日本株:金融や輸出中心に安い、米景気懸念が重し-海運は下落率首位

午前半ばの東京株式相場は下落。米国で 金融不安が根強いことから、三菱UFJフィナンシャル・グループなど金融株 に売りが継続し、米景気に対する不透明感からトヨタ自動車やキヤノン、富士 通など輸出関連株も総じて安い。原油高や運賃市況下落から商船三井など海運 株の下げもきつく、海運は東証1部の業種別下落率で首位となっている。

コスモ証券エクイティ部の清水三津雄副部長によれば、「米国の金融不安 と実体経済悪化が響いており、日経平均は7月16日安値の1万2671円を意識 した動きになっている」という。一方で、東証1部の配当利回り1.92%と長期 金利1.44%との兼ね合いなどバリュエーション面での株価の割安感や、米国の 空売り規制の提案が心理的に下値抵抗材料になっているとも見ていた。

午前10時17分時点の日経平均株価は前日比81円54銭(0.6%)安の1 万2783円51銭、TOPIXは9.70ポイント(0.8%)安の1225.84。東証1 部の売買高は概算で5億6776万株。値上がり銘柄数は478、値下がり銘柄数は 1066。東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり10、値下がり23。卸売、そ の他製品、不動産、鉱業、非鉄金属が高い。電気機器、銀行、輸送用機器、電 気・ガス、機械、海運、医薬品は安い。

米金融不安と景気懸念が重し

東京市場は外部環境の悪化から売り先行となり、きのうに続いて下値を試 す動きとなっている。19日の米国株市場では、保険最大手アメリカン・インタ ーナショナル・グループや住宅ローン債券引き受け最大手のリーマン・ブラザ ーズ・ホールディングスに対する追加損失懸念が台頭。さらにゴールドマン証 では米通常取引終了後、リーマンやシティグループなどの業績予想を引き下げ、 リーマンは時間外取引で一段安となった。

また、米労働省が19日に発表した7月の生産者物価指数(PPI)全完 成品は前月比1.2%上昇と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値 (0.6%上昇)を上回った。7月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算) は前月比11%減の96万5000戸と、1991年3月以来の低水準。リテラ・クレ ア証券の井原翼理事・情報部長は、「米国での金融不安や景況感の悪化に加え、 国内景況感も良くないだけに相場への警戒感が強い」と指摘する。

一方、米証券取引委員会(SEC)のコックス委員長は19日、SECが 投機的な空売りを規制するための新たな規則を「今後数週間」以内に提案する ことを明らかにしている。

電機株が下げ主導

TOPIXの下落寄与度トップとなっている電気機器に関しては、日興シ ティグループ証券が19日付で民生エレクトロニクスセクターの投資判断「弱 気」を強調した。第1四半期を経て業績悪化は一部株価に織り込まれたものの、 第2四半期以降に一段の下振れリスクが残るためとしている。ソニー、松下電 器産業、シャープなどが安い。

東製鉄が続落、三菱商や高島屋高い

個別銘柄では、きのうの取引時間中に製品値下げを発表したことを受け、 UBS証券が「短期買い」レーティングを取り下げた東京製鉄が続落。医薬品 事業における原材料費の高騰が響いて業績予想を下方修正した片倉工業、受注 の底がまだ見えないと野村証券金融経済研究所が指摘したアマダも軟調。

半面、19日のニューヨーク原油先物相場が前日比1.5%高と反発するなど 商品市況高を背景として、三菱商事などの大手商社株、国際石油開発帝石ホー ルディングスなどの鉱業株、住友金属鉱山などの非鉄金属株はそろって上げた。 日興シティグループ証券が株価に割安感があるとして、買い推奨した高島屋と 三越伊勢丹ホールディングスも堅調。