日本株(終了)輸出や銀行中心に小幅続落、米金融や景気警戒感強い

東京株式相場は小幅続落。住宅統計など を材料に米国の景況感が悪化した影響から、トヨタ自動車やソニー、キヤノン など輸出関連株中心に売られた。金融の追加損失懸念で、三菱UFJフィナン シャル・グループなど銀行株も軟調。商船三井や日本郵船が下げるなど、原油 高や運賃市況の下落が嫌気され、海運は東証1部の業種別下落率で1位だった。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、「米国 経済の最悪期を見極めているところだが、底入れ時期が見えてこない。米金融 システムが悪化すれば、さらに底入れ時期は先送りになる」と話している。

日経平均株価終値は前日比13円36銭(0.1%)安の1万2851円69銭、 TOPIXは2.17ポイント(0.2%)安の1233.37。東証1部の売買高は概算 で16億3318万株、売買代金は同1兆7243億円。値上がり銘柄数は975、値下 がり銘柄数は612。東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり20、値下がり 13。卸売、その他製品、食料品、不動産、小売が高い。電気機器、輸送用機器、 銀行、電気・ガス、医薬品、海運は安い。

輸出関連が下げを主導

世界景気への不透明感から、上値の重い展開となった。中国株の急騰から 午後には株価指数がプラス圏に浮上する場面もあったが、売買エネルギーも低 調で、その後はじり安。リテラ・クレア証券の井原翼理事・情報部長によると、 「米国での金融不安や景況感の悪化に加え、国内景況感も良くないだけに相場 への警戒感が強い」という。市場では、引き続き7月16日安値の1万2671円 を意識する動きとなっている。

きのうの米国では悪材料が重なった。保険最大手アメリカン・インターナ ショナル・グループなどの追加損失懸念が台頭。7月の生産者物価指数(PP I)全完成品は前月比1.2%上昇した一方、7月の住宅着工件数(季節調整済 み、年率換算)は前月比11%減で1991年3月以来の低水準となった。

東証1部の業種別下落率では、輸送用機器や電機が上位を占め、輸出関連 株は相対的に軟調。三菱UFJ投信運用戦略部の石金淳シニアストラテジスト は、「米住宅着工の減少は、米経済全体がまだ下向きだと暗示している。日本 の対米向け輸出は簡単に回復しない」と指摘していた。

下値限定、米空売り規制や中国政策にらみ

もっとも、19日の日経平均が2.3%安と下げが拡大、きのうの米ダウ工業 株30種平均が1.1%安だった状況とに比べれば、下値も限られた。「日本株の PER(株価収益率)は15倍台まで低下し、バリュエーションは高くない。 新たな材料が出ない限り、ここから下値を売るのも現実的ではない」(しんき んアセットの藤原氏)との声が聞かれている。

こうした中、米証券取引委員会(SEC)のコックス委員長は、SECが 投機的な空売りを規制するための新たな規則を「今後数週間」以内に提案する ことを表明。需給好転で米国株上昇することへの期待も、日本株の下支え要因 になったという。

さらに、新興国も含めた世界経済の減速に怯えているだけに、きょうは中 国株の急騰も下げ渋りにつながった。大和総研投資戦略部の肖敏捷シニアエコ ノミストは、「人民日報が18日付と19日付で共産党大会後に経済対策が発表 される見通しを示し、同時に経済成長を維持する強いメッセージを発信した」 と指摘。中国政府は北京オリンピックへの対応で政策は後回しだったとしなが ら、「オリンピックの閉会が24日に迫ったことで、同紙が伝えた経済対策へ の期待が強まった」(同氏)という。四川地震の復興プランと合わせ、「経済 対策が実行されれば今年の10-12月期から再び中国経済が加速する可能性が 強い」と、肖氏は話した。

東製鉄が続落、ミヤチテクは急伸

個別銘柄では、きのうの取引時間中に製品値下げを発表したことを受け、 UBS証券が「短期買い」レーティングを取り下げた東京製鉄が続落。KBC 証券が格下げした武田薬品工業、医薬品事業における原材料費の高騰が響いて 業績予想を下方修正した片倉工業も下げた。

半面、午後発表の今期業績見通しがアナリスト予想を上回ったミヤチテク ノスは値幅制限いっぱいのストップ高。受注期待から三井海洋開発が大幅反発 し、日興シティグループ証券が新規に買い推奨した高島屋と三越伊勢丹ホール ディングスも堅調。7月の百貨店の化粧品売上が好調だったとしてゴールドマ ン・サックス証券が買い推奨を継続させたコーセーは急反発。商品市況高を背 景として、三菱商事や住友金属鉱山、大平洋金属なども反発した。

新興3市場は高い

国内の新興3市場は高い。ジャスダック指数の終値は前日比0.72ポイン ト(1.3%)高の57.51と続伸し、東証マザーズ指数は7.41ポイント (1.7%)高の451.65と3連騰。大証ヘラクレス指数は3.69ポイント (0.5%)高の722.45と反発した。新興市場では楽天やサイバーエージェント、 ミクシィなどネット関連株がそろって堅調な動きとなっており、「ネット関連 は、消費者が景気悪化で外出を控える『巣もぐり景気』の恩恵を受けやすい」 (コスモ証券エクイティ部の清水三津雄副部長)とされている。

個別では、大日本印刷が株式公開買い付け(TOB)で子会社化するイン テリジェント ウェイブ、9月末の株主を対象に1対3の株式分割を行うデジ タルハーツ、業績予想を引き上げたセントケア・ホールディングスがともにス トップ高。大和総研が格上げしたテレウェイブは大幅高となった。半面、今期 も最終赤字見通しの総医研ホールディングス、業績予想を据え置いたことで、 増額期待が後退した木徳神糧は下げた。

--共同取材:近藤 雅岐 Editor:Shintaro Inkyo

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