国内排出量取引:高知県とルミネ、今秋にも環境省の新システムで初取引

環境省が主導するVER(自主的な認証削 減・吸収量)という新しいシステムを使い、高知県とルミネとの間で今秋にも 二酸化炭素(CO2)排出量が取引されることが20日明らかになった。VER 案件としては第一号となり、10月から試行実施予定の温室効果ガス排出量取引 の国内統合市場のひとつに位置づけられる。環境省関係者らが明らかにした。

VERは温暖化ガス削減活動のほか、森林バイオマス(パルプ、間伐材) など再生可能エネルギーをクレジットとして取引する。環境省が設立したカー ボン・オフセットフォーラム(J-COF)がクレジットを認証し、民間企業 と地方自治体が相対で取引する。

具体的には、高知県が県内の石炭火力発電所(出力6万1000キロワット) の一部燃料を木質バイオ燃料で代替し、削減したCO2排出量のクレジットを首 都圏で駅ビル型ショッピングセンターを展開するルミネに販売する。年1200ト ン以上のCO2削減を目的としている。

ルミネ広報担当の増田雅子氏は、「購入予定の排出権は、従業員231人分の 通勤時に排出されるCO2(年間)削減に充当したい。従来から環境問題に取り 組んでおり、今回はその一環」と説明した。

雇用創出効果も

高知県とルミネの案件が成功すれば、他の自治体や民間企業にもVERを 利用した取引が広がる可能性がある。高知県では伐採された後、放置されてい た間伐材を発電燃料としている。この過程で新たな雇用が創出され、CO2削減 にもつながることで「一石二鳥」の効果があるためだ。

VER市場が今後も拡大するかどうかについては不透明感も強い。国内統 合市場については、経済産業省が主導して日本卸電力取引所(JEPX)が10 月から国連の「クリーン開発メカニズム(CDM)」で認められた排出削減量(C ER)の取引を開始する。どういった形で市場を統合していくかは、経産省と環 境省との間で現在協議中だ。

三菱総研地球温暖化対策研究グループ・リーダー、西村邦幸氏は、「京都議 定書に基づいてCO2削減を目指す企業は、率先してVERを取得するとは考え にくいが、自主的に取得を考える企業はあるかもしれない。CERとの互換性 が備わってくれば、インセンティブにつながるだろう」と指摘している。

Editor:Takeshi Awaji, Hitoshi Sugimoto

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