東京外為:円の買い戻し進む、ユーロとオセアニア通貨の調整続く

午前の東京外国為替市場では幅広い通貨に 対して円の買い戻しが進行。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=161円01銭(ブ ルームバーグ・データ参照、以下同じ)と、5月13日以来、約3カ月ぶりの水 準までユーロ安・円高が進んだ。ユーロ圏景気の減速懸念やオーストラリアの 利下げ観測を背景としたユーロと豪ドルの調整売りが先行し、全般的に円を買 い戻す動きにつながった。

大和証券SMBC金融市場調査部の長崎能英シニアFXストラテジストは、 「欧州やオセアニアでは、これまで景気の底堅さを背景に利上げが進められ、 ユーロや豪ドルを中心に金利先高観のある通貨が買われてきたが、一転して市 場は利下げを織り込み始めている」と説明。利下げ開始までは金利先高期待の あった通貨は弱くなるとみられるなか、景況感の悪化が再確認された場合は、 一段と下押し圧力が強まるリスクが高いとみている。

ユーロ圏景気の減速懸念

この日はドイツで欧州経済研究所センター(ZEW)が8月の景況感指数 を発表する。7月は期待指数がマイナス63.9と、1991年12月に指数の算出が 開始されて以来の低水準に落ち込んだが、8月もマイナス62と、引き続き低迷 が見込まれている。

ユーロ圏の景気減速懸念を背景にユーロの下落基調は継続しており、18日 には対ドルで一時1ユーロ=1.4647ドルと、2月20日以来の安値を付けている。 その後、1.47ドル台後半まで値を戻す場面もみられたが、この日の東京市場で は1.46ドル台後半まで下押されて取引されている。

みずほコーポレート銀行国際為替部の宮地崇調査役は、市場の焦点が米経 済とその他地域とのデカップリング(非連動性)という状況のなかで、今週は 独経済指標を初めとして米以外の地域の景況感や金融政策を示す材料が注目さ れると説明。そのうえで、「市場はネガティブな材料に反応しやすい状況とな っており、その他通貨の売り圧力を背景にドル買い戻しの勢いが再び強まる可 能性がある」とみている。

一方、ドル・円相場は、「他の通貨に焦点が当たっているため、蚊帳の外 といった感じが否めない」(宮地氏)という。この日はユーロ相場の動向に振 らされる格好で、対ユーロでの円買いが波及し一時1ドル=109円67銭と、2 営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んでいる。

豪利下げ観測強まる

また、この日はオーストラリア準備銀行(RBA)が、政策金利の据え置 きを決めた今月5日の政策決定会合の議事要旨を公表。複数の政策委員会メン バーが「早期に利下げを実施する場合もあり得る」との見解を示していたこと が分かった。

これを受けて豪ドル売りが進み、対ドルでは一時1豪ドル=0.8635ドル、 対円でも一時94円76銭と、2営業日ぶりの安値を付けた。

米住宅指標を警戒

一方、米国では7月の住宅着工件数が発表される。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめた市場予想では96万件と、約17年ぶりの低水準が見込まれてい る。住宅着工許可件数も減少が予想されており、住宅市場の低迷を再確認する 内容となりそうだ。

このため、ユーロやオセアニア通貨の調整でドルの買い戻し圧力が強まっ ているものの、積極的にドルを買い進める動きは見込みにくく、ドル・円相場 はドルの戻り局面では、国内輸出企業を中心としたドル売りに上値を抑えられ やすい面が残る。

日銀の景気判断を見極め

そうしたなか、この日は日本銀行が18日から開催している金融政策決定会 合の結果を公表する。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、金 融政策の現状維持が見込まれている。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプレジデン トは日銀会合について、「恐らく変化は何もないとみられるが、コメントの中 でハト派的なものが出てくるという懸念があり、今の相場のトーンでいうと、 結果的に円にとっては良い材料にはならない」とみている。