東京外為(予想):ドルが上値の重い展開か、原油高など米悪材料が重し

きょうの東京外国為替市場では、ドルが上 値の重い展開が予想される。前日には原油相場の上昇や金融機関の損失拡大不 安、スタグフレーション(景気減速下の物価上昇)の様相を呈する経済指標な ど、米国で悪材料が目立つ格好となり、積極的にドルは買いづらい。一方、欧 州の経済指標は予想を上回り、これまで対ユーロを中心に進んできたドル買い 戻しの流れは一服しそうだ。

早朝の取引ではユーロ・ドル相場が1ユーロ=1.47ドル後半で推移。前日 の東京市場午後に付けた2月20日以来のユーロ安値、1.4631ドル(ブルームバ ーグ・データ参照、以下同じ)から150ポイント以上値を戻しており、目先は

1.4800ドルちょうどをめぐる攻防が注目となる。

一方、ドル・円相場は1ドル=110円台を維持できず、109円台後半に水準 を切り下げているが、積極的に円を買う材料にも乏しいため、ドルの下値は限 られそうだ。

米国の悪材料

19日のニューヨーク原油先物相場は反発。ドルの下落でインフレヘッジ目 的としての商品の買いが促進されたほか、20日に発表される週間在庫統計で米 ガソリン在庫が4週連続での減少を示すとの見通しも強材料となった。

また、金融機関の損失拡大懸念や景気の先行き不安から米株式相場は続落 し、米2年債利回りは2.30%と7月15日以来の水準に低下した。

米商務省が発表した7月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、以下 同じ)は前月比11%減の96万5000戸と、1991年3月以来の低水準となった。 先行指標となる7月の住宅着工許可件数は18%減の93万7000件。

一方、米労働省が発表した7月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前 月比1.2%上昇、食品とエネルギーを除くコア指数は同0.7%上昇となり、それ ぞれ市場予想を上回った。前年比では全完成品が9.8%上昇)と1981年6月以 来、コア指数が同3.5%上昇と91年以来で最も高い伸びだった。

ダラス連銀のフィッシャー総裁は19日、食品やエネルギー価格の上昇を受 けて企業がコスト高を転嫁するなか、米国のインフレ加速局面は長期化する可 能性があると指摘した。また、元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミスト のケネス・ロゴフ米ハーバード大学教授は、米経済は信用市場の混乱によって リセッション(景気後退)入りしており、大手米銀が破たんする可能性がある との見方を示した。

ユーロ安が一服

一方、ドイツの欧州経済研究所センター(ZEW)が発表した8月のドイ ツ景況感指数(期待指数)はマイナス55.5と、1991年の統計開始以来で最低と なった前月のマイナス63.9から改善した。最高値水準にあった原油相場が下落 したことを受け、エコノミスト予想を上回る改善幅となった。

欧州景気に対する懸念がひとまず後退し、米国の悪材料が再び意識される なか、8月入り以降、加速していたユーロ売り・ドル買いの流れはいったん一 服しそうで、目先はユーロの戻り余地をうかがう展開も予想される。

一方、前日には日本銀行が足元の景気は「停滞している」と、2カ月連続 で情勢判断を下方修正するなど、リスク回避目的以外で円を買う理由がないな か、ドル・円は109円台半ばから後半を中心にもみ合う展開となりそうだ。

--共同取材:曽宮一恵 Editor: Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 小宮 弘子 Hiroko Komiya

+81-3-3201-2371 hkomiya1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Sandy Hendry

+852-2977-6608 shendry@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE