訂正:米地銀債のスプレッド:デフォルト可能性示唆-投資家は疑心暗鬼

債券投資家の米地方銀行への信頼はかつて ないほどに揺らいでいる。

オハイオ州の地銀最大手ナショナル・シティーのピーター・ラスキンド最 高経営責任者(CEO)によれば、同行は全米の大手銀の中で最も資本基盤が 堅固だ。にもかかわらず、同行債の価格は6月以来、額面1ドルに対して17セ ントも下落した。スプレッド(米国債との利回り格差)は10ポイントを上回り、 苦境にあえぐ米自動車業界のフォード・モーター並みとなっている。キーコー プ、コメリカ、フィフス・サード・バンコープの社債価格も最大14セント下落 した。

社債相場が反映しているのは、米住宅市場の急減速を発端とする金融機関 の損失の拡大には当分歯止めがかからず、米連邦準備制度理事会(FRB)や 米財務省の対策はさして効果がないとの投資家の見方だ。

40/86アドバイザーズのエリック・ジョンソン社長は、社債や住宅ローン担 保証券の利回りが落ち着くまでは買いを入れるには早過ぎるとして、「落ちてく るナイフをつかもうとするようなものだ」と述べている。

2007年以来、地銀十数行が州や連邦当局によって閉鎖された。米連邦預金 保険公社(FDIC)の5月の発表によれば、同公社の「問題行」リストは今 年1-3月(第1四半期)に90行と、前四半期の76行から記載が増えた。

PIMCOの見方

債券ファンド大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(P IMCO)のエグゼクティブ・バイスプレジデント、マーク・キーセル氏によ れば、PIMCOも米シティグループのような「世界最大級」の米銀債は購入 するものの、中小金融機関債の投資には利回り上昇にもかかわらず消極的だ。 政府が救済せず、破たんを容認する公算があるためだ。

キーセル氏はインタビューで、「銀行ならどれもが大き過ぎてつぶせないと いうことはないと思う」と話した上で、国際的な大手行は事業の多角化が進ん でおり預金基盤も安定、資本規模も大きいと付け加えた。さらに、大手行はF RBの直接の管理下にあるとも指摘した。

ナショナル・シティーの10年債(表面利率6.875%、2019年償還)は先週、 額面1ドルに対し61セントで取引された。年初は99セントだった。利回りは 14%と同年限の米国債を10.2ポイント上回る。スプレッドが10ポイント以上 の銘柄は「ディストレスト債」と定義される。調査会社フリッドソン・インベ ストメント・アドバイザーズによれば、こうした債券は22%の確率で1年以内 にデフォルト(債務不履行)する。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の銀行業界アナリ スト、ジョン・バートコ氏によれば、「誰もがこんな状況は見たことがないと言 っている」。「今回の市場の落ち込みは大方の予想よりも深く長期にわたり、時 間がたつにつれて懸念は強まっている。実際、安定化の兆しは全く見られない」 と同氏は述べた。

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