日本株は続落へ、米金融不安で銀行安い-景気懸念も強く輸出軟調

東京株式相場は、続落する公算が大きい。 海外での金融不安が根強いことで、みずほフィナンシャルグループなど銀行株 が下落する見込み。米インフレ懸念の高まりから、トヨタ自動車やキヤノン、 松下電器産業、任天堂など海外依存度の高い輸出関連株も安くなりそうだ。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「改善しかけていた 外部環境が修正されている。テクニカル指標からは売られ過ぎだが、マーケッ トを取り巻く不透明感から売買が細っているため、しんどい状況だ」との見方 を示している。きょうの日経平均株価のレンジについて、西氏は1万2700円 -1万2900円と予想した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の19日清算値は1万 2755円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万2850円)に比べて95円安。

根強い金融不安

19日の米国株市場では、引き続き金融不安が相場の売り材料となった。ゴ ールドマン・サックス・グループは保険最大手アメリカン・インターナショナ ル・グループ(AIG)について、債券投資家を損失から保護するために売却 したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の契約履行のため、200億 ドル(約2兆1920億円)の支払いを迫られ、格下げと大規模な増資につなが る可能性があるとの見方を示した。

また、JPモルガン・チェースのアナリストらは、住宅ローン債券引き受 け最大手のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが新たな評価損計上の可 能性があるとした。ゴールドマン証では米通常取引終了後、メリルリンチやシ ティグループなどの業績予想を軒並み引き下げた。米金融機関の追加損失懸念 が払しょくされないだけに、東京市場でも銀行株や保険株、その他金融株、証 券株などの金融株には売りが先行するとみられる。

もっとも、米証券取引委員会(SEC)のコックス委員長は19日、SE Cが投機的な空売りを規制するための新たな規則を「今後数週間」以内に提案 することを明らかにしている。このため、金融不安に対する売りが一巡した後 は、需給好転期待で下げ渋る可能性もある。

インフレ懸念と住宅不振

一方、米労働省が19日に発表した7月の生産者物価指数(PPI)全完 成品は前月比1.2%上昇と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値 (0.6%上昇)を上回った。前年比では全完成品が9.8%上昇と、27年ぶりの 高い伸び。米リッチモンド連銀のラッカー総裁は19日、ブルームバーグ・テ レビとのインタビューで、インフレを抑制するには、経済成長と金融市場の正 常化の前に利上げが必要になることもあり得ると述べた。

東海東京証券アメリカの矢崎正シニアアナリストは、「PPIはインフレ 懸念を再認識させるものとなったほか、インフレ抑制のための利上げ観測など 悪い話がいくつも重なった」と指摘している。7月の住宅着工件数(季節調整 済み、年率換算、以下同じ)は前月比11%減の96万5000戸と、1991年3月 以来の低水準だった。経済指標で米経済の先行きへの不安感が改めて示された ことから、海外依存度の高い輸出関連株には売りが継続する可能性が高い。

こうした中、20日付の東京新聞朝刊は、トヨタがダイハツ工業と日野自動 車を含むグループ全体での2009年の世界販売台数計画を970万-980万台程度 とすることで最終調整に入ったと報じた。28日に公表するとしている。

米主要株価3指数の19日終値は、S&P500種株価指数が前日比11.91ポ イント(0.9%)安の1266.69、ダウ工業株30種平均は同130.84ドル (1.1%)安の11348.55ドル、ナスダック総合株価指数は同32.62ポイント (1.4%)安の2384.36。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1 対3。

資源株は上昇も

半面、資源株は上昇するとみられる。19日のニューヨーク原油先物相場は 前日比1.66ドル(1.5%)高の1バレル=114.53ドルと反発した 。ドルの下 落でインフレヘッジ目的としての商品の買いが促進された。さらにニューヨー ク銅先物相場は、シティグループのリポート発表などを受けて銅生産をめぐる 懸念が強まったことから過去1週間で最大の上げとなった。市況上昇による業 績期待から、三菱商事などの大手商社株、国際石油開発帝石ホールディングス などの鉱業株、住友金属鉱山などの非鉄金属株には下値での買いが入りそう。

片倉や東製鉄が下落か

個別に材料が出ている銘柄では、医薬品事業における原材料費の高騰が響 いて業績予想を下方修正した片倉工業、きのうの取引時間中に製品値下げを発 表したことを受け、UBS証券が「短期買い」レーティングを取り下げた東京 製鉄などが安くなりそう。エンジニアリング事業の追加コストなどを考慮して 日興シティグループ証券が目標株価を引き下げた荏原も軟調が予想される。

半面、日興シティグループ証券が国内小売業7社の調査を開始し、セクタ ー全体では慎重な投資スタンスとしながらも、株価に割安感があるとして買い 推奨した三越伊勢丹ホールディングスと高島屋は上昇の見込み。衣食住に関連 した商品を格安で販売するディスカウント店に進出する、と20日付の日本経 済新聞朝刊が報じたセブン&アイ・ホールディングスも堅調となりそう。

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