然としてドル高だ」と付け加えた。

朝方のドルは対円で堅調に推移していたが、米紙ウォールストリート・ジャ ーナルでフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)幹部が米財務省当局者とこの 日に会合を予定していると報じられると、値を消す場面もあった。

「不安をかき立てる材料」

バンク・オブ・モントリオール(トロント)のシニアエコノミスト、マイケ ル・グレゴリー氏は、「金融セクターに関してさらに不安をかき立てる材料が出 てくれば、流れは一転してドル安方向に向かう」と述べた。

フレディと米財務省の会合に近い匿名の関係者は、きょうの会合は定期的に 行われている一連の会合の一環だと述べた。財務省のジェニファー・ザッカレー リ報道官は、特定の会合について肯定することはしないと述べた。

シカゴ商品取引所(CBOT)の金利先物動向によると、現行2%のフェデ ラルファンド(FF)金利誘導目標が12月16日の米連邦公開市場委員会(FO MC)会合までに少なくとも0.25ポイント引き上げられる確率は21%。1週間 前は35%だった。FOMCの次回会合は9月16日に予定されている。

ユーロはブラジル・レアルに対し前日比0.6%下げて1ユーロ=2.3858レア ル。メキシコ・ペソに対しては同0.1%安の1ユーロ=14.9539ペソ。ドイツの経 済技術省はこの日発表した月報で、同国の景気拡大は引き続き緩やかなペースに とどまるとの見解を示した。またドイツの全国銀行協会(BDB)は、今年の経 済成長率を2.25-2.5%としていた予想を撤回し、9月18日に新たな予想を発表 することを明らかにした。

○英国債:相場は上昇。10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)下げ4.56%。

同国債(2018年3月償還、表面利率5%)価格は0.23ポイント上昇し

103.37。2年債利回りは1bp低下し4.55%となった。

独10年債に対する英10年債の上乗せ利回りは43bpと、今年最大だった 2月25日の69bpから縮小した。英国では10年にわたる住宅ブームが終了し、 景気減速に伴う利下げ観測が広がっている。英国債のパフォーマンスは過去3カ 月にわたり独国債を上回っている。

○欧州債:独10年債相場が朝安から転じて上昇。同利回りは3カ月ぶりの低水 準まで低下した。ユーロ圏景気が悪化しているとの懸念が高まったことが背景に ある。

ドイツ経済技術省は、同国経済の見通しが「暗くなった」と指摘し、景気 拡大は緩やかなものにとどまるとの予想を示した。またドイツの全国銀行協会 (BDB)は、今年の経済成長率を2.25-2.5%としていた予想を撤回し、9 月18日に新たな予想を発表することを明らかにした。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア債券ストラテジスト、リチャー ド・マクガイアー氏(ロンドン在勤)は、「欧州経済は米国を追いかけるよう に減速している」と指摘し、「見通しは幾分暗く、国債市場にはこうした見方 から買いが入っている」と語った。

ロンドン時間午後4時21分までに、10年債利回りは前日比3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し4.13%となった。一時は4.20%ま で上げる場面もあった。同国債(2018年7月償還、表面利率4.25%)価格は

0.27ポイント上げ100.93。一方、2年債利回りは3bp上げ4%となった。

ニューヨーク・ニューズルーム

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