東京外為:ドル・円が109円台後半、原油高など悪材料受けドル高一服

午前の東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=109円台後半で推移。海外市場では原油相場の上昇や金融機関の損 失拡大不安、スタグフレーション(景気減速下の物価上昇)の様相を呈する経 済指標など、米国の悪材料が意識されるなか、ドルの上値は重いものの、ユー ロ・円などドル以外の通貨の対円相場で円が軟調に推移しており、ドル安・円 高も進みにくい状態が続いた。

ドル・円は前日の海外市場で一時、109円56銭(ブルームバーグ・データ 参照、以下同じ)と14日以来の水準までドル売りが進んだが、その後はもみ合 いとなり、20日の東京時間午前の取引では仲値に絡んだ円売り需要の思惑も手 伝って、109円62銭から109円92銭までドルが底堅く推移した。

一方、海外市場の流れを受け継ぎ、ユーロ・ドル相場は一時、1ユーロ=

1.4806ドルと3営業日ぶりの水準までユーロ買い・ドル売りが進行。しかし、 その後は戻り売りも入り、1.47ドル半ば付近までユーロが伸び悩む格好となっ た。

野村証券金融市場部の高松弘一エグゼクティブマネージャーは、「ドル高 へのバイアスが先週末から大きくかかっており、期待感からの短期のドルロン グ(買い持ち)は相当たまっていると思われる」と指摘する。ただ、これまで ドルに代わって買われていた通貨の中長期的なポジション解消は引き続きトレ ンドの中にあるとし、「短期的なドル売りはあっても、リスクはユーロやポン ドのダウンサイドにある」とみている。

米国の悪材料

19日のニューヨーク原油先物相場は反発。ドルの下落でインフレヘッジ目 的としての商品の買いが促進されたほか、20日に発表される週間在庫統計で米 ガソリン在庫が4週連続での減少を示すとの見通しも強材料となった。

また、金融機関の損失拡大懸念や景気の先行き不安から米株式相場は続落 し、米2年債利回りは2.30%と7月15日以来の水準に低下。7月の米住宅着工 件数が1991年3月以来の低水準に落ち込んだ一方、7月の生産者物価指数(P PI)は食品とエネルギーを除くコア指数ともに市場予想を上回る伸びとなり、 「スタグフレーション懸念から米株も落ちて、ドルも売られるという相場にな った」(メリルリンチ日本証券外国為替部・今泉光雄ディレクター)。

ユーロ・ドルは1ユーロ=1.4631ドルと2月20日以来、約6カ月ぶりのユ ーロ安水準から反発。JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の棚瀬順哉F Xストラテジストは、「金利等の状況からみて足元のドル上昇には行き過ぎ感 があったが、前日は8月に入って初めて株安・原油高を受けたドル売りという 流れになり、短期的に積み上がったドル買い持ち高の巻き戻しが始まった可能 性がある」と指摘する。

ドル・円、110円重いもクロス円が支え

一方、ドル・円は1ドル=110円台の重さを確認した格好となったものの、 対ユーロなどクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)の円売りに下値を支えら れ、109円台半ばから後半で上下ともに動きづらい状態となっている。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替本部長の斉藤裕司氏は、「きのうの続 きでもう少しドルの調整があるかなと思ったが、仲値にかけては輸入企業のド ル買いがあり、日本株も思ったよりも下げ渋っているので、ドル・円は下を攻 め切れなかった」と説明。109円台半ばから110円台前半にかけてはオプション も並んでいるもようで、目先は動きづらい状態が続くとみている。

ユーロ・円は前日の海外時間に一時、1ユーロ=160円87銭と5月13日以 来の水準までユーロ安・円高に振れたが、その後はユーロの買い戻しが優勢と なり、この日の東京市場午前の取引では162円台前半でユーロが底堅く推移し た。

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