【コラム】気候変動防止に重点を置く投資は間違っている-ワーシック

裏庭でのバーベキューパーティーの時、 太陽光エネルギー関連企業を専門とするファンドに投資したと話す隣人は、明 らかに誇らしげだった。

彼からこの善意の投資についてどう思うか尋ねられた時、わたしは水を差 さずにはいられなかった。彼の背中をたたいて善意の投資を賞賛する代わりに、 その考えは間違っていると言った。

気候変動は人為的な影響によるものである可能性が高く、すべての人々が 取り組むべき世界的な問題であることは分かっているが、投資家であるわれわ れは、間違った考えを押し通してしまうことが多い。

環境関連株のいわゆる「グリーン」セクターを分割する方法がたくさんあ るのは間違いない。代替エネルギー関連企業全般を対象とする投資信託に投資 することもできるし、太陽光や水、クリーンエネルギー関連企業などの特定の 分野に絞り込むこともできる。表面的にはこれらはすべて素晴らしいアイデア のように思える。

環境関連の最新の「グリーンファンド」に対する投資家の関心は非常に高 まっている。金融情報会社モーニングスター(シカゴ)によると、社会的な面 や環境面から選別された170以上の投資先に対し、1710億ドル(約18兆8400 億円)を超える資金が投じられている。

あまりにも多くの資金がこれらの株式やファンドに投資されているため、 業界アナリストらは、一部でバブルが形成されることを懸念している。そして、 場合によっては、バブルは崩壊する可能性がある。

例えば、世界的な需要拡大を背景に、太陽光発電関連株ははやりの投資先 になっている。ただ、これらの企業は世界の投資家らの期待に応えられない可 能性もある。その場合、エタノール生産会社と同じ運命をたどり、失速してし まうのだろうか。

環境関連株

環境関連株への投資は、次なるインターネットバブルに変容する恐れがあ る。環境関連企業にとってすべての要素がばら色だ。世界はこれらの企業を必 要としており、炭化水素を原料とするエネルギーの価格は高騰している。代替 エネルギー熱が近い将来、終息する兆しはない――。どこかで聞いたことのあ る話だ。

投資熱の盛衰がどのようなものか知りたければ、バイオ燃料市場が過去1 年間にたどった道のりを振り返ってみればいい。

原油やガソリン高騰への対応策として、トウモロコシを原料とするエタノ ール生産が脚光を浴びたことを思い出してみよう。多くの科学者たち(そして わたし自身も)エタノールは米国の燃料供給のわずかな部分を占めるにすぎな いとみていた。そして、新たな現実に直面した。バイオ燃料への投資熱は世界 中の食糧高騰につながっているという現実に。

広範囲への投資

投資に関して予測可能な真実は、何に投資すれば最も高いリターン(投資 収益率)を達成できるのかは分からないということだ。なのに、なぜ投資先を 数銘柄に絞り込み、上昇銘柄を見つけるチャンスを減らすのだろう。

リスクを回避したければ、代替エネルギーや気候変動防止関連のポートフ ォリオへの投資は適切ではない。わたしは、株式市場全般から有望株を探す、 ポートフォリオが広範囲にわたるファンドへの投資を望む。

隣人には、狭い範囲のセクターに投資するファンドは避けるようアドバイ スした。市場全体を見て広範囲に投資すれば、やがてリターンは上昇しリスク は低下する可能性がある。

そう考えた場合、気候変動に取り組むのに最適な投資先は、世界の主要銘 柄をカバーするETF(上場投資信託)、「バンガード・トータル・ワール ド・ストック・マーケット」や新興市場に投資するETF、「iシェアーズM SCIエマージング・マーケッツ・インデックス」だ。

気候変動防止への取り組みという意味では、どの技術が採算を取れるよう になるかを推測せず、できるだけ広範囲の上場企業に投資するのが最良の方法 かもしれない。(ジョン・F・ワーシック)

(「iMoney」の共同執筆者であるワーシック氏は、ブルームバー グ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

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