住友商事総研・奥田氏:景気回復は外部要因次第で、最悪は来年後半も

住友商事総合研究所の奥田壮一チーフエコ ノミストは20日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、日本銀行 が18、19の両日開催した金融政策決定会合の分析、景気が回復に向かう時期、 今後の金融政策などについて語った。主な発言内容は以下の通り。

金融政策決定会合の結果について:

「調整か停滞という言葉の表現の違いはあったと思うが、停滞という言葉 を使って事実上、景気後退を追認したということだと思う」

景気後退の期間に関する日銀の見方について:

「設備、雇用の調整圧力が小さい分だけ底は浅いという見方はとっている と思うが、その時間軸がどれだけ続くかに関してはまだ今の段階ではなかなか 読み切れないというのが正直なところだと思う。特に国際商品市況の高騰が一 服するとか、海外経済の減速に歯止めが掛かるといった形で外部要因に依存し て景気回復のシナリオを描いているように受け止められるので、外部要因次第 という点では回復のタイミングはつかみづらいということで、来年の後半まで 最悪みなければいけないかもしれない」

消費者物価の上昇について:

「企業間で物価、あるいは原材料価格の高騰を川下にどんどん転嫁すると いう動きが続いているので、当然、最終消費者にそれがさらに転嫁されるとい う状況はまだ残り続けるだろう。今確かに国際商品市況は軟調に転換している が、そのプラスの効果が出てくるのは来年以降にずれ込むのではないか。足元 は円安の動きも物価にとってはマイナスの材料に働いているので、それも含め てすぐに上昇に歯止めが掛かるという見方はできない」

今後の金融政策について:

「成長減速の下振れリスクと物価上昇の上振れリスクを両方にらみながら という展開になるにしても、しばらくは外部要因にプラスの材料が出てくるま では、どうしても景気の下振れリスクに配慮せざるを得ない状況が続くだろう。 どちらかというと金利を据え置きながら、足元の需要動向をにらんで、中小企 業の資金繰りに逼迫(ひっぱく)感が出てきているので、そういったミクロ面 への配慮といったことが優先されていくのではないか」

中小企業の資金繰り悪化について

「交易条件の悪化ということが特に中小企業の経営を直撃している部分が あるし、昨年の改正建築基準法の後遺症で引き続き建設・不動産業が引き続き 苦しい状況に追い込まれている。内需型の企業は、銀行の貸し出し態度が厳し い中で資金繰りの逼迫感というものが今後続いていくということが、多分金融 政策にとっても重要な下支えを果たさなければいけない要因となり、それが政 策運営の中心にもなってくる可能性はある」

政府・与党の緊急経済対策について:

「経済対策の規模自体は大きく膨らむということは難しくて、お金をかけ ずに景気刺激の効果を模索するという知恵を絞った対策にならざるを得ない。 いわゆるポリシーミックスとして財政拡張、金融緩和というスタンスに当然軸 足は移っていくと思うが、財政拡張の余地は限られているだろうし、その分だ け金融政策にしわ寄せが及ぶ可能性はあると思う」

景況感の行方について:

「外部要因頼みということで今後の景気をみなければいけないので、そう いう意味では商品市況の一服という足元の状況は多少プラスに今後作用して いくと思うが、まだ米国市場、金融市場の混乱は続いているので、一気に輸出 が持ち直して景気が回復するというシナリオは描けない状況が続いていくと 思う。どちらかというとだらだらと悪化する状況が続くかもしれない」